はじめに 

 ※この記録は、私が日常的に運営している動画チャンネル用の台本ではありません。

 ※加筆などを行って、作品としてまとめる意図もありません。


 私は都市伝説や実話怪談、世間で噂になっている出来事などを扱う動画を投稿しています。

 もちろん専門家ではありませんし、裏取りや調査体制が整っているわけではありません。視聴者から提供された体験談や噂を、できる範囲でまとめ直して紹介しています。


 私のもとには、毎日のように多くの視聴者からメッセージが届きます。

 そのほとんどは、創作であることが明確な投稿や、表現の過剰な脚色を伴う恐怖体験の再現、あるいは過激な描写を交えたものが多いです。こうした投稿の特徴として、文章の組み立て方や言葉の選び方から、読む人を怖がらせようとする意図がはっきりと伝わってきます。読むと「わざとらしい」と感じることも少なくありません。


 一方で、そうした装飾が一切なく、淡々と語られている文章が送られてくることもあります。読み手を怖がらせようとする意図が全く見えず、ただ誰かに話を聞いてほしいのだろう、と感じるような──。


 今回、私のもとに送られてきたダイレクトメッセージは、まさにその種類に分類されるものでした。


「いつも動画見てます。私、真野さんと同じ高校だった横山■■です。もう覚えてないかもしれないけど。ちょっと聞いてほしいことがあって、DMしました。あの、同窓会のニュース、もう見ましたか?」


 実際、毎日多くのメッセージが送られてくるため、全てのものに目を通せていないのが現状です。

 画面をスクロールしていた手を止めずにはいられませんでした。

 横山さん。すぐに顔が浮かんだわけではありませんでした。というのも、彼女はクラスメイトだったわけではなく、高校時代に美術コースの授業が同じだったという、ただそれだけの関係でした。


 そんな彼女が、なぜ私に連絡をくれたのか。

 横山さんは、確か今回のニュースになった同窓会のクラスの一人でした。そして、そのクラスで「ある事件」があったことをよく覚えています。

 当時、そのクラスで起こった事件と今回のニュース。

 もしかしたら、何か関係があるのではないか。


 ただの好奇心だけではなく、このチャンネルを運営する責任から、横山さんの話を聞いてみることにしました。 

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