第24話 隻腕の兵士・ミユ
意識を取り戻してからわずか一ヶ月でミユは日本を離れた。驚異的な体力の回復だった。CSTに到着した隻腕の彼女は明るかった。
服の左腕は中身が無いのでゆらゆら揺れていたが、ミユは、一度飛びっきりの笑顔を見せ、そして真顔に戻って敬礼した。
「隊長、皆さん! 只今戻りました。またよろしく!」
ミユは再度はちきれんばかりの笑顔を見せて、アイリやシオンなど仲間に抱きついた。ひとしきり再会を喜ぶと、今度はカイトに向かって言った。
「聞いたよ、カイト」
「何?」
「もう一人前なんだって? すごいぞ」
「いやあ、まだまだだよ」
ミユは右手を高く挙げてカイトに目配せした。
カイトもすぐに理解して左手を高く挙げた。
同じ色、同じ形の腕がハイタッチを交わした。
左腕が無くなったってミユはへこたれなかった。
命さえあれば、やっていけるんだ……
✧ ✧ ✧
カイトが成長し、ミユが戻ったCSTは強力だった。
次々とコレオイドの拠点を攻略し、彼らの進撃を阻んだ。
やがて、また強力な助っ人が現れた。クレアが連れてきた。
「みなさん、新しいメンバーです」
それはカイトとミユには見慣れた顔だった。
「こちらがシュウです。何とカイトの弟です」
「シュウです。よろしくお願いします」
「シュウは病気もあり、まだミュータント能力が完全に発現していませんが、既にコレオイドに対抗するための情報処理で類まれな能力を発揮しています。今後、この本部で指揮チームの一人になってもらいます」
フィッツロイが言った。
「頼んだぞ、シュウ」
「任せてください。フィッツロイ」
それからは、ひたすら戦いだった。
ある意味、連合軍CST側はベストメンバーになっていた。
シュウが情報を整理し、複数の作戦案を提案する。
フィッツロイが決める。
クレアが各国と調整する。
アイリが出撃チームをまとめる。
ミユが戦う。
カイトも戦う。
他のMS、兵士も一緒に戦う。
シュウが作戦を修正する。
フィッツロイが指示を出す。
こうして、コレオイドせん滅作戦は途切れることなく続いた。
しかし、コレオイドと違って人間は疲労がたまる。特に生死に直結する緊張した戦闘を続ける中で、十分な休息も無く永遠に同じパフォーマンスを保つことは難しい。
異常に増殖し続けるコレオイドとの闘いは終わることが無かった。
カイトや復活したミユ、そしてシュウが参戦してから月は地球を何周も回った。順調に進むかと思われたCSTの対コレオイド作戦は、進化するコレオイドの前に逆に瀬戸際まで追い詰められてきた。
コレオイドの攻勢は連合軍の本拠地まで迫ってきた。
CSTと連合軍は必死の抵抗・防御を試みていた。
死闘が続いた……
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