第10話 思案

 拠点に戻り、小屋を覗いた。

 小屋には水を汲む桶や籠があった。日のあるうちに食料と水を確保しよう。

 時間をかけて機を伺うためにも、水と食料がなくては話にならない。


 川の水を汲みながら、次の手を考える。 

 集落があり、組織として共同生活を送っていれば必ず規律に反発する者がいるはずだ。

 往々にして、そういう人物は外へ強い関心をもっていて、警戒心が薄い。定期的に脱走したり、単独行動もするはずだ。その時に、接触してみる価値はある。

 継続的に関係が維持できれば、この世界の知識や言語問題はあらかた解決するだろう。

 その者には未知が高い価値として映るはずだ。


 しばらくは集落に通い、挨拶や礼節、タブーについて観察しよう。そのうち、目的の人物も分かるはずだ。

 

 これが、私の異世界生活一日目である。


 

 

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