第3話 異世界の遊び方
というわけで早速一緒におすすめ世界接続結晶を転移世用宝玉に設置する。
やり方は単純で、説明書によれば台座を用意して結晶をセット、その後宝玉などの転移装置と結晶を各種力で繋ぎ情報を登録するだけ。
ボクの場合は妖力か神力か星力なのでそちらを利用するだけだ。
「よっし、セット完了。じゃあ早速情報登録開始」
宝玉に手を当て力を送ると宝玉は接続された結晶を認識してその情報を吸い取り始める。
お互いが淡く輝いているので正常に動作しているようだ。
「リンクは正常っと。あとは〜っと……おや?」
転移の準備も完了し、最終チェックをしているとノートパソコンにメッセージが着信しているのに気がついた。
送信元はあーちゃんからだった。
メッセージの内容を簡単に要約すると、ボクの購入した商品は外部から人を連れてくる機能がないこと、現地で契約した魔物や精霊などの人間以外の存在は最大5体まで連れてくることが可能だということが書いてあった。
もっと連れてくるには5万ポイント以上の結晶が必要なのだという。
「契約ですか。それなら現地の精霊さんにでもお手伝いをお願いしますかね。なんだかんだで相性良いので」
今後今の領域の開拓のお手伝いもお願いしたいので、精霊さんを見つけたら随時契約していこうと思う。
ところで精霊のランクによる制限ってあるのだろうか?
ともあれ、まずは契約しないことには始まらないので早速現地へ移動してみましょうか。
あっ、言語どうなってるんでしょう?
『対象世界現地言語パックのインストールを始めます。数秒で済みますので動かずそのままお待ちください』
早速移動使用したところ、宝玉からそのような音声が聞こえてきた。
この宝玉音声出るんだ?
『インストール完了。軽い頭痛を伴いますがいずれ治まりますのでご安心ください。対象世界【ウル】へのゲートを開放します』
言語パックインストールの影響による軽い頭痛に悩まされていると、宝玉からそのような音声が聞こえ、すぐに目の前に光のゲートが生成された。
これは空間を繋ぐ回廊で転移や遷移などと呼ばれることもある。
基本は何も考えず一瞬でたどり着くが、たまに時空迷宮に繋がってしまうこともあるらしいので奇妙な気配を感じたら繋ぎ直すのがベストらしい。
「さて、ちょっと辛いですがいきますか」
こうしてボクは光の中に足を踏み入れたのだった。
▼惑星ウル 精霊の森 封印の祭壇
光を抜けた先には森が広がっていた。
暗くなるほど密集はしていないけど先を見ても木しか生えていないそんな場所。
さて、どうしたものだろうか。
ともかく周囲を軽く確認してみよう。
というわけで仮拠点となるゲート付近に簡単な目印をつけ帰還ポイントを設定。
テントを設置して荷物を置いてから周囲の探索を始めることにした。
少し森の中を歩いてみただけだけどわかったことがある。
この森の中は実に奇妙な気配が漂っている。
不思議な力も感じるし気持ちの悪い視線も感じるのだ。
明らかに誰かがボクを見ていることだけはわかる。
ただ不思議な力も多く感じるので、もしかしたら精霊やそれに準じる何かがいるのだろう。
それにしてもだ。
「初心者用空間拡張バッグに色々な道具が入っていましたが、まさかマップを確認できる端末まで入っているとは思いませんでしたね」
なんとなく開けてみた初心者用空間拡張バッグ。
その中には薬や武器類、【破封】と【破呪】の付与された呪符やタブレット端末のようなものまでが入っていた。
バッグ内にこのようなものがあるという説明はなかったんですが……。
てっきり空だと思ってたんですが。
もしかしたら試供品か何かかもしれない。
「マップを確認したところ、この場所はウルという惑星にある精霊の森らしいですね。今いる場所は封印の祭壇ってありますけど何を封印してるのです?」
端末から目を離し、周囲を再び確認するが祭壇なんてものはなかった。
でも相も変わらず不思議な力と気持ちの悪い視線を感じている。
もしかして、この不思議な力は精霊ではなく封印か何かなのだろうか?
だとしたらこの気持ちの悪い視線は、封印を監視する何かといったところだろうか。
何度確認してみてもよくわからなかった。
仕方ないのでもう少し拠点から離れて探索してみますか。
「とりあえずもう少し離れた場所を探索してみますか。目印があるので迷子になる心配はないですけど、あまり手間取ると森の中で一泊という感じになってしまいますね」
ともあれ、視線の正体は分からないけど、何かヒントを見つけるためにも周辺を再度探索することにした。
精霊の森という名前なのに精霊なんか全然見つからないのも謎ですし。
一体どうなっているのでしょうか。
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