中国史上最悪の女装家の女たらしに転生した私はどうすればいいのよ!
【中国史】『中国史上最悪の女たらし』182人の女性を誘惑した男の“禁断の術”とは
https://x.gd/R1NaU 参照。
桑冲の生い立ちと修行
明代中葉、成化年間の山西太原府石州李家湾という村に、李冲という少年が生まれた。軍戸の家系で、世襲の兵役義務が家族を貧困に縛っていた。幼少時に両親を病で失い、叔父の李大剛に引き取られたが、生活は苦しく、叔父は李冲を地元の富豪桑茂に売り渡した。
李冲は養子として桑姓を名乗り、桑冲となったが、桑家では雑用を課せられる召使い扱いだった。家族からの疎外と蔑みが続き、桑冲は家を逃げ出し、街の不良たちと賭博や喧嘩に明け暮れた。養父の怒りを買い、家を追放された後、放浪生活を送る中で、大同府に男装女の術に長けた谷才という奇人の噂を聞いた。
桑冲は谷才を訪ね、3日3晩門前で跪いて弟子入りを許された。2年の修行で、女装の技術、姿勢、言葉遣い、女紅の技、心理操作、薬物の使い方を習得した。修行を終え、成化3年(1467年)から、桑冲は女工教師を装って華北の各地を巡り始めた。最初の標的は大同近くの村の良家婦人だった。
第一章
転生の瞬間と混乱の始まり
大同府の南郊外、埃っぽい土道が延びる村落。明代のこの辺りは、城壁に囲まれた街から離れると、泥壁の家屋がまばらに並び、市場では絹や綿の布地を売る露店が並んでいた。女性たちは長い袖の漢服を着て、足を包む三寸金蓮で歩き、男性たちは青い袍を羽織って農作業や商売に励んだ。
空気には炊事の煙と馬の糞の臭いが混じり、街角では茶屋で人々が囲碁を指し、噂話を交わしていた。貞節が家系の名誉を決める時代、女性の外出は制限され、家庭内で刺繍や家事を教わるのが常だった。
桑冲は「桑娘」と名乗り、村の裕福な農家に女工を教える名目で入り込んだ。
相手は20代の婦人、劉氏。夫は商いで不在が多く、劉氏は孤独を紛らわせるために桑娘の教えを喜んだ。桑冲は容姿を整え、柔らかな声で話術を駆使し、劉氏の警戒を解いた。
刺繍の指導中、手を重ね、甘い言葉をささやき、薬を入れた茶で意識を朦朧とさせた。劉氏の寝室で、桑冲は彼女を抱き、関係を強いた。劉氏が薬の影響で体を震わせ、絶頂を迎えるその瞬間――桑冲の体が熱く高まり、精を放とうとするまさにその時、突然、彼の世界が歪んだ。
山田陽子は、2025年11月の東京で死んだはずだった。広告代理店のOL、30歳目前。残業後の帰宅途中で、信号無視の車に轢かれた。痛みはなく、暗闇の後、目覚めたのは見知らぬ体。男の体。しかも、目の前には喘ぐ女性の顔が目前にあった。陽子はわけがわからず混乱した。
目前の光景は、薄衣をまとい、胸を露わにした変わった髪型の女性が、眉根にシワを寄せ、どう見ても性的な絶頂を迎えている姿だった。そして、陽子の手は彼女の胸を鷲掴みにして揉みしだいている。女性は、腰を突き上げて背を反らして痙攣していた。
しかし、股間からの快感はさらに陽子を驚かせた。自分にあるはずのないものが、目前の女性の股間に深々と根本まで刺さっているのだ。今までの人生で陽子が経験したことのない快感が襲ってきた。目前の女性のあそこがヒクヒクと陽子の股間のモノを締め付けて、小便の排泄とは異なる別の排泄による快感が陽子を襲った。
「え、ここはどこなの?何なの、これは? 私は車に轢かれて……ここはどこなの! 体が……熱い……何か出る!出ちゃう!」
陽子の意識が桑冲の体に宿った瞬間、劉氏の体が痙攣し、絶頂の頂点に達していた。劉氏のアソコが陽子のモノを強く締め付けて離さない。陽子は自分の手が劉氏の胸をさらに強く掴んでいるのを感じ、腰が勝手に激しく動いていて、劉氏の股間に打ち付けていることに気づいた。
「待って、私は……私は……この体は何?男? ……私はこの女性を犯してる?犯されてるんじゃなくて……私が犯してる側?なぜ、アレがはえているの?……硬くて……脈打ってる。こんなことはありえないわ!」
陽子の心はパニックに陥った。元の体の彼女はセックスなんて普通の経験だったが、男の体で女性を犯すなんて想像できなかった。体が自動的に動き、劉氏の内側を突き、陽子は興奮の混じった感覚に襲われた。
「私、感じてる……この快楽は男の? 精が出そう……出ちゃう……こんなの、私にはないはずのものが、噴き出そうとしてる…………」
陽子は必死に耐えようとしたが、体は桑冲の習慣に従った。勝手に体がおびただしい精を女性の中に放った。劉氏が気を失う中、陽子は彼女の体に突っ伏して、快感の余韻に震えた。アレが股間でビクビクして、精を絞り放とうとしていた。
「これはどういうこと?……どこかの誰かに生まれ変わったとかなの?転生? なんで男の体に生まれ変わったの?」
劉氏の体の上から横に転がって、陽子は鏡を探した。そこには、化粧し女装した男の姿があった。眉を細く剃り、鬏髻を被せた姿。これはどうみて、中国の髪型、中国人の顔つきじゃないの!体に残っていた桑冲の意識の断片が、陽子の頭に流れ込んだ。
貧しい軍戸の生い立ち、叔父への売却、桑茂の家での屈辱、谷才のもとでの修行……過去の記憶がフラッシュバックのように蘇った。
「黄冊、里甲制、無籍の流動民……この体が知ってる。この男、桑冲の人生。それが私になったの? 軍籍から逃げ、無籍になって、女装で生き抜く術を学んだ男……」
陽子は桑冲の過去を読み取り、理解した。だが、未来のことは何も知らず、ただこの体で生きるしかないと思った。
「この時代、無籍の男は生きづらい。女装なら、女性の登録が甘いから、疑われにくい……桑冲の道を続けるしかないのか」
第二章
流動の旅と内なる葛藤
陽子は桑冲として旅を続けた。華北の道は、石畳の官道が続き、馬車や歩行者が行き交う。平陽府の街では、市場に絹糸や陶器の店が並び、女性たちは顔を扇で隠して買い物をする。
風俗として、貞節牌坊が村の入り口に立ち、烈女の名が刻まれていた。陽子は女工教師を装い、次の村へ。太原の郊外、泥道の村で、次なる婦人を誘惑する。話術で心を開かせ、薬で関係を強いる。
「またなのか……この体が女を欲しがっている。したくないのに、体が覚えてる」
陽子の心理は複雑だった。男の体で女性を抱くたび、困惑が募る。
「あるはずのないペ◯スが、硬くなって、相手をつら貫く。精を放つ瞬間、解放感がある。でも、罪悪感もある。私の陽子の意識に桑冲の記憶が混じる。犯されるんじゃなく、私が女を犯してる……女の喘ぎが心地いい……私は狂ってる……」
現代のフェミニズム視点で、自分を憎んだ。
「この時代、女性は貞節で縛られてる。被害者が沈黙するのはわかる。でも、私が加害者? 止めたくても、体が動くのよ!」
保定府の街、運河沿いの賑わい。船が荷物を運び、茶楼で人々が詩を吟じる。陽子はそこで弟子を取った。
任茂ら7人に技を伝える。
「小心にやれ。私を巻き込むな」
弟子たちは散らばり、陽子は順天、順徳、河間へ。済南の村では、市場に果物や布が並び、女性たちが井戸端で噂話。陽子はそこで数人を騙した。東昌の田園地帯、稲田が広がり、農民が鍬を振るう中、陽子は孤独を感じた。
「何年もこれ続けるの? 数字じゃなくて、人間。なのに、この社会、無籍の私は生きる術がない」
真定の城壁内、寺院の鐘が鳴り、商人たちが絹を取引している。河間の宿場町の旅人宿で酒を酌み交わす男たちがいた。陽子は女装で潜り込み、標的を探す。
「元に戻りたい。こんな体は嫌だ。女性の私には異物なのに、癖になる……」
葛藤しながら、女を犯すことを陽子は繰り返した。桑冲の意識から得た過去の知識で、無籍の苦しみを理解し、女装が生存の鍵だと信じた。
「生き抜くためにはこの道しかない。未来はわからないけど」
第三章
露見と処刑の運命
成化13年(1477年)夏、晋州の村。
高宣の家で、陽子は「逃亡の若妻」を装った。村の様子は、土壁の家が並び、鶏が道を歩く。夫不在の家で、娘婿が夜に忍び込み、陽子を襲った。
娘婿に正体がバレた。「こいつは男だ!」村人が駆けつけ、陽子は捕縛された。晋州の役所で拷問を受け、彼女は自白した。地方官が上申して、彼女は北京へ護送された。
朝廷の北京の街は大運河の船で賑わい、官吏たちが袍を着て行き交っていた。成化帝の勅命は「醜悪なり、凌遅に処せ」であった。
京師の市、群衆が集まる中、陽子は処刑された。千の切り傷、官女の肉を削がて、体が血にまみれた。
「私は……私は……この体で犯した罪を償うの?」
陽子の魂は桑冲の体から抜けて、彼女は再び暗闇へ落ちていった。
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