テールの策略

 『フルーツ』達と『肉』達の戦いが繰り広げられていた。

 数では圧倒的に『肉』の方が優勢だ。


「ニクイネ!」


 細切れ肉達が攻撃を仕掛ける。

 手にしているのは主にダガーやアックスだった。


「よーそろ」


 ランサーのイチゴは防御の姿勢に入る。

 ガキン!

 上手く防ぐ事に成功しました。


「見えまず」


 巫女のミカンは心眼で相手の心を読む。


「ニクイネ!」


 スカ。

 細切れ肉達の練撃を全てかわしました。


「今度は僕が」


 勇者のスイカは戦闘能力が高いので相手の攻撃を受けても大した事はないとふんでいた。なので攻撃に神経を注ぐことになる。


「ニクイネ!」


 細切れ肉達が攻撃しようとしたその瞬間、


「かーっ飛ばせかっ飛ばせ‼︎」


 ガチャンとテールは大きなバズーカを檻に囚われている亜人のメロンにちらつかせた。

 メロンの光景にはとても大きな口径が見えていることでしょう。


「ヒィエェェェェッ、助けてスイカ‼︎」


 あまりの恐ろしさにメロンは叫ぶ。

 ゴワゴワゴワ。


「ふぐっ……」


 スイカの呼吸が乱れます。

 これはメロンがヤバい程のイケメンでスイカがそれを毛嫌いして自分が通常ではいられなくなってしまうメカニズムに陥ってしまうのです。


「スイカ」

「勇者様……」


 イチゴとミカンはそれぞれ横から心配するが、


「げ、げ、げ……げほっ」


 くしくもスイカは咳をする。


「ニクイネ!」

「げほっげほ」


 細切れ肉達が今だと言わんばかりに攻撃を仕掛けてきた。

 バキドカ!


「ぐえっ」


 スイカに合計で五十六のダメージが入った。


「勇者様〜!」

「敵もなかなかやるな」


 オーバーに泣くミカンとイチゴは冷静に敵を観察する。


「ぐぅ……くそ」


 そして勇者は初めて魔王以外の相手にダメージを喰らったことに対して己を恥じた。


「みんな、すまない」


 メロンは自責の念に囚われている。


「オーホホホホホ、テメェの脇腹をドッキュンしてやったぜ、ジューシー?」

「ニクイネ!」


 テールは作戦が成功してはしゃいでいる様子だ。その証拠に細切れ肉達と上手く連携し合っている。


「残念」

「まだ勇者様の攻撃が残っでまず」


 ここぞとばかりにイチゴとミカンが警告した。


「うう……うおぉぉぉぉぉ!」


 男は覇気を上げるために咆哮を響かせた。


「ゥワァオ、ヤバし」

「ニクイネ」

「……」


 『肉』の幹部は冷静に相手の力強さに慄き、部下達も同様に恐れた。そしてメロンはなにも言わないようにとだんまりを決め込んだ。


「とりゃ!」


 ダッ!

 スイカは跳躍する。


 「かーっ飛ばせかっ飛ばせ」


 ジャキン。

 またしてもテールはどでかいバズーカを囚われの身のメロンに向けた。


「アハンアハンアハンアハン」


 タラタラタラタラ。

 清々しいほどの美しき雨粒のような汗だった。それは彼を飾った。髪を照らし、頬に陰影をつけてメロンという男に真顔を作り出したのだ。恐怖から作られし芸術的なものであった。

 そいつを見てしまったスイカはこの時、イケメンに対するメカニズムが発動してしまったのである。


「こ・お・オ・ぉ・ォ・ー・〜」


 ズザザザー。

 呼吸が乱れた。

 体が上手く動かない。


「スイカ!」

「勇者様!」

「これで勇者も終わりだーい」


 テールの策略によりスイカは倒されてしまうのか。

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