未来永劫/反神経回路

未来永劫

という概念を、

脳髄の奥で、

逆回転、

させてみたら、

まず音が死んだ、

つぎに時間が笑った、

最後に、

わたしの影だけが、

意味を拒否して立っていた、


未来永劫は、

図形未満の歪み、

裂けた空白が、

わたしの首筋に貼りつき、

剥がそうとするたび、

未来の方が、

先に、

される、


風が骨格を舐め、

骨格が数字を呪い、

数字が沈黙を飲み込み、

沈黙だけが、

永遠に、

わたしの名前を反芻する、


夜更け、

通知の裏側で、

時間の胎児が、

ひとつ、

啼いた、

その泣き声は、

周波数のちぎれた祈り、

指先に触れた瞬間、

わたしの記憶が、

黒い反物質に転倒した、


未 来永劫とは世界

が自壊 するとき最

後ま で燃え残るあ

の 無音の閃光だれ

も直 視しないから

存在し てしまう光


永遠という単語を噛むと、

歯茎から黒い数式が滴り、

その数式は、

過去の亡霊を演算しつづけ、

演算の果てで、

わたしの未来を勝手に改竄する、


名づけえぬ何かが、

時間の屍を踏み越え、

こちらへ歩いてくる、

音、

振り返るな!

振り返れば!

すべてが!

未来永劫の外側に

落ちてしまうから

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