今日からわたしは死神見習い!

月神天音

第1話 朝からイミフなことばかり

起きろー起きろー起きろーー。

「うっっっさいわ!今起きるから!!」

大きな声でそう叫んで。かぶっていた布団をはねとばした。

目に入ったのは、いつもの私の部屋の天井だった。

わたしは、体を起こして、「はぁー。」とため息をついた。

「なんだ、今の声、夢だったんだ‥‥。」

‥夢の中で『起きろ。』なんて聞いたら、なんか変な感じがする。

目をこすりながらベットから起き上がると、枕元の近くにあった目覚まし時計を手にした。

時刻は、7時。わたしが時計を見た時、その瞬間アラームが鳴った。

夢で聞いた謎の声は、カンペキなタイミングでわたしを起こしてくれたのかな‥‥。

えらそうな言葉だったけど、それはいいかな。

起こしてくれてありがとう夢、とわたしは親指を立て、目覚まし時計を止めた。

‥‥それにしても、さっきの夢は久しぶりに見たな〜。

この夢は、5才のときにお母さんが急に亡くなったときから、何度か見たことがあったものだ。

毎回起きるたびに夢の内容は、ほぼほぼ全部忘れちゃっているけど、お母さんの夢だってことはわかる‥‥。

とはいえ、『起きろ』なんて声は初めて聞いた。まあ、別にいいんだけど。

今さらなんで、こんな夢見たんだろ?

「まあ、考えても時間のムダだよね。」

夢のことだしね、と思いながら、わたしは大きなあくびをした。










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