第34話 恋人たちの、甘い休日

午前九時 


せっかくのお休みなので、美影も零もゆっくり起きる。


「いつもより寝ちゃったね」と、ふわふわした声で言う美影の可愛さに、零の頭の中が「可愛い」の三文字で満たされる。






午前十時


二人でふわふわのスフレパンケーキを焼いて、一緒に食べる。


はちみつと、美影お手製のホイップクリームの程良い甘さに癒される。


美影に作ってもらったことが嬉しすぎて、零が涙目になる。




夜叉が「ワイも食べたい~!」とやかましいので、一口だけあげる。






午前十一時~午後三時


二人で同じ毛布にくるまって、手をつないで過ごす。


たまにドラマを見て思いきり笑ったり、リラックスできる音楽を聴いたりする。




互いの手のぬくもりを感じながら、そのまま眠ってしまうこともある。


ずっとくっついているのは恥ずかしいが、やっぱり幸せで堪らない。






午後五時


一緒に買い物へ出かける。


夕飯は何が良いか話し合い、必要な食材と好きなお菓子を買って帰る。






午後六時


二人で夕飯の準備をする。


美影の得意料理であるビーフシチューを、時間をかけてゆっくり作る。


出来たてはとてもあたたかく、ほっこりした気分になる。


零がまた涙ぐんでしまう。




夜叉と月読命の分は、ちゃんと事前に取り分けておく。






午後十時


布団を並べて一緒に寝る。


美影が未成年なので、零は節度・節制をしっかり守る。




眠くなるまで互いに見つめ合い、微笑みを向ける。


この世で一番愛おしい人の笑顔に癒され、幸せな気持ちで眠りにつく。




朝までずっと、恋人繋ぎをしたまま。








戦場では負け知らずの二人も、休日は最愛の恋人にたくさん甘えたくなるものだ。

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