第9話 夏休みを兼ねる
ずっと3年間忙しかった。なぜ、僕がこのプロジェクトに呼ばれたか今だって不明だ。
天候が悪い、10月半ばまで1か月、実験に踏み切れそうもない。
今日は収穫祭だ。ちょっとは野菜を作っている。
広場にはやぐらが作られ、音響システムが用意されている。太鼓はないけど太鼓の音は聞こえてくる。
最低限のシステム運用者を除き、広場でバーべキューをやったり、カラオケ大会が開催されている。今日だけは酒がふるまわれる。
日が暮れ始めると、人工のかがり火がともされ、踊りが始まる。聞き覚えのある、東京音頭だ。
アルコールが入っているせいか、男女が抱き着いて踊っている組み合わせもある。大した人数でもないが、ストレス発散にはもってこいだし、日ごろ声をかけられなかった女の子を誘っている若人もいる。
さやかは、若い子に手を引っ張られ、物陰に連れていかれた。抱きしめられて、口がふさがれる。ちょっと飲んだアルコールのせいで、フワフワしている。
硬いものが腰に当たる。浴衣の裾をはだけて、パンツをはいていない尻をつかんでくる。
性急な奴だと思い、硬いものをつかんでぎゅっと握る。彼はたじろぐ。
「優しくしてよ」
そこまでは意識を保っていたが、そのあとは覚えていないそうだ。長い間その物陰に放置されていたのを警備に発見され、僕の部屋に連れてこられた。
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