第15話

「遼くんへ


今日、誠司くんとまた話しました。

あの日のこと、まだ信じられないって。


でもね、彼はちゃんと前を向こうとしていました。

『遼の分まで生きる』って言ってましたよ。


私も、そう思います。


あなたが残してくれた言葉、何度も読み返しました。

『人の正義にあてられてしまいますからね』


難しい言葉だけど、なんとなくわかる気がします。


遼くんは、きっと優しい人だったんだと思います。

あの時の私は弱くて、泣くことしかできなかったけど、

今は泣かないようにしています。


だって、泣いても遼くんは戻ってこないから。


誠司くんが言っていました。

『遼がくれた時間を、無駄にしたくない』って。


その言葉、すごく素敵だと思いました。

きっと私たちは、ちゃんとあなたに見守られながら生きていけます。


ありがとう、遼くん。

あなたに出会えてよかったです。


            真理より」

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