第29話 仲良しマップ

 部活の帰り道。秋月部長を除いた文芸部の皆でマップに来た。


「今日も色々あって楽しかったし~! ねえ? 建宮っち」


「あぁ、俺は服を奪って着てたけどな」


「うぅ! そ、それを言ったら。ウチの着ていた制服を建宮っちは脱がしたし!」


「え? あの女の子の服を脱がしたの? 無理矢理? 嘘?」

「……つ、付き合ってとかじゃないの? 可愛い女の子達に囲まれてるけどさ」


 コ、コイツ~! 一般のお客さんが居る前で、なにをとんでもない事叫んでんだ?!


 うおぉ!! 他校の高校生達が俺を見てひそひそ話をしてやがる。このままじゃあ誤解されてマップで俺が変態扱いされる事になる。

 

「まぁ、まぁ、ゆー君。機嫌直しなよ。七宮さんも悪気があってやったわけじゃないんだよ。許してあげようよ」


 ニコニコ笑顔のムッツ……幼馴染みの藍が俺をたしなめる。


 そして、藍は現在。俺がいていたパンツをいている。


「幼馴染みが気絶している間にパンツを脱がして喜んでる。藍ちゃんには言われたくないな」


「そ、それは、ゆー君が無防備だったからだよ。それにゆー君が私にくれたパンツはずっと大切な宝物にするもん!」


「あげてないわ。つうか返せ。俺は今、幼馴染みの……藍の体操着を着てるだぞ。どんな性癖だ」


「え~? 藍ちゃん大好きじゃないの? ゆー君はお馬鹿なの?」


 コ、コイツ~! 真顔でなんの冗談を言ってんだ。こんな話を周りのお客さんにでも聴かれたら。また誤解を生むだろう。


「なになに? 二股? あの男の子最低じゃない?」

「モテそうな顔だからって、不倫しまくりみたい感じ? 女の子達が可愛いそう~!」


 うおお!! とんでもない誤解が飛びがってやがる~!


 やっぱり今日は直ぐに家に帰れば良かった。七宮にポテトMサイズの無料クーポン券あげるし。とか誘惑されて着いて来た俺がおろかだった。


「た、建宮君。だ、大丈夫ですよ。建宮君は格好いい人ですから」


「白鳥さん……サンキュー、やっぱり。この中で俺の味方は白鳥さんだけだぜ」


彩愛あやめちゃん。今日はずっと建宮っちを盗撮してたし。私達が止めな~!て散々言っても。建宮っちが脱がされるシーン撮りまくってた。ねえ? 藍ちゃん」

「うんうん。ゆー君の服を脱がしてる時、一番積極的だったの。白鳥さんなんだよ。ゆー君」


 ……とんでもない暴露話ばくろばなしを聞かされる俺。


「あわわ!! た、建宮君。違うんです。これは建宮くんの筋肉データを撮ろうと思いまして……」

「この野郎~! 白鳥さん。君だけは俺の味方だと信じてたのに。裏切ったのか? ツボ押してやる」

「ひいぃ!! 止めて下さい。建宮君。そのツボは刺激が強すぎます~!」


「うわぁ! なにアイツ。彼女っぽい娘に暴力をふり始めたわよ」

「最低最低~! 店員さん呼んだ方が良いんじゃない?」


 くそ……もう駄目だ。俺は今度からマップには絶対に来れないじゃないか。


「まあまあ。建宮っち~! 明日から文化祭なんだから。そんなカリカリしないしない」

「そうだよ。ゆー君怒っちゃ駄目だよ。め! 家あ~! それと帰ったら私の体操着ちゃんと洗わないで返してね。ゆー君」

「た、建宮君。さっき撮った筋肉データはここにありません。秘密の共有データに永久保存しましたから」


「………お、お前等。このやろう~! どの口が言ったんだ~!」


「うわっだし?! 藍ちゃん。彩愛ちゃん。建宮っちのツボ押すし」

「う、うん。分かった」

「こ、ここですね? 了解です」


「な? 連携プレイだと? や、止めろ。俺を取り押さえるな……そこのツボを押そうとするんじゃない! や、止めろ~!!」


 ……その後、俺は大人しくなり。あんなダサい男があんな可愛い女の子達の彼氏なわけがないよね~!という事で俺の誤解は晴れたらしい。




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