神殺し始めました。
@curein
1話 異世界召喚だと思いたい
神々は常に刺激的で夢中になれるものを探している。
そのためなら人間などの下等生物の犠牲は厭わず、戦争を意図的に起こしたり世界に終末をもたらしたりする。
人間という生物は神々にとって都合のいいエンターテイナーであるからだ。
神が実在することを知らず、いついかなる時でも神の手の上で滑稽に踊っているそんな生き物。
人間を生かすも殺すも自分次第で飴を与える、鞭を与える、幸福を与える、不幸を与えるそれすらも神の気まぐれ。
罪をふらし、罰を与え、絶望を愉しむ。
それを数百年、数千年と繰り返していると飽きが来てしまった。
いくら人間が多く存在し一人一人違ったとしても飽きるものは飽き、つまらないものはつまらないと感じる。
故に別の楽しみ方を考えた。
何か他にないかと考えるうちにとある神がこんな遊戯をしてみないかと提案した。
その遊戯は神にとって未知数だった。
だが、神々は未知数であることが大の好物であった。
全知に近しい知識を持っていてなお予想することが出来ないのだから。
そこから話し合いの場を設け、遊戯のルールの作成やゲームバランスについて話し合った。
そこから人間じでは想像もできないほどの年月をかけてついに完成した。
『ティア・スレシス』と呼ばれる遊戯が。
◆◇◆
クラスメイトの楽しそうな声を聞きながら俺、新城和人は読み終わった本を鞄に直した。
読んでいたのは、友達から勧められたいわゆる異世界物ものだ。
交通事故にあったり、過労死したり、クラスごと転移して主人公がチートスキルをもらって無双したりハーレム作ったりするやつ。
この手のラノベをよく耳にするようになり始めて読んでみた。
初見の感想としては、主人公強すぎねぇとかヒロイン1人だけでよくなぁいって思ったりした。
面白いから他のも読むけど。
個人的には、頭使いながら戦う系のやつとかそこまで強くない能力を工夫したりする奴とか読みてぇ。
俺Tueeeeeeはあんまり性に合わなかったし。
そんなことを考えたり、陽キャ達の声をBGM代わりにしながら帰る準備を始める。
「今日の明里のネイルすごく綺麗だね」
「でしょでしょっ。かなり時間かかったんだ〜」
「へぇ〜スッゲ、スッッゲェー。……ってか麗央よく見てるぅ」
「ホントだ〜めっちゃ可愛い〜」
「だしょ〜時間かけた甲斐あったわ」
ネイルしてきたthe女子高生が田辺明里、それに気づいた男子が気配りができてイケメンだと評判な岡本麗央、語彙力が終わってるやつが佐々木健太、
最後に共感したのが濱崎ゆあだ。
うちのクラスのトップカースト達である。
陽キャのコミュニケーションってパッションでどうにかしてるよなぁと思う今日この頃です。
…それにしても内容うっすいな。
その程度の会話で陽キャになれるんだったら俺もいけるんじゃね。
だが俺の友達が少ないことを考えると会話できるのが陽キャなんじゃなくて空気感や雰囲気で定義されているのではなかろうか。
などと益体もないことを考えていると、
「きゃあっ何これっ」
という声が聞こえた。
普段の俺なら振り返ったりしないがその声に驚愕と焦燥を帯びていたため気になって振り返ってみた。
まぁなんていうの野次馬根性みたいな感じよね。
そのことは置いといてなぜ悲鳴を上げたのかは一目見ればすぐに分かった。
その理由は……
「なんか発光してんだけど…」
やっべ思わず口に出しちゃったZE。
けど無理もないだろ?
人が発光してたら誰でもこうな…………なんか消えたんだが。
光じゃなくてヒカリゴk……じゃなくて人が。
状況説明中に消えるのやめてもらってもよろしいか思考をまとめられねぇ。
そうこうしていると1人、また1人と光を纏い始めた。
スー○ーサ○ヤ人みたいに。
ちょっとかっこいいはやく俺も光らせて仲間はずれは悲しいんダゾ。
頭の中がお花畑なのは俺ぐらいのようでクラスの中は阿鼻叫喚。
「えっ何これ」
「嘘でしょ。なんで光ってんのっ」
「高田さんがき、き、消えた」
「嫌だっ消えたくない誰かたすけっ……」
そうこうしているうちにクラスの半分近くが消えていた。
この状況では天下のイケメンである岡本でさえパニクっている。
イケメンでもこんな状況になったらちゃんとパニクるんだなぁ。
同じ人間だと確認できてよかったですまる。
ちなみに俺も光始めたが、周りがパニクリすぎて逆に冷静になった。
自分より泣いてる人がいたら落ち着くあの現象、意外にありがたいんだよな。
喋ったこともないクラスメートよ俺の鎮静剤になってくれて感謝する。
まぁでも仮に俺1人だったところであんまパニクラなかったと思う……決して強がりとかではなくね。
なんなら俺はこの状況をかなり楽しんでいる。
いつも過ごしている日常に非日常が割り込んできた、これはワクワクせざるを得ない。
理由としてはさっき読み終わった異世界ものの導入がこんな感じだったから。
いわゆるクラス転移。
多分、きっと、メイビーそうでしょう。
ただ最強になったりハーレムを作ったりはできないだろうしできたとしてもやらないけど、魔法使ったりしたいし剣も振り回したい。
現実として俺は多分淘汰されて奈落とかに落とされて復讐誓ったり、ザマァしたりする側になるだろうが。
それでも痛いことだけは避けたい。
これが全身発光現象が転移とかではなく、ただただふつうに消えてご臨終する可能性もある。
痛くないんだったら消滅endでもいいが。
そうして光が俺を包みどこかに飛ばされた。
最後に思ったことがこんなふざけたことにならなければいいなと考えながら。
新城和人本人は気づいていなかったが、この現象が始まり消える直前まで、笑っていたそうだ。
あとがき
こんにちは、curainです。
今回初めて書かせていただきました。いわゆる処女作というものですね。
そのためところどころおかしかったりするかもしれませんが温かい目で見守ってください。
何番煎じだよと思われる設定かもしれませんが、ワタシも差別化できるように頑張りますのでよろしくお願いします。
最後に、陰のものには陽キャの会話の書き方マッジでわかんねぇぇぇぇ‼️
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます