第9話 ひみつとしんじつ

あの日、図書室の日から真は変だった。

周りをきょろきょろ見ている。


僕は気になって尋ねるけど、真ははぐらかす。


そしていつか真と出会ったカフェの中に入った。


「ねえ、いつものでいい?」


真は聞くが、そもそも真とこの店に来たことはない。

そう伝えると、真は今までになく動揺していた。


「あ、そうだった」


真は笑うけど、やっぱり変だ。


「ねえ真。何か秘密があるんでしょ? 大丈夫。何を聞いても受け入れるよ」


真は変な顔をした。泣きそうな、嬉しそうな顔。


そして少し間をおいて、真は話し始めた。


「私はね、未来から来たの。あなたが死んだ未来から。私はね、あなたを助けるために過去に来たの」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る