番外編3 皓彦と結菜 (AI作)

昼休みが終わって休み時間。結菜は図書室へ向かう途中、背後から妙な気配を感じた。


「……結菜さん!」


振り返ると、すでに目を輝かせた谷石皓彦が立っていた。

あ、この目は――と結菜は直感で悟る。


「き、結菜さん、知ってますか……? この村の北西にある原始林、あそこな、昔“影踏み様”って呼ばれる妖怪が出たらしいんです!」


始まってしまった。


「夜になるとね、人の影の上に別の影が重なるんやって! それで振り向いたら、目が合うんやけど――その瞬間に“影を取られる”っていう……!」


皓彦の熱量は上がり続ける。


「あと! 鏡水ダムの建設中にな、作業員が見たらしいんですよ。水面に映った自分の顔が勝手に笑ったって! これ“水面憑き”っていう現象で、古くから――」


結菜は「あ、そうなんだ…」と相づちを挟もうとするが、そのわずかな隙さえ皓彦の弾丸トークは許さなかった。


「さらにさらに! この学校にも七不思議があってですね、夜の音楽室でピアノの鍵盤が勝手に動くんですよ! これ、昔ここにいた――」


結菜は目をぱちぱちさせながら聞き続ける。

(すごい……本当に息継ぎしてるの……?)


しかし皓彦の表情は真剣そのもの。


「だから結菜さん、もし夜に変な気配を感じたら、絶対に後ろを――」


「振り向かないほうがいい、だよね?」


「――そうです!!」


なぜか嬉しそうな皓彦。


結菜は苦笑しつつも、少しだけ彼がかわいく思えてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る