第6話 チョコをあげます

帰り道。私は迷っていた。

はあ~あ。

二人から告られた。こんな少女漫画みたいな展開、本当にあるんだね。

二人の好きが胸に残って、いつでもドキドキ。

二人のイケメンから告られて、私はどうすればいいのかな。


はあっと息をつくと、家に着いた。


「どうした愛理。浮かない顔して」


そりゃあ、浮かない顔もしますよ。でも私は「大丈夫だから」と言って部屋に戻る。



「自分の好きな自分になれ。そしてそのための道を行け」



お兄ちゃんがつぶやいた。えっと、なんでしょう?


「迷ったとき、こうやって考えるといいぜ。お前なんか悩んでるんだろ?俺の好きな言葉、お前にあげる。それじゃ、これからバイトだから。Goodnight」


私は、お兄ちゃんの言葉にそっとうなずいた。

やっぱりお兄ちゃんはすごいな、そう思いながら。


布団に寝っ転がって、私は考える。

好きな自分。なりたい自分。自分が愛する彼氏がいて、皆に優しくふるまう。

私が本当に愛する人って、誰……?



――玲君



やっぱり、玲君なの。私は玲君なの。

あのカッコよさ、色気に。私は惚れた。

でも、あっちはヤンキー。

付き合えるわけない。格闘技未経験、暴力ふるったことない、そんな私が。


あっちにも、関われないって言われたもんね……。

そう思って、あきらめかけていた私に、一つのビックイベントが思い浮かんだ。

――バレンタインだ!!!


バレンタインに玲君にチョコを渡して、気持ちを伝えよう!

よし、バレンタインまであと三日。

今日作っちゃお!


本で手順を見てみる。


生チョコの作り方

1 バットにクッキングシートを敷いておく。

2 ボウルにミルクチョコレートを割り入れる。

3 鍋に生クリームを入れて、沸騰直前まで温める。

4 温めた生クリームをチョコのボウルに注ぎ、ヘラでなめらかになるまで混ぜる。

5 バットに流し入れ、ラップをして冷蔵庫で1時間冷やす。

6 冷えたらカットし、ココアパウダーをまぶして完成!


読んだ通りに調理する。

生クリームを注いで混ぜて……。

おいしそうな香りがただよう。

う~ん、おいしそうだね。


一時間たった、カットするぞ~!

えっと、16等分くらいにしよっかな。

そして一粒味見。ん~、おいしいっ♡


それから生チョコを透明の袋に入れて、黄色の紙袋に入れる。

♡型のメッセージカードとにらめっこ。

なんて書こうかな。


そして悩んだ末、全てが完成したのだった。


参考:【生チョコの作り方(クラシル)】【バレンタインレシピ特集】【簡単チョコレシピまとめ】







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