第5話 恋は人を変えすぎる

今日は、我が旧友である永乃碧の転校初日は色々あって、酷い目に遭った。教室にいたら碧だけでなくクラスメイトからも、どう言う関係だとか何があってこうなったかとか詰められた。


いやホント疲れた、早く家帰りたい。


「春くん帰ろ?」


当然のように碧が教室まで呼びに来た。HR終わって1分も経ってないぞ、どんなスピードだよ。


「うん、わかったよ」


別に帰るのはいいんだ。碧と一緒にいて嫌な事はないし、何なら楽しいくらいだ。それに朝約束しちゃったしな。


「じゃあな、学人。また明日」


「おう、また明日な、春」


学人に軽く挨拶して教室を後にする。すると、俺に向かってなにやら用がありそうな男が近づいて来た。


……立喜か


「よう、どうしたんだ?立喜」


「どうしたんだって、お前だろ?生徒会忘れちゃまずいから、呼びに来てくれって言ってたの」


…そういやそうだった


「その感じ…もしかして、本当に帰ろうとしてたのか?」


帰ろうとしてたのは本当だが、いちおう否定しておこうとする俺を遮り、碧が口を開いた。


「そうですよ?春くんは今から"私と"帰るんです。ね?春くん」


碧ちゃん、すまん!これからは更生して真面目に働くって決めてるんだ。…早速忘れてたけど。いや、そんな俺を想定して立喜を呼びに来させた

過去の俺ナイス!


「い、いや、今日は生徒会に行こっかな?ちょっと最近までサボっちゃっててさ。」


碧には悪いけど今日は1人で帰ってもらおう。別に毎日こうなる訳じゃないし。理由があるなら許してくれるだろ。


「………むぅ、わかった」


よかった。ちょっと不満そうだけど、あっさり引いてくれた


「じゃ、じゃあ春は借りてくね?ごめんね!彼女さん」


「「⁉︎」」


何勝手にカップル認定してくれちゃってんの?碧が暴走したらどうするんだよ。


だ、大丈夫だよな?碧ちゃん?


「そ、そんなぁ、彼女だなんて♡」


先程までの不満そうな雰囲気は消し飛び、嬉しそうにそう言いながら身をよじらせる彼女


「じゃあ、いってらっしゃい。春くん♡」


碧を一瞬でこんなにさせるなんて、流石はイケメン、俺に出来ない事を平然とやってのける。

そこに痺れないし、憧れないけどなんか助かった



立喜に引っ張られながら生徒会室に着いた。

どうやら俺たちが一番乗りらしい。


「よし、今日も働くかぁ」


「やる気になってるとこ悪いんだけどさ。春、お前いつの間にあんな可愛い彼女出来たんだよ」


興味津々で聞いくる立喜、

だから彼女じゃないっての


「別に彼女とかじゃない、ただ昔馴染みだよ。

今日転校して来たんだ。」


「あぁ、噂の永乃碧はあの子か。しかし、お前にそんな子が居たなんてな。彼女って言ったら嬉しそうにしてたし、……あるんじゃないか?」


何がだよって言いたいけど、流石に俺でも分かる文脈だ。確かに……あるのか?


「そういえば、立喜も雰囲気変わったな。髪の色とか、好きな人の好みとか?」


「……お前にしては勘が良いな、実はそうなん だよ」


まじか、適当に言ったつもりなのに当てちゃったよ。にしてもこんな爽やかイケメンを夢中にさせるなんて、誰だ……ていっても結構居たなウチの学校


やっぱりイケメンと美少女って付き合ったらお似合いーとか言われんのかな。……いいなぁ、、、


「ちなみに相手は聞いて良いか?」


「……み、宮前先輩」


ほう、そうきたか。ウチの高校の2年で地毛の茶髪にゆるい姫カットが特徴的。そして何より圧倒的なプロポーションが俺たち男子の眼球、いや網膜の保養となっている。


加えて、勉強もかなり出来る。常に一位というわけではないが毎回五位以内な気がする。そして運動もできる……というわけではなく運動は苦手な方で、逆にそれが親しみを持ちやすくし、近寄りがたいという雰囲気を打ち消した。


周知の事実だが、そんな先輩はこの生徒会の会長だ

意外と話しやすく、近い距離にいると錯覚するが、やはり高嶺の花である事には変わりなく。何人もの先輩たちが打ち砕かれていった。


つまり、こいつ。川島立喜は一年で初の、生徒会長に告ったやつになるかもしれないという事。


無責任かもだが、これだけは言いたい


「振られても気にすんなよ。頑張ってこい、、、」


「俺は最初から振られるつもりでいくわけじゃない。勝ってみせる、生徒会長に!」


なんてかっこいい奴なんだ覚悟が決まっている。

確かに、ビジュは生徒会長と並んでも誰も文句は言わないだろう。それでいて性格がいい。

………勝ったか?


でも、そうか、最近変わったと思ったのは好きな人が出来たからか。髪も薄く茶髪に染まって……茶髪?


「立喜、もしかしてさ。茶髪になったのって先輩に合わせてってこと?」


「まぁ、そんなとこだな。合わせたってか好みを聞いたら薄い茶髪が髪色としては好みらしい。」


好みを聞くとか、それ結構進んでないと聞けないやつだぞ。あるのか?川島立喜ならあるのか?


友人の恋を応援してるのも勿論あるが、あの会長が攻略されるなんて事があるなら、是非とも近くで傍観したい。させてください。


「そういえば、お前も少し茶髪じゃないか?」


「俺はそもそも眼中に入ってないだろ」


それに、めちゃくちゃサボってたからね!生徒会


「俺みたいに不真面目な人は無理そうじゃないか?」


「確かに」


おい、確かにも違うけどな?


男子トークに花が咲いてきた所、ついに生徒会室の扉が開いてしまった。誰だろ岩瀬先輩らへんかな?


「こんにちは、今日もしっかりいるのね。

柏村くん」


「あ、はい」


……まさかの生徒会長参戦!?平日は来るの遅いって立喜が言ってたんだけどな


「こ、こんにちは!か、会長!」


テンパりすぎだろこいつ。まぁ、さっきまで話してた話題が話題だし、無理もないか。


「何か話してたみたいだけど、何話してたの?」


「春に彼女いつ出来たんだって聞いてました!」

ピクッ


「は?」


……空気が変わった。心なしかというかはっきり会長の表情が暗くなる。神聖な生徒会室でする会話ではないからね、仕方ないね。


とりあえずこいつは市中引き摺り回しの刑決定だが。

さっさと訂正しないと危険が危ない気がする。


「か、会長?違いますからね、生徒会室でそんな話するわけないじゃないですか」


会長の方を見ても、誤解が解けていないのか俯いたまま動かない


「…………の?」


「え?」


「彼女……いるの?」


「い、いません」


時間が止まったかと錯覚するほど静かな時間が流れる。自然に額から汗が伝ったきた。


「そう、ならいいの!」


手を合わせてそういう会長は満面の笑みでそこに立っていた。どうやら正解だったみたいだ。

俺に彼女がいるかいないかがそんな気になったのかな?


「はは、会長、俺に彼女居なくて安心しましたんですか?」


いきなり明るくなった空気に当てられ、軽く口から出てしまった。


「……別に?生徒会の仕事もまともにしてなかったのに、恋人にかまけてたなんて聞いたらブチギレかけただけよ」


「あ、スイマセン」


そうですよね、で、でも、期待させる方も悪いんだ!勘違い男を量産してるのはそっちだ!


なんて事言えるわけもなく、ただ黙って業務に

戻った。


ちなみに立喜はずっと会長を見てニヤけている。

後で聞いてみたら、新しい会長の一面が見れて

とても嬉しいとの事、……恋は人を変えるなぁ、、


────────────

5話目ぇ!

これ書いた時なんですけど初コメついてて、めっちゃ嬉しくなりました!ありがとう!

これからも頑張りますので、フォローやハート、気軽にコメントもお願いします!

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