黒い猫と暮らして

日戸 暁

第1話 来た

ミヤト、という男子がうちに来た。


まだ中学生になったばかりの子どもで、

平たく言えば私の甥っ子だ。


特に世話してやらなくとも

自分で勝手に飯を作って食べ、部屋の隅に寝袋を置いて寝ている。


私が近付くと、眠っているくせにぴくっと身を強張らせる。


なんか、あれだ。


ガレージや軒下に勝手に棲み着いた野良猫みたいだ。

人の家にやって来て、餌をやれば食うのに、撫でさせてくれない。


年頃の男子だ、しばらくはそっとしておこうと思う。

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