破壊と万能

「リル姉さん、うちはまずは何をすればいいアルか!」

「まずは世界を壊す者ワールドブレイカーについて教えてもらおうかしら」

「それは……」

「それは?」

「うちもよくわかってないアルね!」

「……なるほどね」

世界を壊す者ワールドブレイカーの秘密を解き明かしたくて正義の栄光グランドジャスティスにきたアルね!」


――――――――――――――――――――――


「ってことらしいんだけどラルコスとアカネは何か心当たりあったりするかしら?」

「いや……聞いたこともない職業だな……」

「私もです」


 私ははぁとため息をつく。

 何もわからないんじゃ指導のしようがない。


「でも……」

「でも何? 何か思い出したのかしら?」

「はい。確か遠方の国の伝承に『世界を壊せし者が現れた時、万能の者が世界を救うだろう』というものがあったような……?」

「……」


 私は思考を巡らせる。

 世界を壊せし者が世界を壊す者ワールドブレイカーだとして万能の者はなんだろうか?

 私はそこまで考えハッと顔を上げる。


「アレク……か?」


 同時に答えにたどり着いたであろうラルコスも声を上げる。


「じゃあその伝承通りにことが進んでそれが真実だとしたら、アレクさんが勇者でウンランさんが魔王ということになるん……ですかね?」

「そんなことあり得るのかしら?」

「さぁ……真偽はわからないが、一旦はウンランの動向やアレクの動向に気をつけるしかないんじゃないか? もっともアレクがどこで何をしているかは俺は知らないが」


 私はアレクの動向を思い返す。

 そういえばミナカさんが言ってましたわね。

 なんでも正義の栄光グランドジャスティス傘下のパーティーを作ったと。

 確か名前は……。


正義の信奉スティルジャスティス……でしたか。ラルコス、アカネ、私ちょっと数日ほど出かけてくるわ。ウンランのこと少しの間よろしくね」


 私はアレクに会うべく正義の信奉スティルジャスティスの動向を追うことにした。


――――――――――――――――――――

 

「南の泉を目指したですか」

「はい。しばらく時間がかかる探索に出かけるので依頼を受けられないと残して向かわれました」


 私はとりあえず正義の信奉スティルジャスティスに詳しいであろうミナカさんを訪ねていた。


「では私も南の泉に向かいましょう。南にある泉といえば精霊の伝承が伝わるあそこしかないでしょうし」

「待ってください! 今最強の2パーティーが不在になると依頼が……」

「知りませんよ。そもそも私達は自由にやってもいいことを条件に所属をしているはずですが?」

「それは……そうなんですけど!」

「ならば問題はありませんね」

「そんなぁ……」


 私は嘆くミナカさんを横目にギルドを後にして南の泉を目指すことにした。




 

———————————————————

遅くなり申し訳ありません…。

カクヨムコン週間初週12位でした!

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