10日目 みんな大好き危機契約!
危機契約大好きーー!…………んなわけねーだろうが!!
危機契約は、高難易度と呼ぶのもおこがましいくらいの限界突破の超超超高難易度コンテンツです。
別名マゾヒストのビュッフェ、ドクターの期末テスト、地獄など好き放題に呼ばれています。
多種多様に用意された(そんなの用意しなくていいから……)“契約”と呼ばれる不利な条件を好きなだけ結んでステージに挑み、それに伴って上昇していく“危機等級”なるスコアの高さを追及するのが目的です。
ステージクリアだけなら簡単ですが、“契約”を課せば課すほど戦場は様変わりしていき、高い“危機等級”に至ると、戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図となります。
味方は、くしゃみをしただけでろっ骨にヒビが走るくらい脆弱になり、一方で敵は、大型トラックが衝突してもぴんぴんしてるし、指先一つでビルを倒壊させられるだけの膂力を得ます。
そんなとち狂った理不尽に挑んで、いったい何が面白いのか? 何がプレイヤーたちの心を突き動かし、困難に立ち向かわせるのでしょうか? はなはだ疑問に思うことでしょう。
だけど危機契約に挑む猛者たちの目には、一様に打倒すべきライバルの姿が映っています。それは“自分自身の弱さ”です!
彼らは何の報酬も、見返りも得ず、ただひたすらに苦行に身を投じます。自分の弱さを振り切り、試練を乗り越えた達成感を得んがために。
技量も覚悟も自分は、攻略の最前線を走る彼らの足もとにも及びません。ですが自分も、己の限界に挑む挑戦者の端くれ。危機契約の期間になると、ゲーム画面とにらめっこがはじまります。
執筆なんて二の次。危機契約は、遊びでやってんじゃないんだよ!
はじめは無理に思える挑戦でも、挑戦を重ねると、ふとした瞬間に“見えてくる”のです。
それが何なのかを言語化するのは難しいですが、強いて言えば“ひらめき”や“直感”でしょうか?
そこから攻略の糸口を手繰り寄せ、勝利を掴む……! この感覚こそ危機契約の醍醐味、困難を乗り越えたときの感動もひとしおです。
“失敗を恐れず挑む気持ち”と、失敗と挑戦を繰り返すことが、成功への近道なのだということを、危機契約は教えてくれました。
自己顕示欲や見栄ではなく、己の限界を越えるためのストイックなコンテンツ──危機契約。我々は悪夢に魅入られているのです。
嫌い嫌いと言いながら、もしかしてほんとうは好きなのでは? いや、そんなわけ……誰がツンデレだ!
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