見えない世界での幸せ ーオオガミと雪子ー

雪待 月代

第1話神と私の使命

 私の中にある“見えない世界”は、いつからそこにあったのだろう。

 小さなころから人と違う感覚を持っていたけれど、それを誰にも言えなかった。

 見えないものが見えると言えば、変な人扱いされるからだ。


 それでも、私にとってそれは現実だった。

 心が壊れかけたある夜、私はその世界に呼ばれた。

 そこにいたのは、穏やかな声の神――オオガミ。

 彼との出会いが、私の世界を少しずつ変えていく。


 私は小さい頃から神様に憧れていた。神様の話は大好きだ。それは大人になった今でも変わらない。

 でも、私の人生における大きな転換があったのは神様が関わってくる。

 それで私は神様がよく分からなくなった。

 神社には行かなくなったし、寺すらも興味が失せた。

 昔は大好きで神秘的であったお守りですら興味がなくなった。

 神様など崇めなくても、人は生きていけるのである。

 私はどうして大好きで憧れていた神様がよく分からなくなったか。

 それは……――、神様が身近になってしまったからだ。

 それも、どうやら来世では夫婦になるらしい。

 私は出来れば、普通の人生を送りたかった。

 でも、無理だった。

 神様に憧れたあまりにこの身を焦がし、人生を破綻させ、その上である神に見出されたのだ。

 ある意味、僥倖だろう。

 だが、その神に接触されなければ、私は悪の塊に思考を飲まれたまま病気と判断され、悪辣な噂を立てられ拡散されて、家族からは絶縁されて、友人にも絶縁され、最後の友人に罵詈雑言を吐かれて、悪の塊と人の悪意で人生をめちゃくちゃにされ、死にかけた心を取り戻す事は出来なかった。

 私は心が死ぬほど辛い目に遭った。毎日、人の悪意が言葉の刃になって胸を刺した。


 でも、……――受け入れた。全てを。


 私は、悪意にまみれた現世と、神が待つ来世の狭間で生きている。

 私の思考は神の手の内に転がらされてしまってはいるが、私の心は自分で決められる。

 私の思考は神の手の内だが、私は今世を何が何でも生きねばならないのだ。

 私にはやりたいことがある。

 それは、私の書いている創作を全て世に送る事。

 私が生きている限り、読書をして本という情報を集める事。


 それが私の使命だ。

 生きるそのものこそが私の使命だ。

 

 生きている間は、創作と読書を邁進するのだ。

 私が生きていく上で必要だからだ。

 私が生を全うすることに意味がある。

 それこそが、今世での課せられた使命。


 今世を生き抜いて、寿命を全うする事こそが私の使命だ。

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