神獣黒猫のメイ~パクスアエテルナ~
蒲さし利休さん
第1話 女神クリスティア
「睦月、弥生、星野財団のこと頼んだよ。」
「父さん。」
「お父さん。」
享年77歳、私は息子と娘に看取られながら静かに息を引き取った。
・・・筈だった。
「星野 五月さん、こんにちは。」
「えっ。」
「あなたすごいわねぇ。一代で立派な企業を創業。その利益で恵まれない子供達を保護。星野学園を創業し、教育支援、卒業後支援もしてるわね。支援された子供たちは立派に成長し、今では星野コンツェルンの中枢を担う人材に育ってるわ。その手腕を私に貸してくれないかしら?」
突然頭に響くこの声は何だ?とりあえず、問いかけてみるか。
「えーっと。あなたは誰でしょう?」
「あらごめんなさい。私は日本と異なる世界、メビウスという創造世界の創造神女神クリスティアというわ。」
「女神?クリスティア?・・・」
「あなた、私の世界に来なさいな。そして、私の使徒として、メビウスの人々の生活を見て欲しいのよ。」
「世界を見て何をすれば良いのでしょうか?」
「虐げられている者や困っている者がいれば助けても良いし、新しい食を広めても良いわね。あなたの思うままに好きにしてくれたら良いわ。」
「あなたの価値観で判断してくれるだけで良いの。」
「過去の記憶を持って生まれ変われる機会なんてそうそうないことよ。」
虐げられている者がいるのか、何とかしてあげられるかな。
「なるほど。良いですよ。」
女神クリスティアは断られると思っていたのか、
「やはり突拍子もない話だから、断るわよね。」
「やりますよ。」
「えっ、ホント・・・。」
「はい。」
「あなた・・・素敵だわ。気に入った。」
「あなたに声を掛けて本当によかった。」
「まだ、何も成し遂げていませんよ(笑)。」
「まぁ、できる範囲になると思いますが、精一杯努力はしますよ。」
「お願いね。」
「あっそうそう、どうしても判断に困ることがあれば、女神クリスティア様と叫びなさい。」
「地上に降臨しお手伝いしてあげるから、頼りなさい。」
「ありがとうございます。」
「では、よろしくね。」
女神クリスティアがそう言うと、景色が暗転し、私は意識を失った。
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