『渉猟のすゝめ』（職猟協会配布資料）

火之元ノヒト

（子供たちに「憧れ」を抱かせる章）

　少年少女よ。翠点の壁を見上げなさい。

　あの壁は我らを守る『盾』だろうか？

　いいや、違う。あれは君たちの『可能性』を閉じ込める『檻』だ。

　かの書は『家畜』の章で、翠点の安逸を嘆いた。

　君たちは、壁の中で水に感謝し、泥に怯える『家畜』のままでいいのか？

　『獣』の本能を思い出せ。

　『獣』は動く。壁を越え、砂漠を走り、未知を求める。

　『渉猟者（ワンダラー）』とは、壁の外へ踏み出す『勇気』を持った、『真の獣』に与えられる最初の称号である。

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