シークレット
Mer_merimeri
第1話
木々の木漏れ日の中を歩くとどこか神聖な気持ちになる。学校の校舎につくためには、林の中の小道を進まなければいけない。初夏の気温にしてはかなり高い気がする。歩いている内にどっと汗をかいていく。
「みらーい、オハヨー!」
パッと振り向くと、2年生になり同じクラスとなった加奈が立っていた。今日はかなり機嫌がよいのだろう。加奈はテスト前や母親と喧嘩した日だと、朝の挨拶すら返してくれないことがある。
小高い山の上に立つ雪の平学園女子学園は、県内有数の伝統ある女子学校である。小学校から大学まであるいわゆる世間で言われるところの"お嬢様学校"だ。大半の生徒が大学まではいかず受験するが、高校までは小学校から上がってきた生徒が大半を占める。加奈のように中学受験組として入ってきた外部生は少数派だ。
さぞかしおしとやかな生徒が多いかと思ったら、共学よりみなのびのびとしている。先生のあだ名を考えたり、中には先生を好きという生徒も出てきている。
はたから見ると同じ制服を着て、同じ髪型をしていると同質性の高い集団のように見える。しかし実はそれぞれがやりたいように過ごしており、イメージとはリアルと程遠いと感じさせられる毎日だ。
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