第13話 「そこはダメだろ! ギリギリアウトだ!」
きゅっ♡
わたしはシャワーの栓を止めた。おっ☆いが揺れて、乳☆の先からぽたぽたお湯が滴る。
人間世界に来てよかったこと。それは、風呂文化。
石鹸あわあわ。清潔になっていく感覚が
「んっ……♡」
たまらなく気持ちいい。
♢ ♢ ♢
「ダンジョンちゃん、手紙が来てるよ」とご主人様。
「手紙?」
バスタオル一枚で玄関に向かう。封筒を開ける。手紙だ。
『うわっはっはー! 世界一のメイドから新しい挑戦状じゃ! 次の日曜日、墓地で肝試し対決をしようぞ! 怖れず立ち回り、ご主人様を満足させられたほうの勝ち! 楽しみにしておるぞ! ――西のダンジョン』
(——またアイツは……)
わたしは溜息をついた。
♢ ♢ ♢
「いらっしゃい、ダンジョンちゃん。今日はどうしたの?」
ぷるん♡
魔女っ子の帽子。紫のロングヘア。グロスな唇。揺れるメロン。
魔道具店の店主マドーグさん。わたしが来たのを見て、笑顔。
「あの……ゴースト対策に使えそうな魔道具がほしいのだけど」
「ゴースト? ああ、墓地にいる半透明の触手モンスターのことね。色々あるけど、今仕入れてあるのはこれしかないわ。ゴーストをおびき寄せるポーション」
「おびき寄せてどうする」
「攻撃力のないゴーストを召喚して、戦いに慣れるための魔道具よ」
(なるほど……慣れか)
ゴーストは強いと聞く。戦闘になればまず勝てない。わざとヨワヨワなゴーストを召喚して強さアピール……。
(——使える!)
わたしは即決でポーションを購入した。
♢ ♢ ♢
肝試し、当日。
ご主人様と墓地に到着すると、西のダンジョンちゃんがすでに待っていた。
「遅いぞ!」
「あなたが早すぎるだけ!」
バチバチ……!
火花を散らした。
「ルールは簡単じゃ。墓地を一周して戻って来る。その間、ご主人様を守り切り、強さを証明できた方の勝ちじゃ。よいな? それじゃ、スタート!」
早速肝試しが始まった。わたしたち三人は、広い墓地をランタンだよりに進む。
真っ暗。木々が風に揺れてざわざわ。カラスの鳴き声。野生動物の遠吠え。蛇やトカゲのカサコソ音。
墓地ってのは、いつ来ても不気味だ。
「ふん、こんなところ、余裕じゃわい!」
西のダンジョンちゃんは堂々と歩いていく。その人差し指には、なにやら光るアクセサリーが付いている。
「なにその指輪」
「ふっふっふ、ゴースト対策に最近仕入れた『チート武器』じゃ! 一撃で倒せるわい!」
「自分で言ったらダメでしょ」
「う、うるさい!」
ザッザッ!
その時、草陰から二匹のゴーストが現われた! タコの形。白くて半透明。触手うねうね。
ゴースト Lv5
HP 100
ATK 100
ピッキーン!とダサポーズを決めたライバルメイドは、指輪の光線でバッタバッタと倒していく。西ダン500の攻撃。
「うわーはっはっはー! どうじゃ! ワシの圧勝じゃろう!」
西のダンジョンちゃんは有頂天だ。
(——くっ……このままでは負けてしまう……)
わたしは懐からポーションを取り出し、こっそり足元に一滴垂らした。
ふわり、ふわり、ふわり……
一匹のゴーストが召喚されて、わたしに向かって来た!
「覚悟しなさいゴースト! このダンジョンちゃんが成敗……って、うえぇぇえええええ!?」
意外なことが起きた。ゴーストは攻撃こそしてこないが、わたしの手足を絡め取り、空中に持ち上げてしまった!
「ダンジョンちゃん!」
ご主人様が剣を抜いた。
(くそっ! 想定外! 身動きが取れない!)
ぎゅっ
「あひゃあ!♡」
わたしは変な声を出した。ゴーストは触手を強く絡ませてくる。痛くはない。けど、ぬるぬるが気持ち悪い。胸、尻、腕、足。無数の触手が弱いところを攻めに攻める。
「こら! そこはダメだろ! 入れるな! これ以上はアウトだアウト!」
赤面。
じとじと。ぺたぺた。ねちゃねちゃ。
ゴーストの体液が肌を伝う。服が透けて、体のラインがくっきり。スリスリされて、ビクン♡
「待っておれ! 今助け……」
危機を感じた西のダンジョンちゃんが、光線を放つが、焦って外した。
「ふえぇええ!? ちょ、待て!! ワシを絡め取るでない!」
まさかの展開で、西のダンジョンちゃんまでもが触手の餌食。
「や、やめんか!」
ゴーストがわたしたち二人を引き寄せていく。
ぎゅっ♡
柔らかいものと柔らかいものが当たる。粘液まみれの肌と肌がこすれ合う。
「ああん♡」
「ん……♡」
二人の体が密着。お互いの体温が伝わってきて、なんだか変な感じ。
「くっつくでない! 気持ち悪い!」
「それはこっちの台詞!」
「お主、今どこを触っておる! 【ピー】はダメじゃ! バンされるぞ!」
「あんたの【ピー】こそモロ見えよ!」
——ズッバァァアアアン!
——ぐぎゃぁぁああああ!
ご主人様が剣で一閃。
ゴーストを真っ二つ。
ようやくわたしたちは触手から自由になった。
♢ ♢ ♢
「ふう……助かった」
「ありがとうございます、ご主人様……」
わたしたちは息を整える。
とりあえず大きな葉で、アソコとアソコを隠す。
「今回は……引き分けだね」
「そうじゃな」
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