スポーツ雑記
パンジャンドラム
第1話 WSを終えて
日本時間11月2日午後1時過ぎ。
3月18日に開幕した今季は、WS最終第7戦試合終了と同時に終幕した。
私はドジャース党である。
1990年代、野茂英雄の活躍によってドジャースを知り、MLBに関心を持った。
2000年代はイチローの活躍でマリナーズを知り、以前以上に飲めるこむようになった。
2010年代は私事であまり観る機会は無かったが、それでも断った訳ではなかった。
2000年代以降、各球団を知るようになり、私は、ドジャース以外にも主に、
・マリナーズ
・レッドソックス
・カブス
を推している。
マリナーズは、イチロー時代から。
レッドソックスは《バンビーノの呪い》を知ってから。
カブスも《ヤギの呪い》を知ってからが契機だ。
呪い関連が多いのは、私がNPBで熱狂的な虎党だからだろう。
私は初めて買った『パワプロ』で何となくから虎を選んだ。
それから間もなく黄金期を迎えた時機もあってから、どんどんのめり込んでいった。
その分、僅差で優勝を逃した2008、2021年は正直、荒れに荒れた。
物に当たることは無かったが、それでも暫くは不機嫌だったことを覚えている。
そして、2023年、18年ぶりに優勝を果たした。
2023年当時、私は関西圏に住んでおり、初めて『おはよう朝日です』等の優勝特番を録画できるだけ録画し、日本シリーズまでずーっと観続けた。
日本一の時もテレビであるが、リアルタイムで観ており、その瞬間は号泣した。
私の出自は中国地方である為、正直、関西圏の虎党と比べると熱は薄いかもしれない。
しかし、応援しているのは変わりなく、優勝した今季も開幕からほぼ視聴していた。
虎は1980年代後半から2000年代初頭まで《カーネル・サンダースの呪い》に苦しめれた歴史を持つ。
そういうこともあって呪いに関連する球団に親近感を覚え、推しているのだ。
2004年は、オルティスやペドロ・マルティネス、マニー・ラミレス等を推し、PSでヤンキースに3連敗後、4連勝で駆け抜けたのは、個人的にもMLBの中でトップ10には入る好きな場面である。
2013年にWSを制覇した時は、同年にボストンでテロ事件があった為、ボストンは街一丸となって『ボストンよ、強くなれ』を合言葉に街の復興に努めた。
レッドソックスもその合言葉の下、快進撃でWSを制覇した。
2016年にテロ事件を扱った『パトリオット・デイ』という映画では、ボストンの象徴としてレッドソックスの場面も使用されており、当時のボストンの想いが表現されている。
カブスの方はマリナーズに居た川崎宗則が在籍していたこともあり、彼の在籍中は普段以上にカブスを注目していた。
また、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の作中内でカブスに言及し、その中でカブスが2015年のWSを制覇したニュースが流れたのを観て、より関心度が上昇。
そして2016年、カブスがWSに進出した際、第7戦で遂に《ヤギの呪い》に打ち勝った瞬間を目撃した。
その後は先述通り、MLBから離れたが、それでも熱は冷めやらず。
大谷翔平がエンゼルスに移籍して以降は、彼を中心にMLBを観戦。
正直、彼がエンゼルスに在籍していた間は、
しかし、贔屓のドジャースに移籍して以降は常勝球団ということで、エンゼルス時代以上にチームは勝ち、最終的には移籍1年目でWSを制覇した。
同年、彼が達成した50本50盗の瞬間は達成当時、寝ていた為、見逃してしまい、悔いが残ったが、その代わり、WSはほぼ全試合追うことが出来、最終戦も目撃することができた。
そして翌年の今年は、知っての通り、山本由伸以外の投手陣が不調で、中盤まで同地区のライバルのパドレスの後塵を拝す。
パドレスは開幕前にフロントのお家騒動と主力の退団等で昨季よりも弱体化していることを予想していたのだが、それを覆す快進撃だったのは驚きであった。
しかし、ドジャースが負けるとパドレスも負けることも多く、両チームのゲーム差は内容とは反比例にあまり開くことは無く。
終盤ではドジャースが盛り返したことで、何とか地区優勝をすることが出来た。
PSに入っても視聴は続け、大谷翔平や佐々木郎希等の活躍によって2年連続WSに進出。
ドジャースが進出を決めた当時、ア・リーグではリーグ優勝決定戦の真っただ中でブルージェイズとマリナーズが激闘を繰り広げていた。
マリナーズ党である私は当然、マリナーズを応援していたのだが、それでもスポーツは時に残酷だ。
3勝3敗で迎えた第7戦、マリナーズは7回表まで3対1とリードしていた。
WSまでのアウトは残り9つ。
その状態で逆転本塁打を打たれ、そのまま終戦した。
勝ち上がっていれば2001年以来、24年ぶりだった分、私は落ち込んだ。
そういうこともあってWSが始まると、
ただ、第5戦終了時点で2勝3敗となり、見る限り、ブルージェイズの方が士気が高く、逆にドジャースは士気が低いように思えた。
ヤンキースの名捕手で個人としてはWS制覇を10回も経験したヨギ・ベラ(1925~2015年)の名言の一つとして、
『野球は90%はメンタル、残りの半分はフィジカルだ』
というものがある。
実際これは当たっているように感じる。
NPBであるが、1973年、このペナントレースは大接戦で最終成績では首位から最下位まで6・5差と非常に僅差であった。
8月終了時点でもその差は3差だった為、状況次第では首位から最下位まで3差の可能性もあり得ただろうか。
その最終盤、優勝戦線に残っていたのは巨人と阪神。
阪神は優勝が間近にあった10月20日の中日戦で敗れると、優勝はその翌々日の巨人戦次第となる。
しかし、1964年以来、久々の優勝が目前となった阪神はこの試合で大敗を喫してしまい、0・5差で優勝を逃す所か、目前でV9を達成されてしまう屈辱となった。
更に2021年のペナントレースでは1973年以上の僅差で優勝できなかった。
当時は最終盤までヤクルトと熾烈な優勝争いを繰り広げた。
ヤクルトと競争するのは、1992年を連想しながら私は追っていたのだが、結局の所、最後の最後で1973年同様、ゲーム差無しの2位が確定。
1992年も僅差でヤクルトに優勝された分、私にはその二の舞に感じられた。
2021年の選手の多くは、それまで最後に優勝を経験した2005年の経験者が不在な分、より意識してしまったものと思われる。
また、当時は主に関西圏のメディアで「優勝間違いなし」という空気も、より選手達に精神的な
こういう要素から、ヨギ・ベラが残したように、やはり野球はメンタルが大きく影響するだろうか。
それを打ち破ったのは、2023年のことで、当時、就任1年目だった岡田監督は、自身が監督を務め、2008年に僅差で優勝を逃した経験から学び、敢えて「優勝」を「アレ」と表現することで選手間の緊張を和らいだ。
関西圏のメディアも2021年の失敗から反省し、極力「アレ」を使用することでチームに協力し、両者の連携によってチームは18年ぶりの優勝を果たし、更に38年ぶりの日本一にまで至った。
メンタルは改革次第ではチーム成績が上向くことが証明された形である。
今回のドジャースも正直、メンタルの影響から第6戦が最終戦と予想していた。
しかし、パドレスの時同様、私の予想は外れ、山本由伸の好投により、ドジャースは逆王手を決める。
そして第7戦ではWSの歴史に残る死闘の末、最後は山本由伸が締め、ドジャースは21世紀初の「back-to-back」を達成した。
残念なことに私は第6戦、第7戦はリアルタイムで観ていない。
第6戦は体調不良で1日中、寝ており、最終戦は用事があって外出していたからだ。
ただ、第7戦はラジオで聴くことができ、9回裏から試合の死闘を耳で感じていた。
最後の瞬間も音でしか分からなかったが、帰宅後、ハイライトを観て大喜びする一方、リアルタイムで観ることが出来なかった後悔も押し寄せた。
WSが終わった瞬間、MLBの市場が解禁する。
カーショーは引退だが、キケ・ヘルナンデス等、今回のWS制覇の功労者の多くが市場に放出された。
契約上、仕方ないことなのだが、功労者が契約満了直後、放出されるのはMLBの現実と厳しさを感じさせる。
ドジャースは昨季、WS制覇の功労者であるフラハティ等が退団した。
今季も功労者の中には、退団者が現れるだろう。
WSの試合終了と同時にWS制覇の喜びと、功労者の去就が気になるのがMLBの特徴だろうか。
兎にも角にも、昨季同様、大喜びできたのは、非常に幸せである。
30球団の中で1球団しか得ることが出来ないWS制覇。
王朝がどこまで続くかは分からないが、今後も目が離せないMLBである。
スポーツ雑記 パンジャンドラム @manjimaru
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