さらに二年。成果はありました
――ハラー村は平和であるという「仕様」になっているのでは?
という疑いから、二年ほど経ちました。二年経ったという事は、羊に対しての実験――実験としか言いようがない――も結果が出たわけで。
ええ、成功しました。
正確に言うなら成功したらしい、というぐらいのものだけど。
今までよりは毛が多く採れ、その品質も上がったらしい。
マイクラで羊毛が採れるような無茶な速度では当然ないんだけど。そんな風に妙にリアルさがあるところがまたまた引っかかる。
そして羊毛だけでは無くて、農作物――この場合は小麦と限定しても良い――についても利点がはっきりとした。
小麦の実? そういうものが他の小麦に比べると大きく育つようになったのだ。
実はこういう育ち方は私が「想像していた」変化でもある。
ほら「グラップラー刃牙」で、
――「トレーニングの時には成功した姿を思い浮かべるべき」
みたいに言われてたでしょ? ……あれは「グラップラー刃牙」だったっけ? 「バギ」か「範馬刃牙」か、「刃牙道」では無かったと思うんだけど。
話を戻して、つまり《聖女》らしく祈る時に、一杯に実った小麦を想像したってわけ。
参考にしたのは「いただきます!」のスーパー小麦のビジュアル。
……あれ最終的にスーパーイナゴにやられた記憶があるんだけど、そこはスルーすることにした。スーパー小麦ってよくわからなかったけど、あれ多分遺伝子改造小麦だと思う。
それを食べたイナゴがスーパーイナゴになってしまったという顛末だった記憶があるんだよね。
でも、私が祈る小麦には
……だから大丈夫なんじゃないかな?
…………今さら手遅れだし?
とにかくスーパーイナゴは現れなく、今までと同じ作付面積で収穫は容量、重さ共に1.2倍という躍進を見せた。
今までもこういう恩恵があったんだろうなぁ、というわけで私は休みの度にあちこちの畑を巡ったり、牧場に行ったりしてる。
《聖女》らしい生活といえばそうなんだろうけど――
あ、羊毛への恩恵を想像したときに参考にしたのは「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」だったりする。
途中でメイプルが羊毛でふかふかなったでしょ? あれを思い出したわけだ。
……でも本当にあれが理由なのかなぁ? 品質アップまでは理由になってない気がするし。
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