第1話sideB [突然の別れ、瑞穂]

 クリスマスイブ、初めて男子から告白された。同じ美術部の桂木かつらぎゆうくん、見た目は中性的でかっこいいと言うより、女の私が見ても可愛い。スポーツが出来る訳でも、特別に勉強が出来る訳でも無い。でも、不思議と彼が居ると楽しくて、嬉しくて、ドキドキが止まらない。


 誕生日も1日だけ私がお姉ちゃん、それで良く彼に無茶を聞かせてたw反省。


 告白された時、有頂天にな舞い上がってどぎまぎしてると裕くんは


「急だったから仕方ないよね、返事は来年聞くわ。メリークリスマスからの良いお年を」


「あ、うん…♡」


 裕くんは不思議な男子だ、他の男子とは違って大人びた落ち着きがあって、優しい。そして何故かずうっと前から彼の事を知っている、ずっとずっと、ずうーっと昔から知ってた感じがする。だから本当は直ぐに承諾の返事をするつもりだったが、嬉しすぎて咄嗟とっさに言葉に出来なかった。


 年が明けて事件は起きた。実母ははが再婚した義父ちちの連れ子の6つ上の義兄あにが私に話しかけてくる、最近少し怖い感じがして、ちょっとだけ距離を置いていた。


「どうしたの?お義兄にいちゃん」


「最近、良い事あったのか?」


「あったけど、お義兄ちゃんに関係ないと思うよ」


 私は裕くんから告白されて、毎日が楽しくて仕方ない。早く学校が始まって、あの時の告白の返事をしたかった、その時義兄に背中を向けた瞬間…


「男なんだな?ガキのクセに色気づきやがって!」


 義兄は無理矢理私を後ろから抱きしめた!湧き上がる恐怖と嫌悪で義兄から逃れようとするが逃げられない!義父も実母も家に居ない、助けも来ない。


「いやぁ!離して!」


 同じ[男]でも裕くんと義兄とはここまで違うの?怖い、裕くん…助けて…


「俺が先に瑞穂を好きになったんだ!誰にもやるもんか!お前を俺のモノにしてやる!」


 廊下に強く押し倒され、私は後頭部を打って意識が混濁する。ぐったりした私を義兄は介抱するどころか、マーキングさながら私を無理矢理犯した。首を絞めながら…条件反射で義兄を引っ掻いては居たが、気がつくと私はぐったりと無抵抗で義兄に犯されている自分をいた。


『え?なんで?なんで私が自分を見下ろしてるの!?もしかして…死んだ…の?』


 酷い!こんな事ならあの時クリスマスイブに裕くんに返事をすれば良かった!と悔やんだ。私の腟内射精した義兄は我に返り、動かなくなった私をシーツにくるんで、軽自動車にガソリンの携行缶と一緒に後部座席に積んだ。どうしよう…少なくとも、裕くんだけには謝りたい!私は消えゆく中、強く願った!


 すると、見覚えのある場所に着いた。裕くんが住んでる家だ、確か2階の部屋なのは憶えてる。


「裕くん、裕くん!」


「ん?……誰だよ?」


「裕くん…ごめんね」


「瑞穂?なんで謝ってるのか分かんねえよ」


 私に残された時間は無い、でも、裕くんに告白の返事だけはしたかった。


「裕くん、私、ゆ………」


 唐突なホワイトアウトで私はから強制退場れた。

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