第40話 汐崎先輩の女難

 七宮と昼飯を食べ終えて、ゆっくりしていると。


 藍と白鳥さんが俺達の所へと合流した。もう少ししたら、文芸部に出店で買った料理を届けるつもりだったが。


 秋月部長は汐崎先輩に用事からある為、秋月部長の分は皆で食べてと伝える様に白鳥さんが言われたらしく。


 それならと、俺達は文芸部員4人はイートインスペースがある場所へと移動し。皆で仲良くご飯を食べる事になった。



「丁度、4人分の席がいてて、良かったな。ゆっくりできる」


「だし~! ウチ等の日頃からのおこないが良いお陰だし」


「七宮の日頃のおこないなんて、悪い事ばかりだろうか」


「うわ~! 最低だし。建宮っち、そこは女の私を立てる所っしょ! 人でなし~!」


「何が人でなしだ。乳無……いや、七宮のおっぱはデカイ方だったな」


「うわ! うわ~! 変態だし! 建宮っちの発言変態だし! どんだけ。ウチの事が好きだし。建宮っちは~!」


 ……俺は変態じゃない。おっぱいが好きなだけだ。とくに藍みないな巨乳好き。


「俺が変態なら。お前は痴女だな。七宮、明日から俺とは距離を置いてくれ」


「むき~! 置くわけない! 余計に近くしてやるし~!」


「だぁぁ!! 引っ付くな。暑苦しい。乳揉むぞ」


「も、揉めるもんなら揉んでみろし! 建宮っちにそんな度胸あるわけないし」


「あそうっ! なら、揉むわ!」


モニュモニュ!


「キャアア!! 本当に揉んだし! この変態建宮っち!」


「おう! お前にだけはな。七宮、俺はいい加減。七宮のセクハラにも態勢が付いたんだろうな。無の境地で七宮の胸を触れる様に……うぐぅ?!」


「無の境地で触れる様になるんじゃないし~! 建宮っち~!」


 ……俺と七宮のおっぱいコント、さまになってきたな。


「ゆー君~! なんで、そんなに七宮さんのおっぱいを連続タッチしてるのかな? それってセクハラだよね? セクハラ~! なんで私のおっぱいはいつも拒否るのに。七宮さんのおっぱいは普通に触ってるのか? ゆー君」


 いかれる幼馴染み藍さんがニコニコ笑顔で俺に迫って来る。怖いから怒らないでほしいな。


 仕方ないから。藍を大人しくさせる魔法の言葉を伝えてやるか。


「なんでって。藍は七宮なんかよりも大切な存在だからに決まってるだろう。幼馴染みなんだからな」


「はぅ! ゆー君。そんなに私の事を大切に思ってくれてたの? う、嬉しいよぉ」

「はぁ~?! 建宮っち。ふざけんなし! なんで藍ちゃんのおっぱいよりも、ウチのおっぱいの方が軽んじられないといけないんだし」

「……建宮君。私のおっぱいも気にして下さいね……」


「お~、後は3人で揉みくちゃしあってくれ~! 俺は疲れたから、飲み物買ってくるわ」


 文芸部3人娘がわちゃわちゃギャーギャーやってる間に俺は席を外し。近くの自販機で飲み物を買いに移動した。



「文化祭だからか。文芸部3人娘のテンションも高いな~! あ! 間違って、抹茶ポン酢味のボタン押しちまった……七宮にでも飲ませてやるか」


 最早もはや、俺の七宮に対する扱いは、家のタマよりも低い。


「……あれだけの女の子達と同時に仲良くできるのは羨ましいな。建宮~……」


「へ? この声は……汐崎先輩?! なんでこんな所に?」


「ん〜? 逃走中かな」


「逃走中? 何ですかそれ?」


「ん〜……色々」


 リアルゴジョウ事、汐崎先輩がサングラス越しに俺を見つめる。


 うおー、相変わらずのすげえ、美形で眼とか宝石みたいに綺麗だなこの人。


 それに性格、成績も良いし。運動は……そこら辺が凄いとは聞かないな。


「あ! 建宮。お前今、俺の事を運動できないとか思ったろう」


「は? なんでそれを? すみません」


「アハハ! 感だよ。感……俺って人の考えてる事理解できるんだぜ。この眼のお陰でさ」


「は? マジですか? じゃあ、今、俺が考えてる事も分かってるんですか?」


 汐崎先輩マジ顔良いな。この人絶対にモテるだろ。


「なぁ〜んてな。嘘嘘。冗談……悪い今の俺、凄い疲れてるから。冗談とか言って、可愛い後輩をいじらないとパンクするんだわ。好きな娘がいるのに、一緒に居れないっていうかな」


「はぁ……女難じょなんってやつですか。大変ですね」


 完璧超人に見えて女にだらしないのか? 汐崎先輩。


「あー、色々大変だよ。朝は、葵と文化祭巡めぐりの計画を立ててたら、彩葉とお華と雪乃が来てさ。最後は4人で俺を責める責める」


 ……俺はモテるぞって、自己申告してんのか? この先輩。


「文化祭が始まったらで、有栖川にストーカーされるしな」


 超人気無敵のアイドルにストーカーされるって、めちゃくちゃ羨ましいな。おい。


「昼頃は、佐伯に出会したと思ったら、〖先輩なんてもう眼中にありませんから~! お別れですよ~!〗とか言われて、目の前で、四君子しくんしちゃんとやらにキスし始めるしさ」


 蘭。お前、汐崎先輩に女の子だと勘違いされてるぞ。つうか佐伯のやつ。とうとう行く所まで行ったんだな。


 もう止まる気ないな。あのベストカップル。


「そして、今は……逃げ回ってる」


「ん? 何ですか?」


「……色々とな。それよりも。建宮に教えてもらいたい事があるんだが良いか?」


 完璧超人の汐崎先輩が俺に教えてもらいたい事? 何だ?


「な、何でしょうか? 俺に答えられる様な事があれば喜んで答えますよ」


 汐崎先輩は藍の生徒会の上司で次期生徒会長だもんな。逆らうわけにはいかん。


「本当か? それじゃあな……」


「そ、それじゃあ?」


「どうすれば仲の良い女の子達と、あんな自然に接する事ができるんだ?」


「は………い?」


 危ねえぇ!! ついつい先輩に、は?とか言いそうになってしまった。上下関係に亀裂きれつが入るところだったぜ。


「建宮はあの文芸部の女の子達と上手くやってるよな?」


「あ、あ~……まあ、色々と問題児の集まりですけどね」


「そうなのか。いや、それは凄いな。あれだけの個性豊かな女の子を相手に仲良くしてるんだからな!」


 凄いかな?


 藍は俺のパンツを脱がして盗むムッツリスケベだし。


 七宮は俺に胸をただで触らしてくれる純粋な可愛いヤツだし。


 白鳥さんは……俺を自分の部屋に監禁したがるヤベー女の子だし。


 ……俺の周りろくな女の子居ないな。


「あ~! まぁ……とりあえず。汐崎先輩が気になる女の子が入るんでしたら。パンツを奪わせるとか、胸を揉むとか、自分を盗撮させるとかが良いですよ。そうすれば相手も満足して話はちゃんと聞いてくれる様にはなりますよ」


 ただし。こっちの言うことをまともに聞くかは運次第なんだよな。文芸部3人娘の場合は。


「……パンツを盗ませる?……胸を揉ませる?……自分を盗撮をさせるか。そういうのならいつもやられてるいるんだけどな」


「いつもやられてるですか? つうか。そんな事する変態がこの学校にいるんですか?……あ! いや、いますね。少し離れた目の前に」



「「「―――――!!」」」


 俺は静かに目の前で何か楽しいそうにわちゃわちゃやっている3人娘達を冷たく見つめた。


「いや……だけど。たしかに有効かもしれないな。分かった! 彼女達が来たら撃退できるか試してみよう」


「はい? 撃退できるか試すですか?」


「あぁ、多分、そろそろ追いつかれる頃だしな」


「追いつかれる?……何がですか? 汐崎先ぱ…」


 俺が汐崎先輩に質問した時だった。アイドル衣装の無敵アイドルがスタンガンを持って、俺達の後ろに立っていたのは。


「あ! やっと見つけましたよ。光君」


「この声は?! まさか、可憐……ギャアアア!!」

バリバリバリバリ!!


「は?」


 ……無敵のアイドル可憐ちゃんが。ニコニコ笑顔で、汐崎先輩に向かってスタンガンを使用。汐崎先輩はカッコ良く丸焦げになった。


「ケホッ!」

「いや、ケホッ!だけじゃすまないですって。先輩! 有栖川可憐先輩。汐崎先輩になにを……」


「あ! ここに居たのね。光……探したのだけど」

「あれ? 秋月部長?! 何ですか? そのかっ……」


ポコり!

「ゲフッ!」


 次に登場したのは巫女服のコスプレをした秋月部長だった。汐崎先輩を見つけると同時に、汐崎先輩を縄で縛りあげた。


「可憐さん。誰にも見られてないかしら?」

「はい。後は私のビルに連れ込むだけですね」

「えぇ、皆で楽しみましょう」


「あ! やっと見つけたわよ! 可憐~! 彩葉~! アンタ達。私の光に何をする気なのよ?」

「誰が私の光君ですか。光君はあの夏に私を選んでくれたんですよ。葵さん」

「そんなの嘘に決まってるでしょう。相変わらず。お馬鹿さんね。雪乃は」

「何ですか? それはー!」

「まぁまぁ、お二人共落ち着いて下さいませ」


 遠くから。七宮の姉貴分2人。織姫先輩と七宮財閥のご令嬢だったよな? たしかにアナスタシア先輩か。


 後は着物を着た黒髪の人が、汐崎先輩目掛けて走って来る。


「……彩葉ちゃん。華ちゃんが裏切ったみたいです」

「もう一度懐柔すれば大丈夫よ。それよりも光を運びましょう。可憐」

「分かりました」

「フゥー、それじゃあ、午後からの文芸部は展示しかないから自由時間よ。建宮君、共に良い文化祭にしましょうね。それじゃあね」

「ゲフッ!」


「あ、はい。お疲れ様でした。秋月部長……そして、御愁傷様です。汐崎先輩」


 俺はそう告げて両手を静かに合わせた。


「あ! 逃げたわ! 待ちなさい! 可憐~! 彩葉~!」

「お待ち下さい! お二人共~!」

「ハァーハァー……ウチ、体力ないんやけど」


 そして、少し遅れて。織姫先輩達が秋月部長達を追いかけて、俺の横を颯爽さっそうと走り抜けて行った。


「……なんか汐崎先輩も大変なんだ。頑張って下さい。汐崎先輩」


 俺は心の中で汐崎先輩にエールを送り。文芸部3人娘の元へと戻った。




 




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