意思ある豚は進化を起こす
黒金魚32号
ガリから豚へ
「はぁ、また6時コースだなぁ…」
そうため息をつきながら、黒板を消す。
今日で1ヶ月連続でこのヒョロガリの典型例ともいえる北原仁はあいつらに掃除を押し付けられている。流石に教室全部キレイにするのは骨が折れる。そのあいつらとは…
「もう終わったかぁw?」
…来た。そう、俺が変えられない状況を作った犯人の苛めっ子集団だ。
「もうそろそろだ」
そう言って黒板消しを窓の外へ叩きに行く。
「はあ?まだ終わってなかったのかよ」
うるさいなぁ
「鈍臭せぇなぁ…お前らもそう思うだろ?」
うるさいなぁ
「違いないw」
うるさいなぁ
「トロすぎw」
うるさいなぁ
「うるさいなぁ!」
あ…
心の声が出てしまっていた。
マズい…!
そう思い、目を瞑ったら何故か浮遊感を感じていた。その直後、頭に大きな衝撃が加わったと思ったら地面に突っ伏していた。
案外死ぬのは呆気ない
そのような感想しか出てこなかった。そうして俺の意識は闇に沈んでいった。
…?
あれ俺死んだよな?
周りには俺の背丈ほどの草が生い茂り、大木が目の前にそびえ立っている。
病院ですらないとはどういうことだ?
あいつら俺を殺そうとしたことを隠蔽しようとしたのか?
クソが!あいつらを今すぐ探しに…
おかしい…
色々おかしいのだが、強いて言うなら手足だ。立つことすらできない。まぁ、それはあれだけの怪我をしたのだからまだ分かる。だが掌が掌ではないのだ。確かに17年物の掌がさっきまであったはずなのに…ない。
なんというか豚の手足のようなものが掌があったところに生えている。
…これは状況確認が必要だな。
とりあえずすぐそこに水場があるからそこで水でも飲んで落ち着くか。飲む…
俺、豚じゃね?
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