第7話 おもいでとしょうめつ

僕たちはいろんなところへ行った。

動物園、美術館、お互いの家……いろいろ行った。


そして僕の近所の海にも行った。

ここに誰かと来たのは初めてで、僕はなんとなく真に特別な感情を抱いていた。


海で真は何か手紙を書いていた。

それは何?と聞くと、「なんでもないよ」と言って、僕のポケットに入れた。


僕は真と共に過ごしていたけど、なぜか真の思い出がところどころ抜け落ちてしまう。

なぜかはわからない。


真に聞くと、

「私はどんどん世界から消される。あなたの記憶からも」

と言った。


僕は途方もない悲しみに覆われた。

なぜなのか、わかっている。


「ねえ真。僕は――」


そう言おうとする僕を制して、真は言う。

「ねえ、明日は水族館に行かない?」


「私はね、明日消えるから」

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