第33話 王宮にて
宰相のエンリケを待っている間に、リルは、救出した人達にカサロスをかける。
「魔法でカサロスを掛けたから、身綺麗にはなったと思う。
ここは、ウルス獣王国の王宮。
これから宰相のエンリケさんが来ると思うから、言葉使いに気を付けてね。」
「えっ、王宮。」
「・・・・・。」
「無礼なこと言ったら、無礼打ちされるわよ。」
「なんでこんなところに連れてきたんだよ。」
「僕の都合でごめんね。
僕が助ける予定だったのは、バロさんとロゼさんだからさ。
巻き込んでごめんね。
でも、違法奴隷でどこかに売られるよりはましでしょ。」
「「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」」
みんな絶句している。
「リル様~、リル様~」
遠くから僕の名前を叫び、重たい体を揺すりながら走ってくる宰相エンリケ。
笑顔で手を振って迎える。
「ごめんね。遅い時間に。」
「とんでもない。あまりにもお早いお戻りで、びっくりですぞ。」
「たまたま探っていた建物が当たりだったんだよ。
そこにバロさんとロゼさんが居たから、見張りをやっつけて、一緒に転移してきたのさ。」
「流石でございます。」
「とりあえず、此処に居る全員にカサロスを掛けたから身綺麗になってると思うけど、食事と寝泊りの手配をお願いできないかな。」
「はっ、かしこまりました。手配いたします。」
「あっバロさんとロゼさんは、僕が連れていくね。」
「承知しました。」
エンリケさんが侍女を手配してくれる。
「あっそうだ。救出した人達で、対応が困る人がいるかもしれないから、その時は相談してくれるかな。」
「はっそのようなことが無いよう対応します。」
エンリケさん、硬い硬いよ。
「きっと対応できないこともあるかも・・・気軽に相談してね。」
「はっ、はい。」
僕は、侍女に案内され、リセ達が泊まっている部屋へバロさんとロゼさんを連れていく。
「こちらの部屋にリセ様とサシャ様がいらっしゃいます。」
「部屋を除いて良いかな?」
「どうぞ。」
侍女が部屋を開けてくれる。
中を覗くと二つベットがあるのに、一つのベットでくっ付いて寝ているサシャとリセ。
「明日にしようかな。」
「では、リル様のお部屋にご案内します。」
「バロさん、ロゼさん、ごめんなさい。」
「リセ、寝てたので・・・。」
「良いんですよ。
遅い時間ですし、子供は寝てる時間です。」
部屋に着くと、侍女がお風呂の用意と食事の手配をしてくれるということで、言葉に甘えることにした。
先に、バロさんとロゼさんにお風呂を使ってもらい、その後、食事をとりながら、フォス王国までどのように取り扱われたのか簡単に教えて貰うリルであった。
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