第3章 衝突
地球上空、巨大戦艦ギュスターヴ号の船内ではデイノ・ボーンがプリティーワイルズとギガントシャークを倒すための案を練っていた。
「ただ闇雲に連中に怪獣をぶつけてもやられてしまうかもしれないな‥脳味噌の足りない力まかせの怪獣ではダメだ。ある程度頭が切れる狡猾なヤツが欲しい。テレスター!なんか持ってるか?」
「生憎だけど僕ちんは力づくで街をぐちゃぐちゃにして泣かせちゃう怪獣が好みでしてねぇ。狡猾なヤツの持ち合わせは今ないんですよ。」
「喋るタイプのヤツをスカウトできりゃいいんだが‥」
「そう簡単に言うこと聞きませんよ連中は。」
「貴様‥さっきから俺の言うことをことごとく否定しやがって!少しはその脳ミソで策を考えたらどうだ!」
デイノはテレスターの頭にゲンコツを見舞う。
「いくら僕ちんが天才でもそう簡単にアイデアは出ませんよ‥」
「なんのための科学者なんだ貴様は。え?」
デイノはテレスターの頭をつねりながら凄む。
「わかりました!考えます!考えますから!」
「早くしろ!」
(まったく‥僕ちんの頭脳はデリケートなんだから‥丁寧に扱って欲しいよ。)
テレスターは心の中でぼやきながら、ふと窓の外の宇宙空間を見る。
「ん‥?」
宇宙空間を白い人魂のようなものがふよふよと舞っている。テレスターはそれをすかさずアームで捕獲し、カプセルに入れた。
「デイノ様デイノ様。」
「なんだ。」
「こんなもの見つけましたよ。」
「何じゃこりゃ?こんなもん何になる!」
「聞いてくださいよ。これ、多分思念体ですよ。怪獣の。」
「シネンタイ?あれか。ユーレイみたいなもんか?」
「まぁそんなもんです。しかもこれは相当強い怨念。ただものじゃない恨みを抱えてます。」
「でも実体がなきゃどうしようもないだろ。」
「この僕ちんなら思念体を宿す肉体を作ることくらい造作もないですよ。」
「本当か?」
「ええ。まず思念体の声を聞いてみましょう。」
テレスターは思念体の入ったカプセルをコンピューターに接続、声を聞くことにした。すると‥
「憎い‥」
「おっ!なんか喋ったぞ!」
「憎い‥サメと人間のメスのガキ‥憎い‥」
声を聞くにこの思念体は「サメ」と「少女」に強い憎しみを抱いているらしい。
「どうやら気が合いそうですよ。デイノ様‥」
「よぅし。使ってみるか!」
デイノとテレスターは不敵に笑いながら顔を合わせるのだった。
名古屋市の音楽スタジオでは、ブレットとマーク、プリティーワイルズのメンバーたちが賑やかに過ごしていた。麗は舞台上でギターを弾きながら歌うようになった。彼女が最初に歌ったのは 『およげ!たいやきくん』と『怪獣マーチ』(彼女が生まれて初めて観た映画の主題歌である)だった。
「麗ちゃん、こんなの歌うんだ‥」
「意外だな。」
マコと豹はそう言いながら麗の歌を聞く。このスタジオを管理している社長の小川氏(マコたちを受け入れてくれた人でもある)も麗の歌声と選曲を非常によく気に入っている。
彼女は今日も「まる顔のうた」、「けろっこデメタン」、ついでにアンコールで「かえせ!太陽を」を歌った。麗の懐かしい選曲と、ブレットとマークの陽気な歌声が今日もスタジオに響いていた。
そんな日が続く中、ミスティから、先日出現したザウオに関する情報がテレビ電話で入ってきた。
「名古屋港のザウオのことで新しいことが分かったわ。あれはクロコディリアンズの配下よ。」
「なぁにそれ?」
れもんが首を傾げる。
「クロコディリアンズ‥クロコディリアンズ‥」
マコは頭を巡らせた。
(クロコディリアンズ→クロコダイル→ワニ‥!)
「もしかして‥」
「えぇ‥」
マコと麗が顔を見合わせる。れもんもしばらく考えた後、はっとしたような表情になる。
「えぇ‥あいつらまだ悪さしてるの‥」
「間違いないな‥」
「ねぇミスティさん‥そのクロコなんちゃらって連中、頭ワニじゃない?」
マコが尋ねる。
「そうよ。」
「救いようのない性格の人たちではありませんか?」と麗。
「やることがすごーくみみっちくてセコくない?」とれもん。
「というか、控えめにいってクズじゃないか?」と豹。
「まぁ、シャークが言うにはそんな感じね‥」
「マコちゃんたち、連中を知ってるのか?」
「知ってるも何も、一年間相手したからね。」
「食い逃げして追いかけられたから怪獣で応戦したり‥」
「スーパーの値上げに文句つけて怪獣をけしかけたり‥」
「猫人気に嫉妬して街中のペットの猫をワニと交換したり‥」
少女たちは数々のしょうもない悪事を思い出す。
「もうホントに相手したくない‥」
マコがため息をつく。
「とにかく、またいつ怪獣を送り込んでくるか分からないわ。」
「今度会ったら二度と口開けなくしてやるんだから!」
「革製品にでも加工してしまいましょうか‥」
「今度こそシメちゃおうよ!」
「頭カチ割るか‥」
4人はクロコディリアンズへのヘイトを募らせていた。
所変わって、名古屋市内にある女子中学校。教室は名古屋にシャークが来ているという話題がで数日前から持ちきりだった。守護怪獣は現地の学生と交流することもあるので、生徒たちはこの学校にも来てくれないかと期待していた。そんな中、別の方向でワクワクしている一人の少女がいた。彼女の名を牛突嘴美(うしつき はしみ)という。茶色がかった髪をポニーテールにまとめ、赤縁の眼鏡をかけたどこにでもいそうな少女だ。彼女はあることに胸をときめかせていた。プリティーワイルズが現実に現れたことだった。彼女は「プリティーワイルズ」の大ファンで、日曜の朝は必ずリアルタイム視聴を心がけている。シーズン1の放送は終了したが、シーズン2にあたる作品の製作決定と所謂追加戦士の「プリティーラプトル」のビジュアルが公開され、それを楽しみにに日々を過ごしていた。彼女は基本的に4人を「箱推し」していたが、とりわけ好きなのは主人公の河島マコ/プリティーヒポポタマスだった。かわいさと豪快な勇ましさを併せ持つ彼女は一瞬で嘴美のハートを撃ち抜き、虜にした。彼女の部屋はヒポポタマスのグッズで埋め尽くされ、所持品もプリティーワイルズ一色だった。そんな中、東山にクワガイダーが現れ、近くに住んでいた彼女も家族と共に耐獣シェルターに逃げた。シェルター内の現場を中継するテレビに、プリティーワイルズが映し出された。彼女は何が起きているのか分からなかった。コスプレ?それとも演出?いや、今流れているのは本物の怪獣災害の中継映像。そんなものが入るはずはない。そうしているうちに4人が飛び上がり、クワガイダーに総攻撃を仕掛け始めた。その瞬間、彼女は確信した!
本物だ!
彼女は嬉しさのあまり避難所で鼻血を一筋流しながら卒倒してしまった。目を覚ますと、クワガイダーは退治されていた。自宅のベッドであれは夢だったのではないかと思う。しかしテレビの報道映像にははっきりと彼女たちが映し出されている。難しいことはわからないけど、プリティーワイルズは確かに現実に現れた。そのことが信じられない。嬉しくてたまらない。マコちゃんたちが、今、名古屋に、私の地元にいる。嘴美は興奮でほとんど眠れなかった。そして今も落ち着きがない。昨日も彼女たちはザウオを仕留めたそう。しかもシャークと共闘。二つの世界の戦士が共闘する。なんてアツい展開!嘴美が一人でにやけていると、誰かが肩に手を置いた。
「嘴美ちゃん?またプリティーワイルズのこと考えてるでしょ。」
「あ、てぃあらちゃん。」
小学生のような小柄な少女が話しかけてきた。彼女は内留(ないる)てぃあら。丸っこくて幼い顔立ちと二つに結んだ髪、いつも胸につけている魚のバッジがトレードマークで嘴美の大親友。クラスの数少ないプリティーワイルズ仲間で、推しも嘴美と同じくマコ/ヒポポタマスである。
「信じられないよね!本当にプリティーワイルズのみんながこの世界に来るなんて!」
「名古屋港のザウオをやっつけるところ、私も見たかったな〜」
「シャークと一緒なのが胸熱だよね!」
二人が話に花を咲かせていると、空が光り、巨大なものが空に姿を現した。皆が教室の窓際に集まりざわつく。巨大なワニの顔がついた銀色の宇宙戦艦が、窓の外の空に浮いていた‥
「女子校を襲うのか?」
「彼は地球人の女の子に強い恨みを持ってるみたいですからね。ここがちょうどいいでしょう。連中を誘き寄せるのにもピッタリです。」
デイノとテレスターは名古屋市内の女子中学に狙いを定めた。
「さぁ、暴れてきなよ。僕ちんがパワーアップしてやった肉体を連中に見せてやりな!」
テレスターはボタンを押す。
戦艦の下部から黄色い光が出て、巨大な生物が学校の前に姿を表す。怪獣だ。カマスとプテラノドンを合わせたような顔に、背中側を覆う金色の鱗、ステゴサウルスを思わせる背
鰭、四本の太い腕に、肉食恐竜のような太い脚、背中の大きな翼と腰から尻尾にかけてムカデの脚のように生える小さな翼。目の前に現れた怪獣に教室内の生徒がパニックになる。
「ゲゲゲゲゲゲゲゲ!さぁ恐怖に慄けガキども!」
怪獣は言葉を発し、その巨大な拳を校舎に叩きつけようとする。その時
「シャークエナジーパンチ!」
「ぶべらぁっ!」
凄まじいスピードでいきなり現れたシャークが怪獣の顔面に電気を帯びた拳を打ち込んだ。
「なんでテメェがいやがる!」
この怪獣は鱗の色が変わり、筋肉がついてはいたが、以前シャークが戦ったバンダースナッチそっくりであった。バンダースナッチは白亜紀後期にシャークと交戦して倒され、その後も怨念として地上を彷徨い、新生代に入り、人類が誕生してからは子供たちの夢に毎晩現れることで悪夢障害を起こし、衰弱死させて遊んでいたが、英国に住むエイミーという少女に取り憑いた時、夢の中に入ったシャークによって退治された。
「ゲゲゲゲゲゲ‥よく俺が分かったなサメ頭。今度こそお前をぶち殺してやる。」
バンダースナッチは血の混ざった唾を吐きながら言う。
「テメェのツラを忘れるはずねぇだろ。バンダースナッチ‥」
「ゲゲゲゲゲゲ!今の俺のことは『キングバンダースナッチ』と呼んでほしいな。」
バンダースナッチは夢の中でシャークと想像力の力で変身したエイミーに敗北し、消滅したかに見えた。しかし、その屈辱は彼の魂を現世に留め続け、宇宙空間を漂っていた。そこにクロコディリアンズの天才科学者、テレスターによって見つかり、その技術でカワカマスの古代種が大量のプテラノドン、オルニトミムスの吸収して生まれた怪獣でスピードに長けていても体型が細くパワーに乏しかった彼にに新たに怪力自慢の怪獣ゴルドタスクの遺伝子を加えたことにより筋肉が増強され、鱗も黄金に輝くようになった。
「さらに強くなったこの俺の力を受けてみるがいい!」
キングバンダースナッチは飛び上がって拳をシャークの脳天に振り下ろした。
ドゴン!
「ぐわっ!」
シャークは大きく怯む。キングバンダースナッチはその隙に校舎を攻撃しようとする。すると
「ワイルドヒポポタマスタックル!」
プリティーヒポポタマスが後ろから体当たりを見舞い、キングバンダースナッチの体が揺らぐ。
「ゲゲゲゲゲゲ‥貴様らがワニの旦那から聞いた小娘どもか‥」
「さてはワニワニ団の手先だな!」
ヒポポタマスが身構える。
「ガハハハハハハハ!また会ったな!」
上空の巨大戦艦から声が聞こえる。
「その声は‥ワニワニ団のデなんとか!」
「クロコディリアンズ大総統のデイノ・ボーン様だ!一年間戦ったんだから覚えたらどうなんだこのカバ女!」
「ごめん、覚えようとすると拒否反応出ちゃってさ。てかワニワニ団じゃなかったの?」
「組織名にクレームがついて、多数決で改名したのだ!」
「へぇ。アンタたちのマヌケぶりにピッタリな名前だったのに。」
「何だとぉ!」
デイノは激昂する。
「こうなりゃ直接対決だ!テレスター!俺を船から降ろせ!それから三バカを呼んでこい!」
「はい。」
デイノはマチカー、ヌンダー、カブローの下っ端トリオを呼び出した。
「デイノ様ぁ〜自ら私たちをお呼びしてくださるなんて、マチカー嬉しくてもう死にそう!」
長身でスタイル抜群のワニ女マチカーはデイノの顔を見るなり全力で媚を売る。
部下の長身痩躯なワニ男ヌンダーと低身長筋肉質なワニ男カブローはそれを引き気味な様子で見つめる。
「指令を与える!あの小娘どもをどんな手を使ってでも泣かせてこい!吠え面かきながら俺たちに土下座するところが見られりゃいい。俺はピンクカバ女の相手をするから、お前らは他の三人をケチョンケチョンにやっつけろ!」
(あいつら‥あたしたちをコテンパンにしたヤツらじゃないか!)
「是非ともやらせてください!この二人も喜んで戦いたいと言ってました!
カブローとヌンダーが戸惑ったような表情になる。
「よし、行ってこい!」
「「「ワニワニサー!」」」
ヌンダーてカブローは仕方なく敬礼している様子だった。
「またアレの相手すんのか!」
「面倒だな‥一番強いんだよアイツら。」
カブローとヌンダーがぼやく。
「何言ってんだい!小娘を泣かせるだけでデイノ様に褒美が貰えるんだよ!またとないチャンスじゃないか!」
マチカーは意気込みながら地上に降り立つ。
デイノたちはプリティーワイルズの四人の前に姿を表す。
「今日こそ決着つけようよ、ワニさん。」
「望むところだカバ女ぁ!」
デイノとヒポポタマスが激突する。下っ端トリオは他の三人と交戦を始める。
ヌンダーはプリティージャガーに襲いかかる。
(女子を一発で泣かせるやり方を俺は知ってる‥)
ヌンダーはニヤリと笑うと、姿勢を低くして高速で走り、ジャガーのスカートに手をかける。次の瞬間、ヌンダーの脳天にラケットが直撃する。
ガァン!
「ぎゃぱっ!」
ガァン!
ガァン!
ガァン!
ジャガーは蔑んだような目でヌンダーを見下ろしながら頭を連続で叩いた。ヌンダーは頭だけを出した完全に地面にめり込んでしまい、敗北した。
カブローはプリティーアナコンダと交戦する。
「俺の筋肉と顎を受けてみろ!」
カブローは口を開け、両腕を前に出して迫ってくるが、アナコンダは恐れるそぶりひとつ見せずに腕を組んで立っている。
「ほら。来なよ。」
アナコンダは手を前に出すと、指パッチンをしてリング状の蛇型エネルギーをだして、カブローが口を閉じようとした瞬間に口に掛けた。
「もががーっ!」
「もう。進歩がないワニさんだなぁ。」
カブローは前にもアナコンダに口を塞がれたことがある。カブローは今度は腕を使ってアナコンダを殴ろうとするが、アナコンダはさらに大きな蛇型エネルギーを使って体を拘束、身動きが取れなくなったカブローはそのまま地面に倒れてジタバタする。
「はーい。そこで反省しててねー」
アナコンダは悪戯っぽくウィンクしながらもがくカブローに手を振る。
マチカーはプリティーアウレリアと交戦していた。マチカーの厚底の靴による蹴りとアウレリアの展開される鋭い蹴爪がついた靴による蹴りがぶつかり合う。アウレリアのバレエを基本とした優雅かつ激しい攻撃にマチカーは押されていく。アウレリアはマチカーを蹴り飛ばしてダウンさせると、右腕にアオサギの顔の形をしたエネルギーを宿した。アオサギの嘴は上品な箸づかいを思わせる動きでマチカーの体を持ち上げる。アウレリアはそのまま手首をくるりと回して投げた。
「ありゃりゃ〜!」
マチカーは情けない叫びを上げながら宙を舞い、近くのため池に落下した。
「くそっ!一瞬でのされやがった!使えない雑魚どもが!」
デイノは完膚なきまでに敗北したマチカーたちに悪態をつく。
「よそ見してる暇あるの?
ワイルドヒポポタマスブレイク!」
ヒポポタマスはカバの顔状のエネルギーを拳に纏わせ、デイノに振りかざす。
「ぐわっ!」
しかしデイノはヒポポタマスの拳を受け止め、弾き飛ばす。
「ぐっ!」
「ガハハハハハハハ!自慢のカバパンチを跳ね返された気分はどうだ!泣きたいか!泣いていいぞ!」
「泣くわけないし!泣かされるのはあんたの方!」
ヒポポタマスは両足で大地を踏みしめ、猛スピードで走ってデイノに突進し、長い鼻先に強烈な頭突きを見舞う。
「ぐばぁ!」
デイノは鼻を押さえて悶える。
「どう?」
「ぐぐぐ‥貴様ぁ‥」
「本気でいこうよ。」
ヒポポタマスはにっと笑う。
「言われなくてもわかっとるわ!ぶちのめしてやる!」
そこからすさまじい激突が始まった。両者の繰り出す重い一撃がぶつかり合い、空気が揺れる。ヒポポタマスはピンクのオーラを全身に纏い、ディノも凄まじい気迫でヒポポタマスに襲いかかる。激しく動き回る両者はとてつもないエネルギーを発しており、遠目から見ると巨大なカバとワニがぶつかり合っているように見えた。その様子を一際目を輝かせて見ていたのが嘴美とてぃあらだった。目の前で、憧れのヒロインが戦っている。
「きゃあぁぁぁぁーっ!見てっ!すごいよっ?マコちゃんがっ!推しが戦ってる!」
てぃあらは口をあんぐり開けて驚いているだけだったが、嘴美は大興奮していた。
シャークはキングバンダースナッチとひたすらに殴り合っていた。そこに下っ端トリオとの戦いを終えたアウレリア、アナコンダ、ジャガーはキングバンダースナッチと交戦するシャークに加勢した。
「シャークさん!私たちも援護します!」
「助かるぜ!」
「小娘三人ぽっち、増えたところで痛くも痒くもないわ!この俺の恐ろしさを思い知れ!」
「それはどうかな!」
アナコンダが拳法のような構えをとると、蛇型のエネルギーが何本も飛び出し、キングバンダースナッチを打ちのめす。
アウレリアが翼を広げると、いくつもの青い羽根状のエネルギーが現れ、槍のようにキングバンダースナッチに降り注ぐ。
ジャガーはラケットを振って大自然のエネルギーを集め、幾つもの黒いテニスボール状にして打つ。ボールには牙を剥いたジャガーの顔が浮かび上がり、着弾した瞬間に爆発する。
ゲゲゲゲゲゲェェェェッ!
キングバンダースナッチは想像以上に痛い攻撃に悲鳴を上げる。
「よぅし!あとはオレ様に任せろ!」
シャークは帯電させた拳を構え、キングバンダースナッチに向ける。
「ライトニングストレートシャークエナジーパンチ!」
シャークの電撃ストレートがキングバンダースナッチの鳩尾に直撃する。
「ゲバァッ!」
キングバンダースナッチが大きく怯む。シャークさらに飛び上がり、背鰭を光らせ、雷鳴のような音を立てながら口の中を光らせる。
キングバンダースナッチは飛んで避けようとするが翼を動かしても飛べる様子がない。テレスターに筋肉を増強してもらったのは良かったが、その筋肉の重さが祟って、飛べなくなってしまっていたのだ。シャークは口を開け、凄まじい光線を放つ。
「シャークサンダー・ラース!」
ゲゲゲゲゲゲェェェェェェッ!
シャークの放った光線はキングバンダースナッチに直撃し、キングバンダースナッチは黒焦げになって倒れ、三度目の死を迎えた。
デイノとヒポポタマスはしばらく激しくぶつかり合っていた。ヒポポタマスがデイノを睨む。その瞬間、デイノの頭にカバの大群に襲われてもみくちゃにされ、無惨に引きちぎられるワニの姿が浮かんだ。デイノの本能が、「このままでは負ける」と警告している。
「今日のところはこのぐらいにしといてやる!次会った時はお仲間とサメどもと一緒に葬ってやるからな!テレスター!撤収だ!」
「こらー!逃げるなーー!私と最後まで戦えー!」
デイノはギュスターヴ号から出た光の階段を登り、逃げていった。
「逃げるな卑怯者ーー!」
嘴美が教室の窓からそうヤジを飛ばす。
「嘴美ちゃん、アニメ違くないそれ?」
てぃあらが突っ込む。デイノは逃げ際にヤジを飛ばした嘴美の顔をチラリと見る。
(あんの芋ブス‥覚えたからな‥)
デイノはギュスターヴ号に戻った後、心の中で呟くのだった。
プリティーワイルズの4人とシャークが拠点に帰っていく中、嘴美は手を振って見送った。
(また会えるといいな‥)
嘴美はヒポポタマスの勇姿を思い浮かべながらそう願った。
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