設定2
エーテリア
[現実の認識]
この物語オリジナルの物質なので、現実には存在しない。
ただし、エーテリアの名前の由来は、過去に宇宙空間に
あるとされたエーテルから来ている。
19世紀には、既に光には波動の性質があるとされ、
「波が伝わるなら媒体が必要だろう」という考えにより
真空と思われる宇宙空間に、まだ人類が知らない物質が
あると考えられていた。そして、それをエーテルと名付
けた。
しかし、エーテルは発見されず、エーテルの存在によって
光の性質がうまく説明できないことからエーテルの理論は
廃れた物理学論となった。
[この物語世界]
エーテリアという物質が存在している。
語源となったエーテルとは少し違う物質。
「光より速い速度は存在しない(できない)」と言うのは
現実世界の相対性理論の通りであるが、この世界では
「光の速度に近づくとだんだん速度が上げづらくなる」
というもう一つの性質を持つ。
この時、速度を上げることの障害になっているのが
エーテリアである。
エーテリアは光に近い速度を出そうとした宇宙船が
理論値以上に消耗していることから、調査されて
発見された物質である。
その存在が明らかになってからも、この物質が
実際に採取されるまでには長い時間を必要とした。
エーテリアは、ニュートリノのように透過性が高い
ためである。
まず、触ることはできないし、宇宙船の速度を落と
すとどこかになくなってしまう。
これを集めることができたのは、人類が亜空間を
設定することができるようになってからであり、
その次元の壁を力場として生成することにより
エーテリアを『集める』ことが可能になった。
このエーテリアこそ、ソル・シリンジを可能とした
とても重要な材料である。
エーテリアは特殊な方法で成形され、ソル・シリン
ジ・コアとして利用される。
このコアを作るためにエーテリアを収集すること
が非常に難しいため、ソル・シリンジの実行が
高価になっているのである。
ソル・シリンジ・コア
[現実の認識]
現実には存在しない。
[この物語世界]
この物語世界でのみ存在するエーテリアを材料
とするソル・シリンジの薬剤の入れ物である。
ソル・シリンジ・コアは集められたエーテリア
を次元の壁の力場を筒状に曲げることによって
生成する。
さらに、その筒の底と蓋となるような円盤状の
エーテリアの塊を生成する。
筒と底を一つにして、小さな携帯魔法瓶のよう
にした後、蓋を閉める直前で上部に待機させた
まま鉄を水素に変換する薬剤を注ぐ。
エーテリアは高い透過性があるため、注がれた
薬剤は蓋も筒も通り過ぎて下に全部こぼれて
しまう。
しかし、注いでいる途中で蓋をすると不思議
なことにソル・シリンジ・コアの中を通過中
の薬剤が留まるのだ。
こうして、太陽の核に打ち込まれると中心ま
で鉄の中を進みながら、薬剤を待ち散らす
ソル・シリンジ・コアとなる。
銀河連邦
[現実の認識]
現実には存在しない。
ただし、組織の下敷きとして国際連盟を参考に
している。
[この物語世界]
プレアデス星団に近い恒星アトラスⅢにある人
類の抱える問題を調停、解決するための宇宙組
織。
その名の通り連邦国という形態を取っているが、
あくまで便宜的なものである。
大きな武力を持つため、宇宙統一が目的ではな
いかと勘繰る向きもいたが、唯一の外敵との戦
闘で勝利を収めたところから、敵対する星系は
ほとんどなくなっていた。
その後、人類の版図である局所銀河群内で共通
化された銀河連邦統一宇宙艦艇識別システムが
それまで困難であった船舶の偽装を見破れる点
において、信頼に足ると認められたところから
どの星系も協力的になった。
本部にアトラスⅢ星系が選ばれたのは、元々こ
の星系には、資源が豊富であることが、確認さ
れていたが、星系内には浮遊物が多く、安全な
航行に支障があった。
これは、この星系の惑星群の成り立ちに起因す
るものである。
どうやらこのアトラスⅢには、過去に大きな
惑星があったらしい。
それが、破壊されたことにより、小惑星や彗
星、またはそれに満たない浮遊物質が大量に
漂っているのが原因とわかった。
しかも、この星系の太陽であるアトラスⅢは、
小さい割りに光が強く、またスペクトルが偏
っており、そのままでは人間が暮らしていくこ
とには不向きである。
しかし、そうは言っても資源は欲しい。
この権利をめぐって争いは絶えなかったし、無
理な開発を進めようとして船団が小惑星群のデ
ブリに巻き込まれ、丸ごと壊滅してしまうこと
もあった。
そのため、時の調整組織と局所銀河群の各星系
の頭脳が一同に会し、小惑星帯の資源を使って
ダイソン球殻が作成という大プロジェクトが実
行された。
これにより、浮遊するデブリは激減し、宇宙航
行の安全性が計られ、強すぎる太陽光のうち
有害な光線は遮られることとなった。
これにより、7つある惑星のうち、3つを人類が
生活可能ないわゆるハビタブルゾーンとする
計画であった。
一方、この星系が安全に航行することが可能に
なると、またしても利権を巡って争いが発生
し、有力な星系が武力を持って制圧する動きが
出てきた。
そこで、時の調整組織はダイソン球を開発した
技術者とともに、ここを研究と宇宙の中心組織
のまとめを行う中立な連邦政府とすることにし
た。
その後、第二惑星と第三惑星がテラ・フォーミ
ングによって入植可能となったが、第四惑星は
計画より太陽光が少し弱く、寒冷な星になって
しまった。
そのため、大質量の第六惑星に系外縁天体(太
陽系におけるエッジワース・カイパーべルト
やオールトの雲に属する天体)を投下。
褐色矮星化に成功する。
これにより、どうにか第四惑星の熱量を確
保するに至った。
現在は、この三つの惑星において科学的研
究及び人類の版図である局所銀河群内の各
星系の係争の調停、産出される資源などに
より困窮した星系への支援などを行なって
いる。
この銀河連邦の功績のうち、一番のものは
銀河連邦統一宇宙艦艇識別システムであろ
うが、二番目としては、いくつもの恒星の
不安定化に困窮する星系の救いとなったソ
ル・シリンジの開発である。
ダイソン球
[現実の認識]
アメリカの物理学者フリーマン・ダイソン
が唱えた仮説上の構造物。
現実にはない。
地球が太陽から得られるエネルギーは非常
に小さい。
もし、太陽を丸ごと卵の殻のように囲って
しまえば、そこから得られるエネルギーで
人類のエネルギー問題が解消されるという
もの。
最も、当のダイソンは、公転軌道上にコロ
ニーを作るとか、ダイソン球を作った遠く
の宇宙人がいるとすれば恒星の輝きが変わ
るので、宇宙人の発見の手がかりになると
か考えていたらしい。
それが、卵の殻のように恒星を覆い尽くす
イメージになったのは、ダイソン球を取り
上げ映像化したスタートレックの影響であ
る。
日本のSFにもいくつかスタートレックの
イメージを元にした作品がある。
[この物語世界]
銀河連邦があるプレアデス星団に近い恒星
アトラスⅢに建造されている。
形状としては、籠のようなもので目的は
二つ。一つはエネルギー資源として。
もう一つは太陽の持つ人類に有害な光線
を取り除くフィルターとしてのものであ
る。フィルターの膜は籠の枠から発生する
力場によって行われている。力場のエネル
ギー源はもちろん恒星から得ている。
ダイソン球の建造で1番の問題である資材
については、この星系の特徴である大量
の浮遊物より取得できたという設定とし
ている。
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