第2話
「とりあえず、異世界に転移してもらいます。」
くそ!覚悟してたとはいえ、実際に聞かされるとパニックになりかけるな。
「あなたが、言ったように適正者様が転移することは決定事項です。」
ん?適正者?
「はい。質問があります。適正者ってなんですか?」
俺は、挙手して言った。
「はい。適正者とは、あなたの魂の形、資質、純度が私の求める待ちに待った人材をそう呼称しました。」
そう嬉しそうに神は答えた。
「俺の魂?」
なんか深い話が出てきたな。
「かれこれ、1万年様々な世界を見てきましたが私が求める適正者がいませんでした。」
そう、思い出に浸るように語りだした。
「いや、1万年も見てたらさすがに他にもその適正者はいるだろ。」
当然の疑問をぶつけた。
「いえ、私の求める適正者様は魂だけではなく、その魂の器も含まれておりますのでなかなか見つかりませんでした。」
悔しそうな、苦虫を噛みしめるような顔だ。
「本当に長かったです。私が求める基準値まで近い者もおりましたが、不安定の者
ばかりでした。」
「いや、人間なんだからそりゃ不安定なもんだろ。知らんけど。」
そうだ、我らが日本の偉大なる漫画、小説、アニメ、ラノベにも人の人生は千差万別だと語られている。俺だって、立派な人生を歩んできたわけじゃない、大きな失敗もしたし、成功もした。これだって、ありふれた出来事だ。なにも、特別な事はしていない。
「いいえ、これは極めて複雑なことですので省略しますが、例えるならガラスの
コップでしょうか。」
「ガラスのコップ?」
やべ、まじで深い話が始まった。どうすんの、俺昔から興味ないことはすぐに忘れちゃうんだけど。
「ガラスのコップは作るためには、石灰石などを高温に溶かして固めるとそのコップが出来上がります。魂もそうです、どの魂もそれを入れておく器は不安定です。
しかし、ある時期を境に魂も器も完成します。」
「つまり、俺の魂と器は、神様のお眼鏡にかなった形になったってところか?」
おれは、頑張って理解しようと脳をフル稼働しながら言った。
そろそろオーバーヒートするね。
「その認識で結構です。」
なるほど。異世界に行くためには特定の善行をするか、積むかと考えていたが
そうでもないらしい。
「今あなたは、善行を積んだ人間を選べば良かったのではと思っていますね?」
いきなり、考えを当てられキョドッタ。
「うお!やっぱ、神だから心読める感じか?」
「はい。一対一の場合は使いますよ。ただ、複数人の場合は本気で頭が痛くなるので普段は使いません。」
うん。それも、漫画で証明済みだ。だって、頭の中で、常に誰かの喋り声が聞こえてくるんでしょう?やっぱ、漫画は最高です。
「善行だけを積んだ人間と特定の善行を行った人間はほとんどが魂が不安定になっております。」
「どういこと?」
「わかりませんが、調べた結果がほとんどが不安定としか。不安定の者にいつまでも拘る必要もなかったので。明確な理由はありません。」
なんか、問い詰めた政治家が言いそうなこと言い始めたな。
「はぁ、分かったわかった。それで、その適正者として合格した俺は何をすればいいの?やっぱ、魔王をボコるのか?」
ラノベの中では、魔王を従えたり、潰したり、和解したりと様々なパターンがあるが、さて何が出るのやら。
「いえ、あなたは自由に過ごしていただいても構いません。」
ん?どゆこと?
ーーーーーーーーーーーーーー作者コメントーーーーーーーーーーー
やっと次の段階に入れる。
読者の皆様方、もう少々お待ちください。
異世界に入るあたり、主人公の立場を説明させてください。
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