西家に禍(わざわ)いが続けて起こった!
西しまこ
それは、しまこ(中心人物)の不調から始まった。
発端はしまこの疼痛である。
そう。しまこの身体に特級呪物が仕込まれたことから、
しまこは、西家で一番威張っている。中心人物と言ってよかろう。
司令塔であり、人一倍、いや、人三倍くらい働きながら、西家の面々に指示を下す日々を送っていた。
しまこは忙しく働いていた。
いや、忙し過ぎた。
何しろ、10月上旬は、仕事を詰め込み過ぎ、段取りが崩れたら大変なことになるくらい、時間との闘いであった。
何事もなければ、そのまま乗り切れたと思う。9月と同じように。
しかし!
一緒に働いている主任さま(あだ名)のせいで、とある仕事がやり直しになり、従って、ただでさえ時間がないところに、余分な仕事がのしかかったのである!
もはや削れる時間は睡眠時間しかない。
したがって、しまこは、10月の最初の週、睡眠時間3時間で乗り切ったのである。
「そんなことをするもんじゃない」と言われそう。
だけど、本当に、睡眠時間以外削るところがないスケジュールだったのです。
その厳しい一週間を乗り切り、「やれば出来るじゃん! わたし、3時間睡眠でいけるかも!」などと自信をつけておりました。そして、やっぱり忙しい日々を過ごしていた、そのとき、異変が起きたのです。
そう。
特級呪物が身体の中で蠢いて、刺すような痛みが脈動し、身体中を駆け巡るような疼痛が起こったのです。まさに、動く激痛。
湿疹の前に痛みが来たため、帯状疱疹だと診断されたときには、湿疹は左半身に大きく広がってしまいました。あっという間です。
「あなた、これ、重症ですよ」
と言われてしまいました。
そして、しまこが特級呪物に襲われた頃、車をぶつけられました。相手の一時停止無視なので、しまこは何一つ悪くありません。しかし、10対0にならない、理不尽!
しまこはそのような中、点滴をして特級呪物を追い出すことになりました。
仕事をキャンセルしたり移動させたりしながら、一週間、点滴治療に臨みました。もちろん、ロキソニンは欠かせません。
そのとき、また
今日も点滴だ、というある日、長男くんが言いました。
「おれ、なんか節々が痛いし、寒い。熱がある」
点滴治療のとき、一緒に連れて行きました。
インフルエンザAです。
その翌日、次男くんが言いました。
「オレ、起き上がれない。熱がある」
今日はあなた? と思いながら、点滴治療のとき、一緒に連れて行きました。
「すみません、今日は次男の方です」
心なしか、事務さんたちがくすりと笑って見えました。
ええ、もちろん、インフルエンザAです。
なんてこと!
ちなみに次男くんはあっという間に元気になり「インフル、よゆー」とか言い、解熱後48時間経って遊びに行きました。そして、スマホをエレベーターのすき間に落としてしまったのです。
呪いでしょうか。
しまこはもう何年もTSUTAYAを愛用しております。
しかし、とうとう閉店してしまうそうです!!!
嗚呼! 呪いはどこまで続くのでしょう?
こんなに真面目に生きているというのにっ。
あっ、冗談です。
物事にはいろんな面があって、一見悪いと思えることでも、悪いだけではないと思います。
帯状疱疹から始まった西家の禍いの数々ですが、まず、事故に関しては、トラックに突っ込まれて、誰も怪我しなかったことに喜びを感じています。ぶつけられた箇所には誰も座っていなかったのです。本当に幸いでした。お金がかかるのは痛いけれど、でも、健康はお金では買えません。これは、怪我しなかった、よかったね、という出費なのです。それから、自分が加害者にならないように気をつける戒めなんです。
そして、健康!
そう、お金では買えないのです。
帯状疱疹くらいで済んでよかったなと思いました。
とりあえず、帯状疱疹では死なないし、後遺症が心配ではあるけれど、病院の皆さんのおかげで、とてもよくなりました。国民皆保険、ありがとう! 日本に住んでいてよかった! と思いました。
わたし、ちょっと、仕事を詰め込み過ぎました。
仕事だけならまだいいけれど、そこに家事も入ってくると、ほんとうに全然時間がなくなっちゃうのです。あまりに人間らしくない生活だと、反省しました。そもそも若くないし。
これはね、身体が「休みなさい! 働き過ぎ!」と教えてくれたのだと思いました。
帯状疱疹になって、痛み止めを飲みながら仕事をして。
でも、家事はほとんど出来なくて。
そうしたら、夫くんと長男くんと次男くんが色々してくれました。
そうか。
こうして、自分がやらねば! と思っていたことをやってもらえばいいんだ、と思いました。
そして、週に一回、長男くんが夕食を作ってくれることになったのです!
なんて素晴らしいのでしょう!!
そんなわけで、特級呪物に侵されたのは大変辛かったのですが(痛みで夜も眠れないし)、結果オーライな気がします。
意識がかなり変化して、わたしは、小説書くばかりじゃなくてもっと家族に目を向けて、でも、わたしがやっていたことの一部はみんなに任せようと思いました。
そう、家族をもっと大切にしようと思ったのです。そして、夫くんや長男くん、次男くんのいいところがくっきりと見えたのです。
感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。
インフルエンザに関しては、ほとんど笑い話だし、次男くんのスマホは9階分落下しても無傷で発見されたし(ケースは破損した)、TSUTAYAは悲しいけれど、そういう予感はあったし少し遠くにTSUTAYAはあるし、とにかく大変なところは切り抜けたような気がします。
そのようなわけで、
いま、西家は、みんな優しくあたたかい気持ちで満たされているように感じます。
あら?
どっとはらい!
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