奇怪伝聞譚

僕たちの溜まり場

これはDMで送られてきた話なんですがね……

K市の某所に賑やかな色をしたゲームセンターがあるんですが、私もたまに行くところでして。

DMの投稿者さん。仮にBくんとしましょうか。

彼もよく遊びに行くそうなんです。今は、フロア一面がクレーンゲームしかないんですが、昔はメダルゲームも置いていたそうです。むしろメダルゲームの方がメインだったとか。

彼は友人と３人でメダルゲームを遊ぶのがほとんど日課のようになっていて、週に４日は集まっていたそうです。

遊び始めて３ヶ月ほど経った時、友達の１人が

「あの車、いつも停まってない？」

と言い始めました。

「そうかな？たまたまじゃない？」

しかし、意識してみると確かに次の日も、その次の日も同じ車が停まっているんですね。

「まあ、店員の車かなんかだろう」ということで落ち着いたのですが、Bくんはなんだか頭に引っかかり続けていたとか。

ある雨の日、Bくんがいつものグループチャットに「今日行ける人」と送ると

１人目が「あ、ごめん。今日はバイト」

２人目が「今日は飲み会」

３人目が「いくよ」と返してきた。

まあ、２人で楽しむか。

そんなふうに思いながら、Bくんはゲームセンターに向かいました。

いつもの時間にいつものように駐車場に車を停めるとグループチャットを送ろうとしました。

すると、カツカツと足音が聞こえてきます。

ヒールの音？

カツカツコツコツ

足音はだんだん近づいて来ます。

カツカツコツコツ

Bくんが車を止めていたのは入り口と逆側

変な人だな

と思いながらグループチャットを開きます。

そして「うわ」と背中を冷たい手で撫でられたような寒気が走りました。

友だちと３人で遊んでいるはずのグループチャット

「いくよ」と返したのは３人目

そしてそれは、居るはずのない４人目

その時、車の扉がトントンと叩かれ

「おまたせ」