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 瞬く間に4年が過ぎた。

 ミラノ座が解体された。おれもそろそろAV屋を畳もうかと考えている。DMMには勝てない。四十を手前にして、おれは老後を恐れるようになった。

 ベイスターズは交流戦前までリーグ首位につけていたにもかかわらず、交流戦で失速。そのままずるずると順位を下げ、いまは5位に転落している。新人の山崎康晃やまさきやすあきがクローザーとしてめざましい活躍をあげているのが唯一の救いだった。


 その日、るみかさんは待ち合わせ時間から1時間ほど遅刻した。館山からの電車が遅れたのだという。

「父が倒れちゃってね。それでバタバタだったのよ」

 おれはるみかさんを労った。

「娘がついてきてくれて助かった」

 娘さんは大学卒業後、フリーのアナウンサーとして活躍している。

「今度、実家が都市ガスになるんだよ。ガスボンベじゃなくなるのは、なんか寂しいね」

 まず姉がいなくなり、次に弟がいなくなり、灰色のボンベもなくなった。あの頃の姉と弟の風景は館山にはもうない。


 歌舞伎町からもなじみの風景が消えていく。だが、あのビルの跡地はまだ更地のままだ。

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