第15話 没収です。没収~!
《白鳥
「……ひぐ……えぐぅ……」
「また。なにも抵抗しないで玩具を取られたの? 彩愛は勇気がないのね」
「だ、だって、いろはお姉ちゃん。喧嘩は良くないってお母さんが言っていたんですぅ」
「それでも一方的な暴力には屈しては駄目よ。言い返えさなくては、ただ良いように見られてしまうもの」
「で、でもぉ……男の子は怖いんですぅ」
「お! ここに居た居た。お~い!」
「ひ、ひぃ!……あれ?
「裕次君? あぁ、彩愛の幼馴染みの子よね?」
「うん!……昔からずっと同じクラスで……まだ1回しか喋ってない子」
「……それを幼馴染みと言うのかしら?」
「お~い! ほら、うるさい悪い奴等から取りも出してやったぞ」
「へぁ?!……これ、私のお財布……取り返してくれたの?」
「ん? あぁ、良いツボ押しの練習を探してたら自慢げに取ってやったとか言ってたから
「あ。あの! 裕次君!……もう居なくなっちゃった」
「素早い子ね……あの身のこなし何者なのかしら? でも良かったわね。彩愛、お財布取り戻してもらって」
「う、うん。いろはお姉ちゃん……これは裕次君との思い出のお財布だから。取り戻してくれて嬉しい」
「彼との思い出のお財布?……よく分からないせど最悪の思い出が良い思い出に変わって良かったわね」
「う、うん……良かったぁ」
「……顔赤いわね。彩愛」
「う、うん……赤いねぇ……いろはお姉ちゃん」
▽
《藤乃書店》
ふと、裕次君との最高の思い出を思い出してしまいました。
小学校の頃に上級生にお財布を取られて、それを取り返してくれた裕次君の事を。
……裕次君。高校に入ってからますます。素敵になりましたよね。
「ありました。あれがカップル限定BL本です。建宮君」
「あれって?……なんだ。あの表紙……なんで美少女同士で向き合いながらベッドで寝てるんだ? 白鳥さん」
「そういうものなんです。この世界は!」
「……そうか。良く分からないが良く分かったわ」
「はい。流石の理解力です裕……建宮君」
い、いけません。つい油断すると昔の呼び方の裕次君と呼んでしまいますね。しっかりしないと……
昔からよく遠くの方から盗撮して裕次君成長記録をつけているので、ミリ単位で裕次君の成長は把握してますからね。
今日もスマホで裕次君の事を盗撮してたんですけど。裕次君のメイドのコスプレ動画を見てたらショートしてしまったので、仕方なく今はペン用の小型カメラで撮影しています。
後で家に帰ったら切り抜きしないといけませんね。思い出として脳内とパソコンのフォルダに保存です。
「きゅふ……やりました。ようやく欲しかった。同人作家ツキアキ先生の〖蘭々とゆー君〗シリーズ〗の最新刊が買えました……あの? いちを私達って今、付き合ってる設定ですよね? なんのになんでスマホなんて見てるんですか? 建宮君」
「ん~? あぁ、白鳥さんの裏チューブ検索してた……裏垢ないと入れないんだな。まぁ、でも俺も裏チューバでツボ押しショート動画投稿してて、アカウント持ちだから入れたわ……白鳥さん。大人しそうに見えて結構凄い動画上げてたんだな」
〖ハァ……ハァ……これが私の前屈です~!〗
そう言いながら、裕次君は私が水着姿で体操をしている動画を見せてくれました。恥ずかしいんですけど……
「わしゃぁ/// それを使って私を脅す気ですか? は?! もしかして、それで私の体を好き放題する気ですか?」
そんな裕次君と関係になったら私耐えられません……君に好き放題されるなんて最高ですか?
「……ん〜? いや、良い体付きしてるよ。ちゃんと鍛えてるていうか。努力してんだなって感心してるだけだけど」
「……はい? それだけですか? もっと色々とありませんか?」
「いや、身体のラインとか見れば分かるよ。変な目で見る時じゃなくてさ。整体師見習いやってる俺からしたら確りと身体の健康管理を……」
「スマホ、ぼ、募集します!!」
私は恥ずかしくなって裕次君からスマホを取り上げて、何も考えずに自身の鞄の中に収納しました。
「あ! コラ、なにしてんだよ。その動画かなりマッサージに応用できるかもしれないから、最後まで見させてくれよ」
「だ、駄目です。は、恥ずかしので……家に帰って自分の部屋で1人で見て下さい」
「分かった、そうするわ……ならさ。今度その動画の体操のやり方教えてくれないか? 柔軟のマッサージに応用できるかもしれないからな」
……これは私。裕次と2人きりになることを強要されてるんですか? 弱味を握られてるこの状況では従順に従うしかありませんね。
「わ、分かりました。喜んで私の部屋で教えてあげますよ」
「うぉ! マジか? ありがとう。白鳥さん」
「……い、いえ。建宮君のお願いだったら。なんでも聞いてあげますから。ご近所ですので建宮君がお暇な時に来て下さい」
「ん? ご近所? それって……」
わ、私、顔赤くなってます~! 恥ずかしい~!……早く家に帰って。裕次君の切り抜き動画を作って、BL本で精神統一をしないと感情が爆発してしまいそうです。
「それでは、お話も良い方向でまとまったのでお会計しに行きましょう。裕次君……フフフ」
「ん? あぁ、そうだな……裕次君?」
カップル限定BL本も買えましたし。裕次君との秘密の密会の約束もできて、今日は嫌な事もありましたが大勝利です!
「カップル限定BL本〖蘭々とゆー君〗のお買い上げ。ありがとうました~!」
……店内に店員さんの大きな声が響き渡っていました。
◇
《建宮マッサージ店前》
「きょ、今日はありがとうました。建宮君。それではまた明日、学校でお会いしましょう。それでは!」
私は動画編者とBL本を読みたくて、裕次君に深々と頭を下げると。その場から素早く立ち去りました。
「お、おう。またな。白鳥さん……あの娘にスマホ預けっぱなしだわ。お~い! 白鳥さん。てっ! もう居ないし………」
裕次君の大声が聴こえたので……つい物陰に隠れてしまいました。な、何かあったんでしょうか?
「……どうするか。俺のスマホ白鳥さんに持って行かれちまったわ……家、近所とか言ってたし白鳥さんの家、親父に住所聞いて行ってみるかな」
へ?……祐次君が私の家に来る? え? ええぇぇ?!!
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