第7話 おもいでとしょうめつ
僕たちはいろんなところへ行った。
動物園、美術館、お互いの家……いろいろ行った。
そして僕の近所の海にも行った。
ここに誰かと来たのは初めてで、僕はなんとなく真に特別な感情を抱いていた。
海で真は何か手紙を書いていた。
それは何?と聞くと、「なんでもないよ」と言って、僕のポケットに入れた。
僕は真と共に過ごしていたけど、なぜか真の思い出がところどころ抜け落ちてしまう。
なぜかはわからない。
真に聞くと、
「私はどんどん世界から消される。あなたの記憶からも」
と言った。
僕は途方もない悲しみに覆われた。
なぜなのか、わかっている。
「ねえ真。僕は――」
そう言おうとする僕を制して、真は言う。
「ねえ、明日は水族館に行かない?」
「私はね、明日消えるから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます