序章 すべての始まり
魔族と人族、そして精霊族の境界にある森――そこは魔物で満ちていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
女の人は子どもの手を引きながら荒い息を吐き、森の中を走っていた。後ろからは、大勢の精霊族と人族の兵士たちが彼女たちを追ってくる。
少女には、なぜ自分たちが追われているのかまだよく分からなかった。ただ数日前、父が処刑された光景が脳裏に焼きついて離れない。叔母は命の危険を冒して母と自分を逃がしてくれた。しかし束の間の平穏はすぐに終わり、再び逃亡の日々が始まったのだ――
今、母は兵士たちから逃れるために少女の手をしっかりと握り、茂みの多い森の中を進んでいた。森が深いためすぐには見つからないが、発見されるのも時間の問題だった。二人はやがてある山の洞窟のそばに辿り着き、母は少女を中へと隠した。
間もなく、兵士たちの声がどんどん近づいてくる。母は緊張した面持ちで洞窟の外を見て、そして少女を見つめた。目には涙が浮かんでいたが、その表情はいつもの優しい母の笑顔だった。
「ソル、あなたは必ず生きるのよ」
母はそう言って私の頭を撫でた。そして母は迷香のようなものを取り出し、自らの意識を薄れさせていった。私の目に映った最後の光景は、洞窟を出ていく母の後ろ姿だった。
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第一章は少し短めですが、後の章からは長くなっていく予定です。
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