第2話 いじられ、罵られ、命令され、
私は子供のときから他のやつより腐っているとは感じていた。
今日、ゲームで知り合って仲良くなった”りょうま”という年上男性に会うことになった。
朝早く起きてから、髪の毛を軽く巻いてメイクをして服に着替える。
そして、紙袋に何冊かの漫画を入れて外に出た。
約束の場所に二分前に行くとそこには男性が立って腕時計を見て待っていた。
「…りょうま?」
如何にも大人の男性という感じがする。
世間一般的に見たら、イケメンと思うのだろうかだが中身は変態そのものであるためあまりかっこいいとは思えない。
「ああ、あおい」
サラサラな黒髪に少し長いのか細目な目はあまり見えない。とても24歳とは思えないその顔と、体は変態には思えない。
私達はカラオケに入った。提案はりょうま。
”カラオケで女の子と歌ってみたかったから”なんてりょうまらしいことだったけど私じゃなくてもよかったのでは?とも思う。あの顔だったらナンパしても嫌な顔せず成功する気がする。いや、するだろう。
「あおい何歌う?」
「じゃあ、残酷な天使のテーゼ」
「しょっぱなそれかよ。もっと恋愛系とかあるだろ。」
「りょうまは?」
「シングルベッド」
「ふっる!」
一体心は何歳なのか。
「ざーんこーくな天使のテーゼ。まーどべからやがて飛び立つ」
二曲、三曲、四曲を二人ずつ歌いもう喉は壊れかけていてジュースを何杯飲んだのかはわからない。
お酒、飲んでいいよって言ったのにりょうまは飲まずにオレンジジュースを飲んでいる。彼曰く、”下戸”らしい。
「あおいってさ好きなタイプとかあんの?」
心臓が、ドキッと跳ねる。
いや、別にこいつが好きとかそういうわけじゃないがただ単純に男性からこういうことを聞かれるのは好意があるからなどしか考えられなかった。
「好きなタイプ?えーあんまり気にしたこと無いかも」
何故かどんどんあ近づいてくる彼に冷や汗が止まらない。
「…あおいちゃんさ違うよね。もっと俺みたいな声で、顔で指示してくれる人でしょ?あとさぁ、さっきから股もじもじさせてどうしたの?」
今まで体中から溢れていた冷や汗が急に凍ったような気がした。
私は、極度のドMだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます