第11話 アラーム

 車で橋を渡ると、道路の上にゴミのような物が落ちていた。


 避けきれず轢くと、タイヤがパンクしたように動かなくなってしまう。


 運転席からでて車体の下を覗くと手足のついた動物の死骸が、後輪に巻きこまれていた。


 乾いた目がこちらを覗いているようで背筋が寒くなる。


 気を引き締め、車に載せていた手袋をはめてから引きずり出すことにした。


 割れた肋骨から伸びる前脚の付け根を掴むと、死んでいたと思っていた死骸が動きだした。


 腰が抜けたように動けなくなり、ケダモノから逃れようと、道の真ん中まで這う。


 そこへトラックが迫ってきた。


 もうダメだと思った瞬間、鶏の鳴く声がして目が覚めた。

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