【狂愛】
壊れてしまいたい
狂ってしまいたい
何も考えず
何も捉われず
この人と一緒に
いつまでもいつまでも
夜が明けて欲しくない
日が過ぎて欲しくない
この胸を焦がす感情を
この身体に滾る情欲を
いつまでもいつまでも
絡ませていたい
頭ではわかっている
許されるわけはない
大好きな里を
大好きな姉を
何もかもを捨て去り
何もかもを裏切り
不義理を働いている
わかっている
わかっている
それでも止められない
せめてせめて
この時間をいつまでも
月が登るこの時だけは…
求めている
求めてしまう
もっともっと
この愛欲に溺れる
浅ましい女を
卑しき女を
その声で
その腕で
その口で
その肌で
その全てで
何もかも忘れさせて
全てを溺れさせて
貴方しか居ないのだから
奪われたくない
何一つない私に
唯一勝てるかもしれない
唯一…
理性が吹き飛ぶ
獣のように組み敷かれ
激しく
されど優しく
「桔梗」という女の
私という女の喜びを
満たしていく
吐き出される吐息を
吐き出される言葉を
吐き出される精を
全て全て
受け止めていく
絡み合う熱い情念が
糸を引くような
生々しい愛欲が
混ざり合う
「香澄」ではない
太陽でもない
一人では輝けない私を
唯一愛してくれるこの人
渡すものか
離すものか
たとえ「香澄」という
存在が居たとしても
里の誰もが軽蔑しても
私はこの人を離さない
離すものか…。
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