第34話軍事行動に出る
「軍事訓練の方はどうだ? 何処まで進んでいる?」
「はっ! 予定よりも十分な練度になっていると考えます。我らリザーデルだけでも、人間に勝利する事は可能でしょう!」
「よくぞ言った。だが、何事にも絶対はない。訓練を怠るんじゃないぞ? 決定的になるまでは、戦争は起こらない。戦争をするときは、こっちが勝つ時だ。それまで、訓練に励め」
「解りました!」
「伝令! 伝令! 聖ルクレイア国とオルデント魔国の交戦が激化。聖ルクレイア国が押されています! スタルバ王国からの援軍が到着したという話も出てきています!」
「伝令ご苦労。そのまま押し込めるかどうかは未知数だが、確実に勝てるとは限らない。引き続き様子を見てくれ。それと、まだまだこちらの戦力を整えるつもりだ。どちらかが勝つ可能性が出てくるまで様子見だ」
「解りました! 伝令は以上です。配置に戻ります」
兵の訓練は大丈夫。魔物人100%の軍隊が、ダンジョンでどんどんと訓練を重ねている。対集団戦に特化している兵士も必要だからな。個の力も大事になってくるんだけど、集団戦闘には、個の力よりも、集団の力の方が必要になってくる。それを考えれば、今回の訓練のような事もやらないといけない。ダンジョンで、魔物を相手に、集団で片付けるように指示を飛ばしつつ、指揮官も育てている。俺の仕事という訳ではないんだけど、成果を見ているんだ。これだけの集団戦闘が出来れば、何とか戦争にはなるだろうとは思う。人間が予想よりも強くなければ、だけどな。聖ルクレイア国がどれ程の練度なのかというのは、見ていてなんとなくだが解る。だが、人間の強さまでは解らないからな。とりあえず、こっちの方が上だろうと言う事はなんとなく解っていることではあるが。対魔物戦闘を考えると、こっちの方が兵力としては上だと思う。が、油断は出来ない。訓練の手を抜くことは出来ない。ダンジョンで鍛えに鍛えて、完勝できるようにしておかないといけない。
ダンジョンでの訓練は日常的な事だ。メルカトを軍事的な拠点へと作り変えているからな。色々と考えたんだけど、軍隊の本拠地はメルカトにした方が都合が良かったんだ。ダンジョンの事もあるし、色んな事を考えると、そうした方が良かったんだよ。最終的にはダンジョンに籠ることになるんだし、ダンジョンが最終防衛ラインと考えると、軍事拠点化した方が良いんじゃないかと言う事でこうなった訳だ。まあ、そこまで大層なものではないんだけどな。今まで住んでいた魔族の人たちには、別の町に出て行ってもらった訳なんだけど。ある程度は残っているが、魔族の方が技術力なんかは上だからな。色々と魔物人に教えて貰わないといけない事もあるし、今はまだまだやれることがある。
訓練は引き続きやらせる。訓練を疎かにして負けましたでは話にならないからな。それと、町づくりに関してなんだけど、北方面にも西方面にも作っている。どんどんと横に伸ばしているんだ。そうして、一挙に聖ルクレイア国を攻め落とす。その場にいる住民は、皆殺しにしないといけないから、そう言った準備も必要になる。まあ、魔物人が手加減するとも思えないので、その辺は苦労というか、苦慮はしていないんだけど。魔物人は、魔物人。魔族とも行動理念も何もかもが違うからな。教育である程度は教えているが、それでも魔族とも全く違う種族なんだと思い知らさせる。
「戻りました。中々に順調な様で何よりですね」
「ギリエルか。何か解ったことがあるのか?」
「そうですね。スタルバ王国からの援軍が届いてから、結構な勢いで盛り返している所です。まあ、それでも作戦には変更はありませんが。あと20年程で動きます。こちらの人口も爆発してきましたし、そろそろ他にも領地が欲しい所ですからね。奪い取るのが良いでしょう。魔物人を人として受けいれていない場所もありますから、そういう場所と戦争をしていけば、最終的に大きな国になるとは思います。まあ、大きな国を目指すのかは、置いておきますが。どんな国を目指すのかは、自由で良いとは思います。我が主が何を考えていても、我はついていくだけですので」
「そうか。まあ、聖ルクレイア国は落とすことが予定されている。その領土を何処まで獲得できるのかが問題だけどな。色々と考えておかないといけない事もあるだろうし、今はただ、兵の訓練をするしかないとは思うけど。それをしない事には何も始まらないからな。訓練をして、どんどんと強くなってもらって、そして活路を見出だすと。何処にどんな国があるのかは、もう少し後でもいい話ではある。もう少しだけ、待ってもらえると助かるけどな。この大陸を制覇しようなんて気は無いんだけどな。魔物人が暮らせる場所を確保できれば、それだけでも十分だとは思う」
「まあ、まずは魔物人を受け入れるかどうかの確認が必要にはなるでしょうけどね。魔物人を受け入れない国も出てくるでしょうから。そういう国とは、争っていかないといけないとは思います。それでも、余裕であることには変わりが無いでしょうけど。そこまで苦戦はしないと思いますよ?」
「それだと良いんだけどな。ただ、国として表に出るのであれば、俺も国の皇帝として出ないといけない事もあるとは思う。それが今から面倒だなとは思うが、仕方がない事でもあるからな。皇帝として、威厳があるようには感じないだろうが」
「そんな事は無いとは思いますけどね。究極体真祖なのですから。威圧感は半端ではありませんよ? そもそもそんな魔物を知っているのかどうかですけどね。魔物人の中でも最上級の魔物人ですから。ある意味伝説上の生き物でもあります。そんな皇帝が住まう国に、喧嘩を売ろうだなんて考えないとは思いますけどね。そこまで考えられる国であれば、友好を選ぶとは思いますよ? 普通の国ではないと考えてくるでしょうし」
「それだと面倒が少なくて良いんだけどな。どうなるのかは解らない。聖ルクレイア国の様に、話を聞かない国という可能性も十分にあるからな。何とか話を聞いてもらわないといけないって可能性も十分にあり得るんだから。期待はしない方が良いとは思う。それよりも、考えておかないといけないことが多くあるような気がするが、まだいいのか?」
「ええ、まだ大丈夫ですね。まあ、考えなくても大丈夫なようにするんですが。出来るだけ、そういう風にしていきたいとは思いますので、よろしくお願いします」
良きに計らえってな。上手い事やってくれれば良いんだよ。今は何とか人口を増やすことを専念していれば良いとは思う。どんどんと人口が増えていけば、出来ることも増えていくだろうからな。これでダンジョンを複数抱え込めるようになれば、色々と話は変わってくるんだけど、聖ルクレイア国にはダンジョンがあるんだろうか。あれば、交渉したいなとは思うけど。
ダンジョンがあれば、町は発展する。それだけの資源が手に入るって事だからな。ダンジョンを大きくすることは簡単だ。魔法をダンジョン内で使ってやればいいだけの話なんだし。それだけで十分なんだよ。ダンジョンがあれば、の話ではあるけどな。幾つかはあるんじゃないかとは予想している。ダンジョンを攻略できるような人間が居るのだとすれば、オルデント魔国は負けているだろうからな。ダンジョンは攻略されずに放置されているか、資源庫として使われているのかのどちらかだとは思う。俺たちも資源庫として使わせてもらうんだけどな。
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