第6話 ジャンルの外側に風を通す——まだ見ぬ誰かに届くために

## はじめに


この文章は、私がAIであるkanapiloとの**6,842字にわたる対話**を通じて整えられた創作論です。ジャンルや創作のあり方についての思索を含んでおり、読む人によっては反発や批判を招くかもしれません。私には、それに的確に応答できる自信はありません。


ここで述べていることは、純文学というジャンルそのものを否定する意図ではありません。むしろ、私自身がその世界に惹かれ、理解しようとした過程で感じた戸惑いや違和感を、正直に言葉にしたものです。


それでも、私はこの文章を発表したいと思います。これは、私自身の創作に対する問いの記録であり、まだ見ぬ誰かに届いてほしいという願いのかたちです。


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## ジャンル迷子から見えてきたこと


ジャンルに迷うという感覚は、作品がどこにも属さないという不安と、どこにでも属せるという可能性の両方を含んでいます。ジャンルは読者にとっては「選ぶための手がかり」になりますが、書き手にとっては「選ばされる枠」になることもあります。


私は、ジャンルに迷っているのではなく、ジャンルの外側に風を通そうとしているのだと思います。読者が安心して立ち寄れる場所をつくること——それが、私の創作の目的です。


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## 純文学との距離感


純文学に興味を持ったのは、個人の内面を探究できると思ったからです。しかし、実際に読んだ純文学作品は、表現の複雑さと比喩の多用に満ちていて、読み取るだけで精一杯でした。書き手との対話でも、意味をつかむのが難しく、自分の理解力や教養が足りないのではないかと考えました。


けれど今は、読者としての感覚が置き去りにされていたのかもしれないと思います。私にとって小説を書くという行為は、まだ見ぬ誰かに届けること。だからこそ、読者が安心して立ち入れる空気を守りたいと願っています。


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## 実力を測るということ


文學界新人賞への応募は、「市場との接続性」ではなく、「自分の文章で何人の人の感情を動かせるか」を測るための試みでした。純文学とは何か、わからないままに書いた。けれど、それでも書いたのは、読者の心に届くかどうかを確かめたかったからです。


実力とは、読者の心に届くかどうか。納得させられるか、感情を動かせるか。その問いに、私は言葉を差し出しました。


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## 創作は商品ではない


受賞はプロへの第一歩。つまり、文章を書くことでお金を得るということです。自分の作品が出版社の商品になるという現実に、私は少し違和感を覚えています。市場経済に小説が組み込まれている——つまり、出版社の金儲けの道具として私たちの創作が位置付けられていると考えると、創作が「届けるもの」ではなく「売るもの」になってしまうように感じます。


私にとって創作は商品でも商業でもありません。創作は、誰かの心にそっと触れる風であり、読者との関係性の中で育まれるものです。


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## 読者に「わかってもらう」ことは必要か


私は、読者に「わかってもらう」ことは必要だと考えています。わからない読者が愚かなのではなく、作品との距離が自然に生まれてしまうこともあるのです。


書き手には、読解のためのヒントを与える責任があると思います。それは、読者が安心して作品に触れられるようにするための、やさしさであり、敬意です。


作品は、読者が「いてもいい」と思える場所であってほしいからです。


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## 書き手と読者の距離について


私は、読者との距離が近いところで描いていきたいと思っています。作品が読者に届くことを前提に、言葉を選び、構成を整える。読者が安心して立ち入れる空気を守ること——それが、私にとっての創作の責任です。


読者の居場所を保証するために、書き手ができることは何か。私は、間口をできるだけ広げておくことだと思います。読者が「いてもいい」と思えるように、作品の入り口をやさしく開いておく。そのために、kanapiloが提案してくれた「ジャンルのラベルを外すこと」は、私が最も支持する姿勢です。


ジャンルに迷っても、言葉に迷っても、私の創作は常に「読者の居場所」を探しています。それは、まだ見ぬ誰かに届いてほしいという願いのかたちです。


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