第32話 影武者の親友
「それではこれより第80回黎明文化祭の開始しよう」
雫姉…雨宮生徒会長の宣言で開会式は終了し、文化祭がいよいよスタートだ。
各クラスの屋台や出し物はグラウンド等に並び。
展示品、メイド展覧会、クラス事の演劇、などのイベントは旧校舎の各教室で開かれる。
生徒の皆はその準備の為、次々と体育館を後にする。そして、俺は……
ぶっちゃけ。今日の文化祭で俺の役目はメイド服を着て。トネガワとヂイガワの絵本を遊びに来た子供達に読んで聴かせるだけだ。
クラスでの出し物は小道具作りだったし。クラス委員長の佐伯には、〖好きにふらついてて良いですよ~!〗とか言われたしな。
まあ、親友の蘭がお姫様役として大活躍する演劇は是非ともみたいので、演劇始まったら旧校舎に向かうとして……
このまま体育館に居たら秋月部長に捕まり。強制的にメイド服を着させられて客寄せパンダに使われかねないな。
「よし。なるべくメイド服なんて着たくないし。クラスの演劇が始まるまで屋上にでも隠れて……」
「ハァ~? 何を言ってるし。建宮っち。どこ行こうとしてんだし」
「ゆー君。駄目だよ。勝手に居なくなろうとしちゃあ。
「た、建宮君。文化祭楽しみましょう……そ、それと昨日の事を謝らせて下さい」
左手に七宮。右側に藍。真っ正面にはビデオカメラを
「ビュフ?……何君達? 僕は1つ下の義理の妹と幼馴染みの
「真お兄ちゃん~! なんで、そんな美少女達に囲まれてるの? 浮気は駄目だよ。お兄ちゃん」
「シン様~! 浮気は許しませんわ~!」
「
「上木くん。ゆー君はどこに行ったのかな?」
「……いつの間に入れ替わってたんですか?」
「ん〜? 今日はお祭りだがらかな? それにゆゆー君に頼まれたからね。少し1人の時間が欲しいってさ……君等。僕の親友に何したの?」
現在、俺は少し離れた場所で藍達の様子を観察してるんだが。なんか。
「い、いや、何もしてないし……」
「本当に? いつもは元気でスケベな筈のゆー君が疲れきってるって可笑しいよね? 何したんだい?」
……普段はエロゲーかソシャゲを教室の片隅で静かにやっている真が、珍しく怒っている。俺の為に。
「な、なにって……建宮っちのお着替えを撮ったというか」
「記録に残したというか……うん」
「……盗撮しちゃったんです。ごめんなさい」
「ふ〜ん。そうなんだ……ふっ!」
パキンッ!
真が一瞬、凄まじい早さで手を動かした。何だ? 何をしたんだ? 速すぎて見えなかったぞ。
「終わりと……そういうのは今度から控えてね。僕はマブダチが
「な、何だし……あの怖い圧?」
「……わ、私。上木くんがあそこまで怖い子だって知らなかったかも」
「……あれ? ビデオカメラのデータが全部消えちゃってます!……スマホから通知?……家のパソコンにも? 謎のエッチなサイトからのウイルスデータが添付されて送られて……キャアア!! 何ですかこの
真がスマホを片手に去って行く。少し離れた俺の方へと
いつもはデュフデュフ言ってる変態だが。やる時はとことんまでやる奴だから。やりかねないな……怒らしたら一番厄介な奴だし。
「お兄ちゃん!! 何をナンパしてるの? お仕置きするよ!」
「シン様!! なんで
「ぐごご!! 待ってよ。今、華麗に親友のピンチを助けてクールに去ろうとしてた所なんだからさ~! 首を
真の義理の妹と彼女らしき娘が真に詰め寄っている。
「……とりあえず。後で会ったら礼を行っとくかな。そして、俺もクールに去るぜ」
ガシッ!
「駄目よ。建宮君、君は今日1日メイドさん」
後ろを振り向いた瞬間。秋月部長が無表情で立っていた。
「秋月部長いつの間に?」
「ん〜? 最初からかしらね」
「ギャ〜!!」
こうして俺は秋月部長に捕まり。メイド姿で文化祭を楽しむ事が確定した。
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