第6話 転職

 そこからはトントン拍子に話が進んだ。


 というより、進めざるをえなかったというか……。


 朧の場合、扱いを武器にするかユニークスキルにするか微妙なラインなので法律違反で即逮捕! みたいなことになることはないらしいのだが。


 冒険者ギルドとしても、何の許可も持たない一般人が殺傷能力のある武器を持ち歩く(俺の場合一体化してるのでそうするしかないのだが)のは見過ごせないとのことで。


 それなら、法律の事でごちゃごちゃするより俺を冒険者にしてしまって武器を持ち歩く許可を与えてしまおうという判断になったらしい。


 冒険者だろうが、街中で武器を振り回し人を傷つけたり脅したりするような行為は禁じられているが。


 仕事柄、武器を所持し持ち歩く行為は冒険者ランクに関係なく許可されているのだ。


「というわけで、俺、転職を勧められまして……」


「おう。そうか。 よかったじゃないか! タカシお前、本当は冒険者になりたかったんだろ」


 まだ入院中のゴンダさんに事の成り行きを伝え。


 採掘士の仕事を辞めなければいけないという話をすると、ゴンダさんは笑顔で俺を送り出してくれた。


 ゴンダさんには両親を亡くしてから一年も経たないうちからお世話になっていて、仕事場だけでなく私生活の事も気に掛けてくれていた。


 それだけに俺のプライベートなこともよく知っていて、冒険者の夢を諦めたなんて口ではいいつつ、いまだに冒険者が読むような専門書を読み漁っていることも、どこかでまだ冒険者への憧れを抱いていることも全部分かっていたんだ。


「たまにはメッセージだけじゃなく顔を見せに来いよな」


「もちろんっす」


「じゃあ、頑張れよ。 すげー冒険者になって、アイツと知り合いなんだよ~ってオレに自慢させてくれよな、でしし」


「はい……っ! 」

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