6日目 “浮いている”状態異常
“浮遊”──それは、対象を宙に浮かせて、攻撃、移動のいっさいを封じる状態異常!
こんなの強いに決まってる……なんてこともないんですよね、じつは。
この浮遊、致命的欠陥をいくつも抱えています。
まず、重量が重い敵は効果時間が半減します。
…………は????
さらに、浮遊状態の敵は“飛行ユニット”扱いになるので近接攻撃組は攻撃できません
……?????????????????
はっきり言って、スタンや凍結の下位互換です。なんならバインドより弱い。
でも、そんなに扱いずらい状態異常なら、バインドみたいに耐性持ちが少ないって長所がある……なんてこともなくてですね、浮遊の耐性持ちはスタンとほぼ同等にいます。なんなら仕様の都合上、スタンよりも耐性持ちが多い。
状態異常の枠組みの中でも浮遊はかなり浮いています。
さらに、浮遊を売りにする味方キャラは、たいてい世間からの評価が微妙なのも、浮遊の残念感を加速させているんですねぇ。
もう、さんざんな性能なので封印安定です……果たして、ほんとうにそうでしょうか?
ある日、ふと考え方を変えてみたのです。浮遊にしかできないことは何だろうと?
浮遊の魅力とは、すなわち浮遊プラスアルファの恩恵部分にあると!
浮遊を操る味方を見てみると、だいたいが“浮遊状態の敵に対して何らかの追加効果”を持っているのです。
それは、防御値を貫通した強力な攻撃だったり、デバフで術ダメージの増加を促したり、浮遊が解除されるたびに追加ダメージの付与だったり、……など、浮遊をトリガーに様々な恩恵が得られます。
個人的に、重量級の敵は効果時間半減という欠点を逆手に取った、“浮遊解除時追加ダメージ”はなかなか面白いなと思ってます。
さらに、浮遊中の敵は“飛行ユニット”扱いになるという点に着目すれば、それらに対して特効を持ち合わせる、より多くの味方が浮遊の恩恵を受けられるのです。
あと有名どころで、“地雷”を活用して敵をその場に釘付けにし続けダメージを与えるという運用もあります。
地雷は敵の進行経路上に仕掛け、設置したマスに到達すると起爆します。ですが仕様上、敵が存在しているマスには地雷を仕掛けられません。そんな地雷の欠点を解消するのが浮遊です。
浮遊状態になると、“そのマスにいない”判定になるので、地雷を置けるようになります。なので、浮遊→地雷→浮遊→地雷→浮遊……という無限ループも可能になるのです。
これは、浮遊にしかできない芸当ですね!
浮遊はほかの状態異常とは違った面白さを秘めています。
どんなものにも長所と欠点は存在しますから、それらを見極め、可能性を限界まで引き出してあげることが、ドクターの仕事なのです。
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