「失せ物」は、人生の「心残り」を見つける物語
- ★★★ Excellent!!!
この作品の最大の魅力は、「失せ物」に関する設定の奥深さにあると感じています。
「物に触れることで蘇る思いがあるように、物をなくすことで失われる思いもまた存在する」
という九十九さんの言葉にハッとさせられました。単に物を探すのではなく、依頼者が大切にしてきた「想い」や「記憶」という心の一部を取り戻す物語なのだと分かり、一気に心を温められました。
九十九さんとひよりさん、二人のキャラクターのバランスも絶妙です。対照的な二人のコミカルで軽快な掛け合いが、物語のシリアスなテーマに温かいユーモアを添えていて、読んでいて本当に楽しいです。
まだ連載は始まったばかりですが、この「失せ物」の設定のおかげで、これからの九十九堂が、どんな人の心の大切な想いを探し、救っていくのか、期待が膨らみます。
今後の連載も楽しみにしています。素晴らしい物語をありがとうございます!