ペパーミント=トゥルース―戻れない一歩への応援コメント
とても美しい締めの回でした。今回の依頼で解決したのは守屋の問題だけではなく、レート自身が「世界の裏側に触れてしまった者」として一歩進んだことだったのだと、マギサの言葉で綺麗に整理される構成が印象的です。
特に「もう、何も知らなかった頃には戻れない」という実感には重みがありますね。天使との遭遇、カナコと守屋の契約、悪魔たちの在り方――これまで積み重ねてきた出来事が一つの経験としてレートの中に定着した感覚が伝わってきました。
そして最後の「また明日」がとても好きです。大事件の後なのに特別な別れではなく、明日も続く日常として終わる。その穏やかさが、この章全体の読後感を優しく包んでいるように感じました。
作者からの返信
知ってしまったら戻れない、はこの作品の一つのテーマでもあります。
「そこに在る悪意」もまた知ってしまったら戻れないと思っています。
それでも日常は続いていく、そんな無常さを表せていたら幸いです。
コリアンダー=アフター・タイム―踏み出せた日への応援コメント
とても良いエピローグ回でしたね。守屋が「今日は一日、教室に行けたんです!」と真っ先に報告しに来る場面だけで、この一連の出来事が無駄ではなかったことが伝わってきて、思わず頬が緩みました。
また、カナコと守屋が並んで帰っていく後ろ姿の描写も印象的です。親子にも姉妹にも恋人にも見える、という表現がとても綺麗で、二人の関係をあえて一つの言葉に閉じ込めないところに温かさを感じました。
そして最後の「あなたにとっては、プラスの依頼だったわね」というマギサの言葉が実に良い締めです。守屋の依頼を解決した物語でありながら、気付けばレート自身も少し救われていた。そのことを改めて示していて、守屋編全体の読後感をさらに良くしていると思いました。
作者からの返信
守屋ちゃんの成長を以て、この事件が解決するという落としどころにできて良かったなと思っています。
そして、確実にレートは成長だけでなく「救い」も得ることができた依頼だったと思います。
シナモン=ナイト・フォー・トゥー―共鳴の優しさへの応援コメント
とても静かで、そしてとても大切な回でしたね。今回の見どころはやはり、マギサがレートに「それは優しさよ」と言葉を与える場面だと思います。守屋にも肯定されましたが、今度はレートを最も近くで見てきたマギサ自身が同じ結論を告げることで、その言葉の重みが一気に増していました。
特に「それがあなたらしさなんじゃないの」という一言が印象的でした。レートがずっと呪いのように扱ってきた性質を、欠点ではなく“らしさ”として受け止める言葉になっていて、とても優しい場面だったと思います。
そして最後の、二人分の寝息が重なる締めが素敵でした。恋愛的な意味ではなくても、孤独だった人間が誰かと同じ空間で安心して眠れるようになったという事実そのものが、とても温かく胸に残りました。
作者からの返信
人間の感情に詳しいマギサさんが「優しさ」だと断定するのは説得力がありますよね。
レートもさすがに信じるしかありません(笑)
マギサさんがレートを側に置いている理由の一端も見せられたらなと思っています。
フェンネル=アングザイエティ―事務所の夜への応援コメント
今回は事件解決後の静かな余韻がとても良かったです。特にレートが「何かしてあげたいのに何もできない」という感情に戸惑っている描写が印象的でした。契約だから、仕事だから、と理由を付け続けてきた彼が、それでは説明できない気持ちを抱え始めているのが伝わってきます。
そして、向かいのソファで泊まることを当然のように決める場面が好きですね。派手な言葉は何もないのに、「帰る気になれなかった」という行動そのものにレートの変化が表れていました。最後にマギサが紅茶へ手を伸ばしただけで安心する締めも、とても温かい余韻がありました。
作者からの返信
初めて見せられる絶対的な存在だったマギサさんの弱い部分を見て、レートのマギサさんに対する心情の変化に気付くのと、彼自身それに戸惑う様子が描けていたら良いなと思っています。
アルバローズ=コンフェッション―青年の過去への応援コメント
とても好きな回でした。ここまで守屋が少しずつ救われていく流れを見てきたからこそ、今度は守屋の言葉がレートを救う側に回るのが胸に沁みます。「玲人さんに“してもらった”こと、私、忘れません」という台詞が本当に良いですね。レート自身は契約だからと言い張るのに、守屋はちゃんと彼の優しさを見ている。その噛み合い方がとても温かかったです。
また、最後の「今日助かったのは、生徒たちだけじゃない」という締めも印象的でした。事件そのものは解決していても、この一連の出来事がレート自身の心を少しずつ変えていたことがよく伝わってきます。派手な戦いの後にこういう静かな救済があるのが、とても心地よいですね。
作者からの返信
この話は悪意が意図なく表れるように善意も意図なく表れることを示したかった回です。
レートが自分のためにしたことが守屋ちゃんを助けている、というのはレートにとってはある意味衝撃的なことでした。
マギサさんに言われて動いているだけ、と思い続けていた自分が「優しい」、「あなたに助けられた」と言われることは(社会人経験のない)彼にとっては信じられないことでした。
オレガノ=アグリーメント―契約再定義への応援コメント
とても良い締め方でしたね。守屋が教室で「普通の会話」を取り戻していく場面は派手な出来事ではないのに、この物語の中では何より大きな前進に感じられました。カナコが自分のことのように喜んで抱きしめる姿も微笑ましく、ここまで積み重ねてきた二人の関係が実を結んだ瞬間だったと思います。
そして契約の再定義が美しいですね。最初は歪な形で始まった契約が、「守る」と「痛みを喰う」というカナコらしい形に落ち着くのがとても納得感がありました。
何より最後です。守屋の勇気に触発されて、今度はレートが自分の過去を語ろうとする。この物語は守屋だけが救われる話ではなく、守屋の一歩がレートの背中も押しているのだと感じられて、とても胸が温かくなりました。
作者からの返信
正式に契約が再定義されて守屋ちゃんとカナコがバディとして再び成り立ちました。
そしてその証人となってあげるマギサはやっぱりカナコと仲が良いと思います(笑)
レートが守屋ちゃんという年下の相手に自分の人生を話す、というところで彼の覚悟の大きさやプライドよりも、彼女に助けられたという感情を大切にしていることを表せていたら良いなと思っています。
セージ=ガーディアン―カナコの想いへの応援コメント
とても温かい回でしたね。カナコが守屋について語る内容は派手なものではないのに、だからこそ守屋という人物の魅力がよく伝わってきました。誰かを励ますのではなく、ただ隣で話を聞けるという描写が特に印象的です。
そして「絶対に守りたい存在なんだ」という言葉は強かったですね。カナコの不器用な優しさが詰まっていて胸に残ります。さらに、その言葉を偶然守屋本人が聞いてしまう流れもとても好きでした。説明されるのではなく、本人の知らないところで向けられていた想いを知ることで、守屋の中に本当の意味での支えが生まれたように感じます。
最後の放課後のチャイムから扉を開ける締めも美しかったです。一つの事件の終幕であると同時に、守屋の新しい始まりを告げる場面としてとても印象的でした。
作者からの返信
本人がいない間にそっと話始める、というのがこのシーンのお気に入りです(笑)
そしてしっかり聞かれてしまうという。
守屋ちゃんは新しい場所で経験したことをたくさん抱えて保健室に戻ってきていますからね。
新しい人生が始まったと言っても過言ではないと思います。
クミン=ディターミネーション―最初の一歩への応援コメント
とても好きな回でした。大きな事件や戦闘が終わったあとに描かれる「最初の一歩」が、何より大切なものとして扱われているのが良いですね。
特に守屋が「先生が保健室にいてくれるなら、教室に行ってみたい」と言う場面が印象的でした。世界を救うような出来事を経ても、彼女にとって本当に大きな戦いは教室の扉を開けることなのだと伝わってきます。そしてカナコの「行ってらっしゃい!」も素敵でした。守るだけではなく、自分の足で歩かせるための言葉になっていて胸に残ります。
また、レート自身も静かに前へ進んでいるのが良かったです。「今日、僕は走った。逃げなかった。」という実感は、守屋とは別の形の成長としてとても綺麗でした。
作者からの返信
守屋ちゃんがちゃんとクラスに復帰できるのは必ず書きたいシーンだったので無理なくしっかり書けて良かったと思っています。
ちゃんと帰れる場所があると、人って多少苦しい場所にも戦いに行けるんですよね。
レートも今回の件を通して自分を見つめ直すことが出来たようです。学校というものには自分のルーツや性格の元になったものが詰まっていますし。
タイムリーフ=スイーパー―後始末への応援コメント
この回は戦いの後始末でありながら、とても穏やかで温かい余韻がありましたね。マギサとカナコのやり取りは相変わらず騒がしいのに、どこか長年連れ添った相棒同士の空気があって微笑ましかったです(笑)。
特に印象的だったのは、守屋が二人を「眩しそうに」見ている場面です。本音でぶつかり合える関係への憧れが自然に伝わってきて、これまで孤立してきた彼女だからこその重みを感じました。そして最後の「聞いて欲しい話があって」という一言がとても良いですね。事件が終わった後だからこそ始められる、本当の意味での一歩前進を感じさせる締め方でした。
作者からの返信
何だかんだ仲のいい2人(人ではない)ですね。
守屋ちゃんはこんなに価値観が違う2人がこんなに仲が良いということに驚いていますね。
今まで学校という場所で、価値観が同じ者同士が仲良くするという形ばかり見てきたので珍しいと思うと共に、羨ましく感じたようです。
そしてレートも守屋ちゃんを信じて、一歩を踏み出すようです。
ブラックペッパー=エンジェル―神の使徒への応援コメント
今回は事件の締めとしてだけでなく、作品世界の核心に触れる回でしたね。「天使」という名前の由来が、救済ではなく“世界の作り直し”という発想に結びつくのが非常に不穏で印象的でした。
また、レートが天使の存在を知ったあとも、結局は「誰かを助けた事実」に救われているのが良いですね。世界の真実は恐ろしいけれど、それでも目の前の誰かを助けた経験は消えない。その着地がレートらしくて好きでした。最後に二人の背中を追いかける姿も、この一件を経て少しだけ前へ進んだように感じられます。
作者からの返信
世界は人間のせいで壊れてしまっているのだろうか、という疑問を投げかける回として書いています。
一方で悪魔はその人間の「歪み」を糧としている存在です。
なので人間と悪魔の利害が一致していることになります。
ローズヒップ=アフターエフェクト―魂の予後への応援コメント
今回は大きな戦いの後日談でありながら、物語全体の地平が一段広がった回でしたね。生徒たちが助かったことへの安堵がある一方で、「元通り」ではない静かな不穏さが残されていて、その余韻がとても印象的です。
特にレートの「自分の力は本当に霊感なのか」という問いが胸に残りました。これまでずっと嫌悪し、消したいと思っていた力なのに、天使を視てしまったことで初めてその正体へ意識が向く。この心の揺れが非常に自然でした。最後の「視えてしまうと、世界が変わってしまう」という独白も、レートという人物の根幹に触れるようで好きですね。
作者からの返信
ここも実はレートの出自に深く関わる伏線として書いているのですが、今作では出せていないのでいつか書きたいですね。
なぜ「霊だけでなく天使も視えるのか、他には何が視えるのか」を考えてみて欲しいなと思っています。
ハバネロ=クランチ―徹底的破壊への応援コメント
これは痛快な決着でしたね。ここまで積み上げてきた不穏さや恐怖があったからこそ、マギサさんとカナコが本気を出した瞬間のカタルシスが非常に大きかったです。特に二人の変身後の姿は禍々しいのに、読んでいる側にはどこか頼もしさすら感じられるのが面白いですね。
また、今回はレートの視点が効いていました。天使の異様さに圧倒され、悪意を背負い、それでも最後に「みんな助かったんだ」と安堵する。この一連の感情の流れがあるから、単なる怪物退治ではなく、人を救うための戦いとして着地しているように感じました。最後の「悪魔って……ほんと、恐ろしいな」という感想も実にレートらしくて好きです。
作者からの返信
この部分はちょっと戦闘描写があっさりしているかなとは思うのですが、バトルものではないのであまり長く書かないようにしてみました。
天使という存在の謎、そしてそんな意味の分からない存在にすら勝ててしまう悪魔という存在の謎が積み上がりましたね……
ホーリーバジル=ペイン―力になりたいへの応援コメント
今回は戦闘前の準備回でありながら、とても静かで胸に残る回でした。レートが悪意を背負ったのと対になるように、守屋は自分の痛みを差し出す。二人とも「誰かの力になりたい」という同じ願いで動いているのが美しいですね。
特に守屋の「みんなもあるけど……私、やっぱりカナコ先生の力になりたい」という言葉が印象的でした。世界を救うとか正義とかではなく、大切な相手の助けになりたいという極めて個人的な願いだからこそ強く響きます。そして「優しい味がする」というカナコの内心も切ないですね。彼女は痛みを食べる悪魔なのに、その痛みの持ち主を本気で大切に思っている。その歪で温かな関係性がとてもこの章らしいと思いました。
作者からの返信
守屋ちゃんの優しさと、カナコの食事の仕方を描いた回になります。
守屋ちゃんが一番守りたいのはやはりカナコだとはっきり述べるシーンですね。
一種の執着ではあり、危うい関係ではあるのですが、それがお互いを守ることになっていますね。
そして元々自分のことをいじめた相手すら責められなかった守屋ちゃんが「人間関係に対して優先順位を自覚」したということでもあると思います。
レッドペッパー=ルアー―悪意への挑発への応援コメント
今回はレートの覚悟と危うさが強く出た回でしたね。悪意を集めるためとはいえ、自分自身の傷や過去の痛みに触れながら霊たちを挑発していく姿は痛々しく、それでいて目が離せませんでした。
特に「僕が思い出せない、過去に僕を排斥した誰かへの」という一文が印象的です。守屋の問題を解決しているはずなのに、いつの間にかレート自身の傷にも物語が踏み込んでいる。そして最後、限界まで走り切ってマギサさんの腕の中で意識を失う流れには、不思議な安心感と切なさがありました。マギサさんの「ありがとう」が、いつもの食事への喜びだけではないように聞こえるのも良かったです。
作者からの返信
「学校」という場所には様々な悪意があり、それもレートは体験してきたはずなのですが、レートはそれを忘れてしまっていますが、この章のメインの軸として、守屋ちゃんの問題を通してレートの(思い出せない)過去と未来を書く章となっています。
自らを犠牲にすることをいとわない所を初めて見せたことに、マギサも内心少し驚いていることでしょう。
マロウブルー=アンノウン―世界の歪みへの応援コメント
ここで「天使」が登場するのは意外でした。しかも一般的な天使像ではなく、悪魔たちすら警戒する世界の歪みとして描かれているのが非常に不気味です。これまでレートは事件に巻き込まれながらも観測者寄りの立場でしたが、今回は「マギサさんの力になりたい」という明確な意思で走り出したのが印象的でした。
特に最後の「10分で集める。10分で間に合わせる。」という独白が良いですね。恐怖で立ち尽くしていた少年が、自分にできることを考えて行動へ移る。この章に入ってから積み重ねられてきたレートの成長が感じられる場面でした。そして守屋まで何かを決意している描写が入り、いよいよ全員が自分の意志で動き始めた空気を感じます。
作者からの返信
ずばり言ってしまうとエヴァの「使徒」のような存在ですよね。
契約を守ってもらうため、とは言っていますがそのために自発的に動こうとなったのは守屋ちゃんとカナコの関係を見て勇気付けられたからかもしれませんね。
スターアニス=グロテスク―襲来への応援コメント
一気にホラーの質感が変わりましたね。これまでの「人間の感情」や「契約」が中心だった物語に対して、今回は理解そのものを拒絶するような異質な存在が現れ、読んでいて背筋が冷えました。特に、生徒たちが倒れていく描写よりも、「何が起きているのか分からないのに身体だけが恐怖を理解している」レートの反応が印象的です。
また、カナコがこれまでになく取り乱しているのも効いていますね。マギサやカナコのような強大な存在を見慣れてきたからこそ、そのカナコが露骨に焦ることで事態の危険度が一気に伝わってきます。最後の「満足げに蠢いた」という描写も不気味で、悪意すら感じられない捕食者の恐ろしさがよく出ていました。
作者からの返信
マギサとカナコは何か知っているようですが……この異様な状況は何なのか、レートと一緒に読者も不安になって欲しいなと思って描いています。
悪魔が存在する世界で「意味の分からないモノ」が出てくるのはより不気味かなと思っています。
セントジョーンズワート=コンプロミス―二人の契約への応援コメント
今回は一度きれいに着地したように見せておいて、最後の一文で全部ひっくり返してくる構成が見事でした。守屋の「死んだら悲しむ人がいる」という言葉は、この章全体の核になりそうな台詞ですね。彼女の優しさが単なるお人好しではなく、相手の人生や背景まで想像できるところから来ているのが伝わってきます。
一方で、契約を再解釈したカナコの反応が実にカナコらしくて笑ってしまいました(笑)。殺さずに長く痛みを返せば無限に食べられる、という発想が善意と食欲の両立になっているのが何とも悪魔らしいです。
そして穏やかな解決ムードの直後に飛び込んでくる悲鳴。あまりにも不穏で、「まだ終わっていなかったのか」と思わず身構えてしまいました。
作者からの返信
守屋ちゃんは他人のことを考えすぎてしまう方面の優しさを持っていますよね。それはそれで危うくはあるのですが、カナコとバディになることでその自己犠牲に気付かせることができるようになっていると思います。
カナコはちょっと突っ走りやすいタイプなので契約を再解釈した結果のメリットにも突き進んでしまったようです(笑)
ジョロキア=ロジック・ホール―本当の願いへの応援コメント
これは気持ちの良い一話でしたね。ここまで積み上げてきた重苦しい状況が、「願いの言葉そのものを見直す」という形でひっくり返るのが実に鮮やかでした。
特に「殺してほしいとは言っていない」という一点は、読んでいて思わず膝を打ちました。ずっと契約の話をしていたのに、実は一番契約を読めていなかったのがカナコ本人だったという構図も面白いです。
そして何より、守屋が最後まで「殺すのは嫌です」と言い切った場面が良かったですね。優しいからではなく、苦しみを知った上でなおそう答える強さとして描かれているのが印象的でした。
作者からの返信
ここである意味ではトリックの種明かしですね。
このカナコの暴走も、人間は暴走して思考が偏ると文章や言われたことを曲解してしまうことの揶揄だったりします。
それでも大切な人から、あなたは間違っていると言われて揺らぐカナコにはまだ救いがあるのだと思います。
ハイビスカス=パースウェイド―悪魔の話術への応援コメント
今回はカナコの「優しさ」が最も危うい形で表れた回でしたね。守屋を守りたい気持ちは本物なのに、その結果として提示される選択肢が極端で残酷なのが実に悪魔らしく、同時にカナコらしくも感じました。
また、レートが「自分も同じことを思った」と自覚する流れがとても良かったです。単なる善悪の話ではなく、人なら誰しも抱く憎しみと赦しの境界線に踏み込んでいて、読んでいて考えさせられました。
そして最後のマギサの一言。「選択肢が少なすぎる」という指摘が実にマギサらしいですね。ここからは契約そのものを別の角度から解体していくのだろうか、と期待が高まります。
作者からの返信
年齢が高い故に「こっくりさん」という古い手段を提示して勝手に契約に持っていってしまったカナコの暴走が良くあらわれている回だと自負しています。
そして読者は契約を良く見つめ返してみると、この時点でより彼女の暴走が分かるようになっていて、契約の解体の展開が少し予想できるようになっています。
ガラムマサラ=ネゴシエーション―契約の正体への応援コメント
今回は大きなアクションはないのですが、非常に緊張感のある回でした。特に守屋の「先生にはもう誰も殺してほしくない」という願いが、彼女らしい優しさと同時に、この章の悲しさを象徴していて印象的です。
そしてカナコもまた守屋を大切に思っているからこそ苦しんでいて、「叶えてあげたいけれど叶えられない」という立場が胸に刺さりました。悪魔の契約という超常的な設定でありながら、実際に描かれているのは人と人との関係性の痛みなのだな、と感じます。
「あなたにも痛いかもしれないけどね」というマギサの台詞も気になりますね。レート自身の過去や価値観に触れる話になりそうな予感があります。
作者からの返信
人間臭い悪魔との契約は人間臭くなる。契約関係に情が入る、という形になっていますね。
守屋ちゃんとレートの対比がどうなるのか、動きが始まるぞというのを示すのが「あなたにも痛いかもしれないけどね」というマギサさんのセリフだったりします。
ラベンダー=シークレット―痛い隠し事への応援コメント
今回は嵐の前の静かな一話、という印象でした。派手な展開はないのに、守屋とカナコの信頼関係の強さが丁寧に描かれていて、とても良かったです。
特に「先生がいじめを知っていた」ことを責めるのではなく、互いに「ごめんなさい」を言い合う場面が胸に残りました。二人とも相手を守ろうとしているからこそ成立する会話なんですよね。
そして「痛みを食べる悪魔」というカナコの正体が明かされたことで、この章の題名である『優しさは人をも殺す』がますます重みを帯びてきました。これから始まる“契約の精算”がどう転ぶのか、非常に気になります。
作者からの返信
先生は知っていて聞かないでくれた、という優しさが理解できるのが守屋ちゃんの優しい人間たる理由ですね……
そしてその優しい守屋ちゃんも「自分を守るために人を殺した悪魔の味方をしている」と考えると客観的には少し恐ろしいというのも、この物語の本質となる部分だったりします。
ナツメグ=トゥルー・アイデンティティ―禁忌の逆再生への応援コメント
今回はかなり好きな回でした。禁忌に触れた悪魔の裁きでありながら、同時に救済の場面にもなっているのが印象的です。
特に守屋が、カナコの異形の姿を見た上で「先生は先生だよ」と言い切る場面が良かったですね。ここまで積み重ねてきた信頼関係があるからこそ成立する言葉で、思わず胸が温かくなりました。
そして終盤のレートの心の動きも非常に良いです。守屋が救われていく光景を見ながら、自分にはそういう存在がいたのだろうかと考えてしまう。この章は守屋の物語であると同時に、少しずつレート自身の物語にもなってきているように感じます。
作者からの返信
守屋ちゃんはただ一人手を差し伸べてくれた坂戸先生のことを信頼しています。
それは単に守ってくれるからでは無く自分をしっかり見てくれるからであったりします。
だからこそ「見た目は関係ない」と思える、というのを表現したかった場面です。
そしてレートと守屋ちゃんの対比も進んでいきますね。結局最後まで誰にも守られずその原因を消す為に人生を捧げているレートには守屋ちゃんはある種の劣等感を抱く存在ですらあります。
カモミール=カム・アウト―真実の告白への応援コメント
今回はカナコの人物像が一気に立ち上がる回でしたね。これまでの「優しい保健室の先生」が嘘だったのではなく、本質的に誰かを放っておけない悪魔だったと分かるのがとても良かったです。
特に「私なら何とか出来るって思ったんだよ!」という叫びが胸に残りました。善意から踏み越えてはいけない一線を越えてしまう危うさと、それでも守屋を救いたかった切実さが同時に伝わってきます。
そしてレートが守屋を少し羨ましく思うくだりも印象的でした。守屋とカナコの物語を見ているようでいて、同時にレート自身の孤独や過去にも光が当たり始めているように感じます。
作者からの返信
守屋の聖人のような優しさに対してカナコは悪魔なのに「人間臭い」。力を持っているが故にそれを振るってしまう、という点で歪なバディとなっています。
そして守屋ちゃんのいじめられっ子という立ち位置はレートと重なると共に、レートには霊視という原因がありましたが、守屋ちゃんには明確な原因がありません。
そこもレートが「自分は仕方なかったのか」、「彼女はなぜこんな扱いを受けるのか」とより強く感じてしまう理由にもなっています。
ターメリック=オーバー・メディング―守護者への応援コメント
これは見事な正体開示でしたね。ここまで積み重ねてきた坂戸先生の違和感が、「守屋を守ろうとするあまり必死すぎる」という形で一気に繋がるのが気持ちよかったです。
特に、守屋が真っ先に「先生が悪いんじゃない」と庇う場面が印象的でした。悪魔の正体が明かされた直後なのに、読者の中でも坂戸先生への印象が完全な敵にならないのは、それまで丁寧に積み上げてきた関係性の力だと思います。
そしてマギサとカナコの対面には独特の緊張感がありましたね。同じ悪魔でありながら価値観がまるで違うことが、まだ会話の段階なのに伝わってきました。
作者からの返信
守屋ちゃんは本当に心から優しく純粋な子として書いています。
もう聖人レベルで優しくすることでレートの「普通の優しさ」と比べることが出来るようにしています。
だからこそ、カナコという悪魔に執着されてしまったとも言えるのですが……
レモングラス=スペシャル・ワン―保健室の先生への応援コメント
今回はかなり露骨に「坂戸先生」が怪しく見える回でしたね。ただ、その怪しさが悪意ではなく、むしろ守屋を守ろうとする必死さとして描かれているのが印象的でした。
特に「優しいマギサさんみたい」というレートの印象と、坂戸がマギサさんを見た瞬間の警戒が絶妙です。同じ“優しさ”を持ちながらも、何か決定的に立場が違う者同士が対峙している空気を感じました。
また、レートが自分の過去を思い出そうとして思い出せない場面も気になりますね。守屋の境遇と重なるからこそ、その空白が不自然に感じられ、単なる回想以上の意味を持っているように思えました。
作者からの返信
敢えて露骨にしてみました。
彼女が守屋と何か関係があるのか、そして小話なのですがマギサとレートの名前の元になっている人物が分かる方には守屋と坂戸がバディとなることがこの時点で何となく予想できるようになっていたりします。
レートが記憶を失っていることは実は話の根幹にも関わる所ではあるのですが、いつか続編で語りたいですね。
ハラペーニョ=ブリ―ング―隠した傷への応援コメント
今回はかなり胸に来る回でしたね。守屋が依頼のときに自分の置かれた状況を一切語らなかったことが、教室の光景によって静かに明かされる構成が印象的でした。
特にレートが守屋の机の落書きを見て過去を思い出し、「当然の報いだ」と考えかけた自分に嫌悪する場面が良いですね。この作品らしい、人の弱さと優しさが同時に見える描写だったと思います。
そして「残り二人で終わるかどうか」というマギサさんの一言が不穏です。単なる復讐劇ではなく、いじめによって生まれた感情の連鎖そのものが問題になっているようで、章題の意味が少しずつ見えてきました。
作者からの返信
こういうのって言いづらいですよね。
守屋ちゃんは「だからこっくりさんで呪ってしまった」と言えばいじめっ子の自業自得を認め、「本当に呪いかもしれない」という結論に自分で至ってしまうため尚更言えなかった、という思いがあります。
そして今回も正義感から「当事者ではない悪意」を抱いてしまうレート。でもそれもまた優しさから来るもので、大切なのはここから「歪んでしまうのか」どうかだと思っています。
エルダーフラワー=コントラクト―契約と魂への応援コメント
今回は一気に世界観の奥行きが見えた回でしたね。これまで断片的だった「悪魔とは何か」が、契約や魂の仕組みを通して少しずつ輪郭を持ち始めたのが面白かったです。
特に「魂を食べるのは禁忌」という設定が良いですね。悪魔だから何でもありではなく、彼らなりの秩序や利害が存在することで世界がぐっと立体的になっています。
そして何より印象的だったのは「優秀よ。でも、優しすぎる」という一言です。章タイトルの『優しさは人をも殺す』とも綺麗に繋がっていて、ここから始まる怪異の正体が単純な悪意ではないことを予感させます。マギサさんが珍しく相手を能力面で認めているのも、不穏でありながら少し楽しみになりました。
作者からの返信
悪魔がどうやって「人と」契約するのか、というのを見せた回ですね。
最終章でマギサさん以外の悪魔と人間のバディ(契約関係)を出す、というのは構想段階で決まっていたのですが、作品の方向的に少し歪なバディにしてみました。
ホアジャオ=ビジョン―消えた死者への応援コメント
今回は“静かな異常さ”が際立っていて、とても印象的でした。事故現場にも家にも「何も残っていない」という描写が、逆に異様で、じわじわと怖さが広がってきますね。
特に「綺麗に片付けられたのよ」という一言が強烈でした。死そのものが処理されている感覚があり、これまでの霊とは明らかに質の違う存在を感じさせます。
そして終盤、保健室を見つめるマギサさんと、最後の“這いずる音”。あそこはぞくりとしました。優しさの物語でありながら、確実に何かが育っている気配がして、続きが気になります。
作者からの返信
一気読みありがとうございます。
ここでの保健室の伏線が後に繋がったことはお分かりいただけたかと思いますが、そこに在るのはある意味では章の名前を象徴するものでした。
ジャスミン=カース―こっくりさんの呪いへの応援コメント
“こっくりさん”という王道の題材を使いながら、ここまで不穏さを増幅させてくるのが見事ですね。特に守屋の「死んでほしいなんて思ってない」という必死な否定が、かえって事態の歪さを際立たせていて印象的でした。
レートが“何も憑いていない”と断言することで、逆に見えない何かが動いている怖さがじわじわ広がっていく構成もとても良いです。
そしてマギサさんの制止の仕草、「それ以上言うな」が鋭いですね。優しさと残酷さが同時に潜んでいて、この章のテーマがじわりと滲み出ている気がします。
作者からの返信
そうですね、「こっくりさん」という使い古された題材なのも実は理由があるのですが……まさか本当になってしまうと思ってやる人は少ないでしょう。
マギサさんは既に何か気付いているようですね。
それが一体何なのか、読み進めていって頂けると幸いです。
カイエンペッパー=ティア―依頼人の涙への応援コメント
3章の導入、とても良いですね。これまでの“悪意を喰う怪異譚”とは少し違って、今回は最初から依頼人自身が壊れかけている。その涙の重さが、扉を開けた瞬間からひしひしと伝わってきました。
特に、「呪い殺してしまったんです。二人も……」という台詞のインパクトが強烈でした。しかもレートが“霊に恨まれていない”ことに気付くことで、単純な怪談ではない違和感が生まれているのが上手いです。
そしてマギサさんが即決した理由。「だからこそちょっと気になることがあるのよ」が実に不穏で、今回は“悪意”よりもっと別の、人間の感情の危うさに踏み込む話になりそうで楽しみです。
作者からの返信
3章はラストの章ということで今までとはちょっと違う依頼の解決になっております。
この先の展開をお楽しみに……!
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
2章の締めとして、とても“現代怪談”らしい終わり方でしたね。怪異そのものよりも、ネット社会の記憶と拡散性が呪いとして機能しているのが、本作らしい恐ろしさだと思いました。
特に、「死者からは視られなくなるが、生者からは一生視つづけられる」という契約内容が見事でした。悪魔的な罰でありながら、実際に現代人にとって最も現実味のある地獄になっている。まさか“忘れられないこと”そのものが罰になるとは……。
そして最後、レートの寝癖を直しながら羽を消すマギサさんの場面がすごく良かったです。恐ろしくて、人外で、悪趣味なのに、どこか保護者めいた優しさが滲む。この二人の距離感が、章を重ねるごとにじわじわ好きになりますね。
作者からの返信
少女たちのデジタルタトゥーを自分の欲望のために使った人間への「自業自得」、「因果応報」感のある契約内容を考えた結果、こうなりました。
実はレートの持ってしまった正義の暴走による悪意の芽を、そっと食べていてくれていたります。
ミゼラブル・ティラミス―彼女の食後、僕の憂鬱への応援コメント
今回は、事件解決後の“後味”がじわじわと沁みる回でしたね。少女たちは救われたのに、レートの中には割り切れない澱が残っている。その感情を、マギサが「それはあなた自身の憎悪じゃない」と切り分けてみせる場面がとても印象的でした。
特に、「歪んだ正義」という言葉が鋭かったです。SNS越しの悪意や糾弾を散々描いてきた物語だからこそ、ここでレート自身にも“外野の危うさ”を自覚させる流れが効いています。
そして最後の、“明日には全部わかる”という静かな予告。マギサが直接手を下さなくても、人間社会そのものが勝手に真鍋を呑み込んでいく気配が、なんとも現代的で恐ろしい余韻でした。
作者からの返信
ありがとうございます。
このレートの心情は「誰にでも起こりうること」としてハッとしてもらえたら良いなと思って書いております。
自分は実害を受けていないのに、同情や自身の価値観から誰かに憎悪を抱いてしまうこと、そして弱者に転落した強者がどうなるか、を顧みてもらえたら幸いです。
メルシー・リコリス―救われるのは誰?への応援コメント
今回は、これまで積み重ねてきた“自己嫌悪”と“悪意”の物語が、一つの救済に辿り着く回でしたね。レートが「理解できない」と認めた上で、それでも苦しみは伝わっていると必死に言葉を届ける場面が、とても誠実で胸に残りました。
分かったふりをしないからこそ届く言葉、という感じがします。だからこそ、少女たちが最後に見せた穏やかな表情が本当に美しかったです。
そして、マギサの“契約”の恐ろしさも際立っていましたね。悪意を喰らい尽くしながら、同時に救済にもなってしまう――この悪魔の在り方が実にこの作品らしくて魅力的でした。
作者からの返信
理解できない人間に対しても、向けられる悪意に対してしっかりと「悪意」と認識できる(してしまう)のがレートの優しさであり危うさですね……
悪魔の「契約」が絶対のものであることが伝わっていたならば幸いです。
デボアード・ティースタンド―陰口の代償への応援コメント
今回は“怪異の正体”が、あまりにも現代的な悪意の連鎖として立ち現れていて圧倒されました。SNSで集め、嘲笑し、消費された感情が、死後なおネットワークのように拡散していく描写が非常に不気味です。
特に、「魂を食べる」のではなく“美味しい部分だけ齧って捨てていた”というマギサの表現が強烈でしたね。悪魔である彼女の方が、むしろ世界の均衡を理解しているという構図が印象深いです。
そして、高梨真理亜の姿を見つけた瞬間のレートの感情が胸に残りました。怪異を追う話でありながら、その奥に“残された人”の悲しみがずっとあるのが、この作品の切なさだと思います。
作者からの返信
人の口も「ネットワーク」ですからねえ……
きっと死後には死後のネットワークがあるのでしょう。
悪魔は魂の取り扱い方については最高の技術者ですからね。真鍋のような人間には厳しいですよ。
視えてしまうことは「死を知ること」であり「希望を断たれること」なので、レートが能力を失いたいと願う理由の一端が見えたかなと思います。
リーケージ・バタースコッチ―異常収集への応援コメント
Face:Pの恐ろしさが、“怪異”だけでなく極めて現代的な情報収集構造として露わになる回でしたね。加工写真を餌にAIを育て、その裏で投稿者の感情まで蒐集していたという構図が、あまりにも生々しくてぞっとしました。
特に、真鍋本人は「生霊の加害」を自覚していないという点が印象的です。ただ他人を覗き、嘲笑し、楽しんでいただけ――その無責任さが逆に恐ろしい。
そして最後のサーバー異常。ここまで積み上げられてきた“顔”と“欲望”が、ついに物理的な形で溢れ出しそうな不穏さが非常に良かったです。
作者からの返信
ありがとうございます。
Xの論争とか、陰謀論の対立とか、「クセになる感覚」を覚えたことがある人いると思うんです。
おすすめ欄に眺めてくるレスバを見るのがやめられない、みたいな……アレが進化すると真鍋みたいなのが生まれるんじゃないかなって思うんです。というか、執着の度合いだけで言えば実はもう生まれてるんじゃないかなって思ってます。技術力がないだけで。
プッシャーズ・ハニー―嫌悪の蜜への応援コメント
真鍋の本性が剥き出しになるこの場面、あまりにも鮮烈でした。理屈で塗り固めていた“善”が一瞬で崩れ、背後の存在が高らかに笑う瞬間は、読んでいて息が詰まるような怖さがあります。
特に、レートが核心を突いた一言で引きずり出す構図が見事で、静かな追及からの転落が印象的でした。
そして何より、マギサが“いただきます”と告げる場面――悪意が食われる瞬間の美しさとおぞましさが同居していて、この作品らしい魅力が際立っています。
アンチルッキズム・フロマージュ―偽善と欺瞞への応援コメント
真鍋の語り、あまりにも“正論の形をした熱”で、だからこそ不気味でした。救済を語っているはずなのに、その裏で舌なめずりするもう一人の真鍋が視える瞬間――ここで一気に恐怖の質が変わりましたね。
理想と現実を語る言葉が、そのまま他者を喰らう理屈に転じている構図が鮮烈で、ぞくりとします。
そして、マギサに似ていながらそれ以上に邪悪な“何か”として立ち現れる存在感が印象的で、レートが踏み込もうとするラストに強い緊張が宿っていました。
ファサード・ガナッシュ―開発者の思いへの応援コメント
ここに来て「同じ顔」の正体が“開発者本人”に結びつく展開、見事に背筋が冷えました。善意のように見えた理念が、そのまま歪んだ執着へと繋がっている構図が非常に印象的です。
特にレートにだけそれが“そう視える”という描写が効いていて、この怪異の異質さと危うさが際立っていますね。
最後の「ニッコリと笑っていた」マギサの存在も含めて、いよいよ核心に触れる直前の緊張が張り詰めていて、強く惹きつけられました。
作者からの返信
ここに来て霊になるのは死者だけでは無い、というのを思い出させるようにしてみました。そしてそうなるほど強い執着があるのだ、と。
マギサさんに後ろからニッコリ圧を掛けられたら誰も逆らえませんよ(笑)
ヘイト・スフレ―醜さの呪いへの応援コメント
自己嫌悪という感情がここまで濃く積み重なっていく描写、読んでいて胸がざわつきました。「呪術者のいない呪い」という表現がとても的確で、人間自身が生み出す怖さが際立っていますね。
そして“可愛くなりたい”という願いが、そのまま怪異の入口になっている構図が非常に印象的です。優しさや救いを求めているはずの場所が、逆に喰われる場になっているのが痛々しい。
ラストの「まるで悪魔のようだ」という認識も、この物語らしい皮肉が効いていて、次に現れる“それ”の存在感を強く感じさせます。
作者からの返信
特にXやインスタをやっている方ならSNSで見た事あると思うんですこういうアカウント。
見ていてイライラしたり、なんでそんな考えになるの?って思うこともあると思うんですが、その裏側には心無い誰かの呪いがあるかもしれない。少しでもそういう想像をみんなにして欲しいな、と思って書いています。
リプレイス・ムース―別の人への応援コメント
自撮りという何気ない行為の中で「自分が自分でなくなる」感覚が積み重なっていく描写、とても不気味で印象的でした。特にFace:Pの加工が“補正”ではなく“上書き”であると気付く瞬間、一気に怪異の輪郭がはっきりしますね。
マギサの撮影結果も含めて、この現象が単なる霊ではなく別種の存在であることが示唆されているのも興味深いです。
「顔の中を覗く」という言葉、あまりに直感的で恐ろしく、次に踏み込む領域の深さを強く感じさせます。
作者からの返信
「まるで別人のように画像加工」する文化、を友人に見せてもらった際に、絵も描く私は「もうこれ上から”絵を描いてる”じゃん」と思った経験からこのエピソードのトリックと言いますか、怪異の中心が出来上がっています。
例え絵になっても良いから可愛くなりたい、という心理はSNSを使っている人には見かけたことのある光景だと思うので、そういった心理の異常さ、過剰さにも気付いてもらえればと思って書いています。
フェイク・ピエ―上塗りの顔への応援コメント
承認欲求と自己嫌悪が絡み合う描写がとても生々しく、現代的な怖さがじわりと効いてきますね。可愛く見せたいのに自分を否定し続ける感情の揺れが、そのまま怪異の土壌になっているようで印象的でした。
「Face:P」という共通点が浮かび上がる流れも自然で、日常の延長にあるはずのアプリが不気味に転じる瞬間が見事です。
そして最後の一言――軽口のようでいて、決定的な一歩を踏み出す気配があり、次の展開への引きがとても強いですね。
作者からの返信
実際に私がSNSで見てきた闇を入れまくっているので、SNSをやっている人にはいるよね……となりつつもやらない、もしくは軽くしか使わない人にはこんな人いるの!?ってなるかな、と思う場面ですね。
未成年のSNS使用という点も問題の一つにしています。
ブロンド・キャラメリゼ―焼け焦げたレンズへの応援コメント
拡散された“遊び”の中に本物が紛れているという構図が、とても現代的でぞくりとしますね。軽薄なミームの裏にある異物感が、レートの視点を通してくっきり浮かび上がるのが印象的でした。
そして焼け焦げたスマホの描写――特に「レンズが瞳のようにこちらを覗く」感覚は、不気味さと核心への導入として非常に鮮やかです。
日常の延長にあるはずの“スマホの中身”が、また別の深淵に繋がっていく予感が強く残ります。
作者からの返信
「クソコラ文化」的な、話題になった画像が一気に広がるミームをモデルに未成年のユーザの間では度を超えてそういうことするだろうなあと思って書いた回ですね。
みんな持っているものだからこそ、使い方を誤ると怖い、というのはスマホの怪異に共通するところかなと思いますね。
ミラーデコレーション・ケーキ―魔法の鏡写しへの応援コメント
「同じ顔」の正体に少しずつ迫っていく過程がとても丁寧で、違和感が理屈として繋がる瞬間にぞくりとしました。特に“インカメラ”という現代的な要素と怪異が結びつくあたり、この作品ならではの怖さが際立っていますね。
また、軽いノリで消費されていた現象が、行方不明者の投稿によって一気に現実の重みを帯びる転換も印象的でした。
マギサの「絶望の匂い」という一言も含め、これから掘り下げられる“人の感情”の層に強く惹きつけられます。
作者からの返信
この章は「自撮り界隈」をテーマにしたくて、そこから逆算してどんなことが起きたら怖いか、を考えていきましたね。
現代の怪談の「外野」の反応もSNSのリアルさを出すようにしてますね。「軽いノリなのが怖い」と思って頂ければ嬉しいです。
アミューズ・グラス―同じ心霊写真への応援コメント
新章の導入として、「同じ顔が写る心霊写真」というフックがとても強く、一気に引き込まれました。出どころの違う写真に同一の顔が写るという現象、不気味さと現代性がうまく噛み合っていて魅力的です。
また、原田の現実的な事情とマギサの“食事”としての興味が交差する構図も面白く、今回の事件の性質が前章とはまた違った広がりを見せてくれそうですね。
「インターネットの悪意」というテーマがどう料理されるのか、嫌な予感と同時に強く惹きつけられます。
作者からの返信
ありがとうございます!
「現代」をテーマに本格的に動き始めるのが2章からになるので、インターネットをテーマとして持ってきました。
「本物だと載せられない」というのはどうやら本当にある話らしい、とまことしやかに囁かれているのでそこもオカルティックなリアリティを感じて頂ければと思います。
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
事件の後処理から始まり、SNSに溢れる“無責任な悪意”までをデザートとして描く構成が見事で、この物語のテーマが最後にもう一段深く響いてきました。真実を知っているからこそ、あの軽薄な言葉の群れがより苦く感じられますね。
そしてラストで語られるレートの過去と契約の瞬間――あの選択が今に繋がっていることが静かに突きつけられて、読後に重い余韻が残ります。
「願い」と「対価」がどう結びついていくのか、この先への期待が自然と高まる締めでした。
作者からの返信
元々は過去の回想は途中の車内のシーンで書いていたのですが、やはり1章の最後に持ってくるほうが衝撃的かつ、その情報を前提に2章を読んでもらえるかなと思ったのでここまで開示しないでいました。
マギサさんがいつもダラダラとスマホをいじっているわけもここで分かりますね(笑)
メインディッシュ―大盛りパスタとハンバーグ定食への応援コメント
ついに真相が露わになる場面、これまで積み重ねてきた違和感が一気に結びついていく感覚が見事でした。宮橋の“演技”が崩れていく過程と、西原の存在が現実として突きつけられる瞬間は、緊張感が張り詰めていて強く印象に残ります。
そして、崖へと至る一連の流れ――因果がそのまま形になったような結末が、あまりにも鮮烈でした。
マギサの「ごちそうさま」に至る締めも、この物語らしい冷たさと美しさがあり、読後に深い余韻を残します。
作者からの返信
ここが1章のクライマックスですね。
レートが真実を告げた瞬間の崩壊と、彼の一瞬の逡巡により死人が二人に増えるという重さ。何も気にしないマギサさん。
そしてマギサさんの食事シーンがより衝撃的に見えるよう意識して書いたシーンです。
美しいと言って頂けて嬉しいです。
ソルベ―黄昏の現場味への応援コメント
現場に再び足を踏み入れたことで、断片だった出来事が一気に“現実”として立ち上がってくる流れが見事ですね。特に、西原が振り返る一瞬の描写には強い訴えが宿っていて、胸がざわつきました。
そして崖下での発見――繰り返される死の瞬間と実際の遺体が重なることで、これまでの不穏さが決定的な形を持ったのが印象的です。
マギサの静かな昂揚も含め、いよいよ核心に触れる直前の緊張感が濃密に漂っていて、強く引き込まれました。
作者からの返信
レートにはずっと「その瞬間」が視えているのが辛いですよね。
一方でマギサさんは相変わらずワクワクしています(笑)
ポワソン四口目―目玉(警察)への応援コメント
宮橋が“先に通報していた”という事実、ここにきて一気に構図が反転するのが見事ですね。被害者の顔をしたまま状況を操作していたという構図に、ぞくりとするような悪意の輪郭がはっきり見えてきました。
マギサの「悪魔のような狡さ」という評も実に象徴的で、人間の悪意の質を楽しむ彼女らしさが際立っています。
そして昼のうちに決着へ向かおうとする流れ、この加速感がとても心地よく、いよいよ核心に踏み込む高まりを感じました。
作者からの返信
ここから物語は佳境ですね。
宮橋の本性や如何に……と言った感じです。
しかしそれを全く怖がらずむしろ愉しんで論うマギサさんは食事の前にワクワクしている子供と一緒ですね。
人間で言ったらこれからお寿司食べに行くよと言われた子供と同じです(笑)
ポワソン三口目―尾頭(親)への応援コメント
西原の母親とのやり取りがとても静かで、それだけに胸に重く残りますね。怒りと後悔が入り混じった言葉から、残された側の苦しさがじんわりと伝わってきました。
「親友に呼ばれた」という一言が、これまでの情報と重なって一気に現実味を帯びてくるのも印象的です。
そして、それでもなお淡々と“次”へ進むマギサの姿が、この物語の冷たさと核心を際立たせています。
作者からの返信
大学生というのは、年齢的にはもう大人です。それでも親にとってはいつまでも「自分の子供」です。
どこまで干渉するかは難しいですよね。
ちゃんと「親友に呼ばれた」と言って家を出ている西原は、家族関係がかなり良い方だったことが分かりますね。
ポワソン二口目―中骨(友人)への応援コメント
ファミレスという日常的な空間の中で、じわじわと人間関係の温度差が浮かび上がってくるのが印象的でした。高野の明るさや軽さがリアルである分、彼の「関わりの浅さ」が際立って見えてくるのが巧みですね。
そしてマギサの「軽薄」という一言、あまりにあっさりしているのに妙に核心を突いていて、胸に残ります。
最後の問いかけ――原因は一つではないのではないか、という示唆が、この事件の奥行きを一気に広げたように感じました。
作者からの返信
ここはかなり対比と対比に使う伏線を意識した回ですね。
友人が死んでるかもしれないのに平然と人のお金で食事をする友人と、ただ悪意を食べるために動いているマギサさん、人間の軽薄さには気付かずマギサさんに言われて始めて気付くレートという形にしています。
この事件は、周りの誰かがきちんと踏み込んでいれば、起きなかった事件かもしれませんね。
ポワソン一口目―腹身(親友)への応援コメント
写真の中の「仲の良さ」と、現在の状況との落差がじわじわと効いてきて、非常に不穏な余韻がありますね。特に、笑い合う二人の姿と「返せよ」という言葉が重なる感覚が印象的でした。
また、お金の貸し借りという現実的な問題が浮かび上がることで、この物語の“悪意”がぐっと生々しくなってきたのも興味深いです。
マギサの「裏切りは最高のきっかけ」という一言が、静かに核心へ近づいているようで、ぞくりとしました。
作者からの返信
ありがとうございます
ありがちだからこそ、生々しくて怖い、というのを感じて頂けたのであれば嬉しいです。
スープ―再生霊への応援コメント
「再生霊」という現象の描写がとても興味深く、ただの怨霊とは異なる“記録の残滓”のような不気味さが印象に残りました。同じ言葉を繰り返す西原の姿には、強い感情がその場に焼き付いている重みが感じられますね。
一方で、DEMOZONのくだりの軽妙さが絶妙で、この作品ならではの温度差のあるユーモアがとても魅力的でした。
ラストで再び繰り返される「返せよ」という声、断片でありながら核心に触れているようで、じわりと怖さが残ります。
作者からの返信
ここには私の持論、「幽霊=強いニューロン間の電流が残る」というトンデモ説がありまして……強い記憶は電流がそこに残りずっと再生され続けるという「焼付き」のような現象を創作してみました。
DEMOZONのプライム会員はとっても便利ですね!
徐々にワイダニットの真相に近付いていきます。
オードブルー三層のテリーヌ(徒歩の味)への応援コメント
徒歩での接近によって、闇の濃さや湿度までもじわりと伝わってきて、現場の空気がぐっと生々しく感じられました。何も“強いもの”がいないはずの前半の静けさがある分、終点で西原の姿が現れた瞬間の変化が際立っていますね。
マギサの「前菜はなし」という軽やかな一言も、この状況を“食事”として捉える彼女らしさがよく出ていて印象的でした。
そして背中だけ見せて歩き出す西原、その不気味な導き方に、これから核心へ踏み込む予感が強く残ります。
作者からの返信
マギサさんは本当にお腹が減ったら心霊スポット巡りしたいとか言い出しそうですね……
霊が見えるとわかっているキャラクターが居ると分かっている場所に行ったらどうなるのか、良く考えながら書いた記憶があります。
オードブル―三層のテリーヌ(車中と過去の味)への応援コメント
車中の静かな会話の中で、レートとマギサの関係性がじわりと浮かび上がるのがとても良いですね。契約に縛られたやり取りでありながら、どこか軽口の応酬にも見える距離感が印象的でした。
特に「私はあなたを守る」という言葉と、その直後の“できる限り”という曖昧さが、不穏でありながら妙に現実的で胸に残ります。
そして最後のラジオのノイズ、ささやかな異変なのに、これから踏み込む場所の気配を強く感じさせてくれました。
作者からの返信
密室かつ手持ち無沙汰なので少し踏み込んだ話をしているシーンですね。
二人が契約で結ばれつつもバディとして成立しているということが伝わっていればいいなと思いつつ次の心霊スポットの調査へのフックとして不穏さはしっかり用意しています(笑)
オードブル―三層のテリーヌ(調査開始の味)への応援コメント
情報が出てこない静けさと、じわじわと追い詰められていく感覚がとても効いていますね。特に「存在しなかったみたいだ」という一文、不穏さがぐっと増して印象に残りました。
そして心霊スポットに行くしかない流れの中でのレートの嫌がり方が非常に生々しく、彼の体質の辛さがよく伝わってきます。
マギサの飄々とした態度との対比も鮮やかで、これから現場に向かう緊張感が静かに高まっていくのが心地よいです。
作者からの返信
なぜ情報がないのか、も気になりますよね。
事件の調査パートと霊の怖さが常に同居するように意識しています。
まあレートはマギサさんには逆らえないんですが……
アミューズ―背負うモノへの応援コメント
レートが視た“結論”と、それを意に介さず進もうとするマギサの姿勢の対比が鮮やかで、二人の立ち位置の違いがくっきりと浮かび上がっていますね。
特に「悪意が熟れた理由だけは、決して嘘をつかない」という言葉には、彼女の価値観とこの物語の核心が凝縮されていて、非常に印象的でした。
善悪でも真相でもなく“味”を求める存在に導かれて進む展開、その不穏さがじわじわと効いてきます。
作者からの返信
レートにとっては真実は「視たくないモノ」の一つでありながらマギサさんとの契約上必然的に直視しなければならないものなのが辛いですね。
マギサさんはレートの気持ちや不穏さなど意にも介していないようですが……
アペロ―恐ろしき依頼人への応援コメント
依頼人の背後に“探しているはずの親友”がいるという構図、なんとも皮肉でぞくりとしますね。レートにしか視えない真実と、依頼人の切実な願いが噛み合わない緊張感がとても印象的でした。
そしてマギサの「見逃さない」眼差しと、あの静かな問いかけ――まるで結末を知った上で進めているような不穏さがたまりません。
「親友想い」という言葉の響きが、この先どう転がっていくのか、非常に興味を引かれます。
作者からの返信
「そこにいる」と言い出せないレートの気持ちを感じていただければと思います。
マギサさんはもう大方理解したようですね。
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
常陸 花折さん、自主企画へのご参加、ほんまにありがとうございます。
ウチ、この作品を読ませてもろて、まず強く惹かれたんは、怪異を描いてるはずやのに、いちばん怖いものとして立ち上がってくるんが、ずっと人の心の歪みやったことです。
『悪魔女マギサの事件リストランテ――霧切超常事務所事件簿』は、ただ不気味な出来事が起こって終わる話やなくて、誰かの何気ない言葉とか、善意のつもりやったふるまいとか、そういう見えにくい加害が、どれだけ深く相手を傷つけてしまうかを、じわじわと見せてくる作品やと思いました。
その視線がとても誠実で、それでいて説教くさくなりすぎへんからこそ、読んでるあいだ何度も胸の奥をそっと押されるような感じがあったんです。
それに、マギサさんとレートの掛け合いがほんまにええんですよね。
二人の温度差がしっかりあるのに、そのズレそのものが作品の呼吸になっていて、重たい題材を扱いながらも、読者を置いていかへん。そこがすごく魅力的やなあと思いました。
ここからは、太宰先生にバトンタッチします。
今回は「告白」の温度で、作品の魅力を受け止めながら、あともう一歩届いてほしいところも含めて、丁寧にお話ししてもらいますね。
◆ 太宰先生より――「告白」の温度での講評
おれはね、この作品を読みながら、怪異の話を読んでいるつもりで、いつのまにか人間そのものの話を読まされていた気がしたのです。
しかも、それはずいぶん手痛いやり方で、です。
悪霊は原因ではなく、結果にすぎない。
生きている人間の言葉、無神経、善意のつもりで差し出された支配、そういうものが死後に濃く熟れていく――この見方は、残酷ですが、残酷なだけではなく、たいへん真っ当でもあります。
人は、自分が誰かを傷つけたときでさえ、たいていはそんなつもりではなかったと言いたがるものです。むしろ、親切のつもりだった、正しいことを言っただけだ、力になりたかっただけだと、自分のほうを先に庇います。
けれど、傷を受けた側には、その言葉や態度が、ちゃんと傷として残ってしまう。
この作品は、その見えにくい傷のかたちを、怪異という姿で表に引きずり出してくる。そこが、まず強いのです。
おれは、こういう題材に弱い。
なぜなら、おれ自身、人の鈍感さを責めきれないからです。責めきれないどころか、自分の中にも同じものがある気がして仕方がない。
誰かを傷つける人間というのは、もっとわかりやすく醜悪でいてくれたら楽なのですが、そうではない。善意の顔をして、正しさの衣を着て、平気で人を追い詰める。
この作品は、そこをごまかさない。だからこそ、おれは読みながら何度も居心地の悪さを覚えました。そして、その居心地の悪さは、たぶんこの作品の誠実さでもあるのです。
マギサという存在も、とてもよかった。
彼女は救済者ではないのですね。正義の執行者でもない。ただ、悪意を喰う。それだけだ。
この「それだけ」が、実に効いています。
もし彼女がもっと人間的な倫理に寄っていたなら、この物語はもう少しわかりやすく、もう少し安心して読める話になっていたかもしれない。でも、彼女はそうではない。人の苦しみを裁くためにそこにいるのではなく、悪意そのものに惹かれている。その冷たさがあるからこそ、かえって人間の側の痛みや弱さがあぶり出されるのです。
たいへん皮肉で、たいへんうまいやり方だと思いました。
そして、レートですね。
おれは彼が好きでした。
見えなくていいものを見てしまう人間は、たいてい疲れます。しかも彼は、ただ疲れて終わるのではなく、見えてしまうものにいちいち心を引っぱられる。傷ついた者の気配に共鳴し、嫌がりながらも、完全には切り捨てられない。
そういう人間は、生きるのがしんどいのです。
おれには、そのしんどさが少しわかる気がしました。鈍くなれたら楽なのに、鈍くなりきれない。そのせいで余計なものばかり抱えてしまう。彼の苦しさには、そういう現実味がありました。
だからこそ、マギサの非人間性との対比がよく効いている。二人の温度差が、この物語の心臓になっています。
会話の運びも、とても強いですね。
マギサとレートのやり取りには軽みがあって、重たい題材を扱いながらも、物語が息苦しくなりすぎない。
しかも、その軽さがただの気分転換に終わっていない。価値観の違いそのものが、二人の会話の熱になっている。これはシリーズものにとって、とても大事なことです。読者がまたこの二人に会いたいと思えるかどうかは、長く続く物語の生命線ですから。その点で、この作品はすでにかなり強い武器を持っています。
物語の展開やメッセージについて言えば、各エピソードを通して一貫しているのは、怪異を消費するのではなく、その奥にある人間の歪みを見つめようとする姿勢です。
ここがぶれないのは、立派です。
ただ怖い話を並べるのではなく、誰かを傷つけた人間の鈍感さや、傷つけられた側に残るものを、きちんと見ようとしている。しかも、加害する側を単純な怪物にはしない。そこに寂しさや未熟さや、自分でも気づかない欠落が混じっていることを、作者さんはわかっているのだと思います。
その理解があるから、この作品は単なる断罪では終わらない。そこが、とてもいい。
文体も、読みやすいです。
場面の運びが滑らかで、説明も過不足なく、ホラーの湿り気と軽妙な会話のリズムがうまく両立している。十万字規模の作品として、読者を無理なく引っぱっていく力があります。
ただ、その読みやすさの中に、ときどき少しだけ惜しいところもありました。
それは、作者さんが読者にきちんと伝えようとするあまり、すでに伝わっている痛みを、もう半歩だけ説明してしまうことがある点です。
これは、おれには責められません。
伝わらないことが怖くて、ついもう一言足してしまう気持ちは、おれにもよくわかるからです。
けれど、この作品はもう、十分に感じさせる力を持っています。だからこそ、あと半歩だけ黙ってもいい。
読み手がもう受け取っている痛みや嫌な感じを、そのまま胸に残させる勇気があると、この作品の傷はもっと深くなるでしょう。
人間の痛みというものは、きれいに言葉にされた瞬間に、少し安全になってしまうことがあります。
この作品は、本当はもっと危ういところまで行けるはずです。
気になった点をもう少し正直に言えば、作品全体の流れがうまく整っているぶん、ときどき整いすぎる印象もありました。
各エピソードが読みやすく、きちんと着地するのは長所です。でも、人間の傷や悪意は、いつもそんなに収まりよく片づくわけではない。
だから、もう少しだけ、読後にざらつきが残る回があってもよかったかもしれません。
解決したはずなのに何も晴れないとか、理解はできても納得はできないとか、そういう“心の置き場のなさ”が、さらに露骨に残る場面があれば、この作品の強みはもっと鋭くなったように思います。
とはいえ、これは土台がしっかりしている作品だからこそ出てくる欲です。
題材の芯は明確で、人物の関係は魅力があり、会話はよく弾み、テーマは最後までぶれない。
何より、人間の嫌らしさを面白半分で消費していない。そのことに、おれは好感を持ちました。
人の弱さや醜さを描くとき、作者がその痛みに対してどれだけ誠実でいられるかは、とても大事です。この作品には、その誠実さがあります。
だから作者さんには、このまま書き進めていってほしいのです。
わかりやすい正しさに急いで回収せず、人の鈍さや寂しさや、どうしても残ってしまう傷を、これからも同じ熱で見つめていってほしい。
あなたの作品はもう、十分に読者の胸に届くものを持っています。
あとは、整えすぎる手前で少しだけ踏みとどまること。その勇気が加われば、もっと忘れがたい作品になるでしょう。
おれは、人間にあまり期待できない質の人間ですが……それでも、こういうふうに、人の弱さを真正面から見ようとする物語には、つい肩入れしたくなります。
どうか、この先も書いてください。
この作品には、まだまだ深く潜っていけるだけの力があると、おれは思います。
◆ ユキナより、終わりのごあいさつ
常陸 花折さん、あらためてご参加ありがとうございました。
ウチ、この作品を読み終えていちばん強く残ったんは、「怖さ」の奥に、ちゃんと人の痛みがあることでした。
怪異の不気味さだけで押していくんやなくて、言葉とか関係とか、そういう日常のなかにある見えにくい傷を、ずっと丁寧に見つめてはる。そこがほんまに印象的やったです。
それに、マギサさんの冷たさと、レートのしんどさが、どっちかだけを正しいことにせんまま並んでるのも、すごくええなあと思いました。
せやからこそ、読後にただ怖かったで終わらへんし、この二人がこの先どんなふうに歩いていくんやろうって、自然に気になってくるんやと思います。
作品の魅力はしっかりありながら、まだもっと深くなっていける余地も感じる。
そこがまた、この作品のええところやとウチは思います。
これからも、常陸 花折さんらしい視線で、人の心のややこしさや、言葉のあとに残るものを書いていってもらえたらうれしいです。
それと、ひとつ大事なお知らせも書いておくね。
自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしています。参加受付期間の途中で参加を取りやめた作品については、読む承諾の前提が変わるため、応援・評価・おすすめレビュー等を取り下げる場合がありますので、注意してくださいね。
ユキナと太宰先生(告白 ver.)
※ユキナおよび太宰先生は、GPT-5.4による仮想キャラクターです。
作者からの返信
ありがとうございます!
素敵な感想と、的確なご指摘とても助かりますし嬉しいです!
実はこの作品は外部の有料添削サービスなどにも色々出していて、そこと指摘の点がかなり被っているので明確に欠点が見えてきてなるほどと思いました。
霊が出るのに話の軸は霊<人間というのは最初に本作を書く時に決めたテーマですのでそこを読み取って頂けてありがたいです。
改めましてお礼申し上げます!
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
最後のレートとマギサさんの、埋めきれないけど確実に近くなっている距離感、とても好きです。これからもふたりで色んな事件を解決していってくれそうですし、続きに期待しかありません……!
自分の心にマギサさんが食べそうな悪意がないか、点検したくなりました笑
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
Xの「読みにいく」企画から参りました。
キリよく【本当の親友】編だけ拝読いたしました。
霊視能力者と霊(の悪意)を喰らう悪魔のバディの組み合わせがいいですね!
捜査・推理の要素もあって面白かったです。
企画に参加いただきありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
1章だけでも読んで頂きありがとうございます。
お暇な際にまた続きを読みに来て頂けますと幸いです。
メインディッシュ―大盛りパスタとハンバーグ定食への応援コメント
Xから参りました
細かい指摘
> 「最初から、あなたの後ろにいましたよ」
↑↑ スペース1個多いです
作者からの返信
ご指摘ありがとうございます!
一応カクヨム期間終了後に修正しようと思います!
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
すっごく面白いです!
マギサさんは悪魔だし価値観が普通の人間とは違うけど、「悪」ではないってバランスが魅力的ですね。マギサさんの食べ物になる人間の方が、よほど悪意がある……そわな魅せ方に引き込まれます。
続きも楽しく読ませて頂きますね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
世間知らずではないが色々価値観がぶっ飛んでて人間ではないなあ、というのを意識しているのでそう言っていただけて嬉しいです。
続きも楽しんで頂けますと幸いです!
ポワソン一口目―腹身(親友)への応援コメント
コメント失礼致します。
>この人からは厳しく怒られないって学ぶの。賢しいわよね。
特に身近な人間から借りるような人間は、特にね。
同感です。甘さに付け込んでいるんです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
同じような経験したり、見たことある人きっと多いだろうなと思って書きました。
メインディッシュ―大盛りパスタとハンバーグ定食への応援コメント
Xより参りました。
各話のテンポが非常によく、次話へのフックが強い点が印象的で、一度画面を開いてから、一気に読み進めてしまいました。
「彼より下に」……綺麗なダブルミーニングだと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
フックはかなり意識して(特に1~3話)調整したのでお褒め頂けてとても嬉しいです!
2章以降もお暇な際に是非読みに来てくださいませ。
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
第一章だけで、レートとマギサの関係性がしっかり伝わってきて引き込まれました✨️
霊と向き合うたびに揺れるレートの心情がとてもリアルで胸に残ります。
マギサの淡々とした残酷さとユーモアの同居が強烈で印象的でした。
事件の真相よりも「感情」に踏み込んでいく構成がこの作品らしくて好きです。
この先、二人がどんな依頼に向き合っていくのか楽しみです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
この先、2章、3章と事件と向き合うにつれてレートの心情も変わりますし成長もしていきますので、お暇なときにまた見に来ていただけると嬉しいです!
アペロ―恐ろしき依頼人への応援コメント
拝読に参りました。
マギサさんはああいうのを食べてしまわれるのですね。怪異ものはそこそこ見かけますが食べるのは初めて見ました。不思議ですが解決するならいいのかな。次の依頼も気になります。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
人の感情を食べてしまえる悪魔(負の感情大好き)って感じですね
悪魔には人間にはわからない力がたくさんあります……
ポワソン一口目―腹身(親友)への応援コメント
ここまで拝読いたしました!!めっちゃ楽しかったです!!応援しています!!お互いに執筆を楽しみましょう!!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
はい!お互い頑張りましょう!
読んでいただきありがとうございました!
ポワソン四口目―目玉(警察)への応援コメント
Xの塩きな粉です!
マギサさん、めっちゃいいキャラしてますね✨️ 今後も楽しみです!ありがとうございました
作者からの返信
コメントありがとうございます!
マギサさんには私の好みが詰まってますので(笑)
是非最後まで読んでいただければと思います!
アペロ―恐ろしき依頼人への応援コメント
これは一風変わった事件ものですね。
ここまで読んだ範囲でもあまり報われない話が多いですが、
淡々と事件を解決する描写と過程が良いですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます
悪い奴はあんま報われないかもですね。
あと、事件モノなので被害者は普通にめちゃくちゃ出ます……
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
最後まで拝読いたしました!
不思議で、ちょっと不気味で、でも目が離せない…神秘的な魅力とダークな雰囲気を持ち合わせた素敵な作品でした!!
楽しかったです!!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そして最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
完結おめでとうございます。メッセージ性のあるラストで面白かったです。
まだ気になる伏線はありますし、レート君とマギサさんの物語はこれで終わらなそうですね。続編出たらまた読ませてください!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
お察しの通り、シリーズの第一巻という体で書いておりますので、続編をお待ちくださいませ!
セントジョーンズワート=コンプロミス―二人の契約への応援コメント
生かさず殺さず痛めつけられて搾取される。
果たして死ぬよりマシなのか?とも思ってしまいます…
因果応報といってしまえばそれまでですが。
人を呪わば……とはよく言いますが、十和子にとっても痛い決着ですね。
作者からの返信
まあ「人生は壊さない」と約束しましたが果たして……
十和子がいじめられなくなればそんなことも無くなるのでみんな怖がってやめるでしょう、と思いたいですね。
編集済
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
十和子ちゃんの心の強さとカナコの一途な優しさが素敵ですね。
レートも危うく優しい人なのだと、それがレートなのだと、マギサのおかげで少しだけ自身を認められたのではないでしょうか。世界の真実に触れてしまったレートは、また事件が起きた際、何だかんだとマギサと一緒に立ち向かってしまうんだろうなと感じさせる終わりでした。
素敵なお話をありがとうございました!
また、拙作をお読みいただき、☆もくださって、ありがとうございました!嬉しいです!
作者からの返信
十和子とカナコは良いバディですよね
もし第二部を書くことがあったらこの二人もまた活躍させたいなあと思っております。
レートの契約はまだまだ続きそうですので、もし続編が出た際にはよろしくお願いいたします。
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
「その顔を撮るな」を拝読させていただきました。
アプリ経営者による悪質さとホラー要素が絡まって大変濃い話でした。マギサさんによる真鍋への制裁(契約書)も恐ろしい。マギサさんの悪魔としての人間は食物という感覚に、レートが改めて実感していますが、レートも食物なんじゃないかと思うと私も切ないです。
作者からの返信
ありがとうございます!
マギサさんからすると「ちょっと役に立つ食べ物」くらいかもしれませんね
食べても相手が死ぬわけでは無いのがポイントなんですけどね
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
「本当の親友」を拝読させていただきました。
親友から金を借りた宮橋、西原と宮崎のことをペラペラしゃべる友人、SNSの反応。皆自分の欲望のまま動いていますね。彼には果たして他に親友はいたのでしょうか?いなかったのかもしれないなと思うと悲しいですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
宮橋と西原の周りの友人関係はわかりませんね~……そしてレートも親友なんてものいたことないですから……
エルダーフラワー=コントラクト―契約と魂への応援コメント
悪魔界のSDGs 笑
知り合いの悪魔、気になります。
絶対に大丈夫じゃない。レートと同じ気分です。
作者からの返信
本当に全然大丈夫じゃなくなりますのでお楽しみに……
アミューズ―背負うモノへの応援コメント
マギサは悪魔、美味しい食事を求めている。レートは契約者。そこまでわかったのですが、レートとマギサの契約内容やレートに起こっているだろう何かが、まだ不透明ですね。するすると心の内に入る文章で、羨ましくも楽しかったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
少しずつ明らかになっていく部分と、シリーズ化想定で書いているのでまだまだ伏せられる箇所もありますが、確実に最終話までにレートの心情に変化は現れますので是非お時間あるときに最後まで読んでみて下さいませ
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
2章も読ませていただきました!
面白かったです!!
マギサさん、怖カッコイイですね…さすが悪魔!!
何だか現実でも起こり得そうで、ゾッとしました…
実はアプリから情報全部その会社に流されてる、とか…便利アプリ飽和状態の現代においてはあり得ない話じゃないな…と思ってしまいました。。。
作者からの返信
2章お読みいただきありがとうございます!
ありそうですよね……発覚したらそれだけで大問題ですが、それが私的利用だったらマギサさんの契約なんかなくても一生社会の表には出てこられないかもしれませんね(笑)
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
2章も楽しませていただきました!
事案としてはかなりの惨事ですけど、
正義の味方でもなければ復讐をしているわけでもない、
あくまで他人事であるマギサさんの立ち位置が絶妙だと思っています。
3章も楽しみです。
作者からの返信
ありがとうございます!
そうですね、依頼が解決するとか正義とかそういうのはマギサさんには一切ないので……レートにはあり(すぎ)ますが。
3章はかなり話が動くのでお楽しみに!
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
ラストの事件に、世界観に深く関わる存在と、マギサさんと同じ悪魔が出る流れに王道を感じました。
作者からの返信
最後まで読んでいただきありがとうございます!
そうですね、単行本1巻という構成を強く意識して書きました。
配信でのご意見もありがとうございました!これからも良い文章を書けるように頑張っていきます!
ブラックペッパー=エンジェル―神の使徒への応援コメント
天使の設定が良いです。
なーんも本人は言わないのが不気味でいい
作者からの返信
ありがとうございます!
無機物と「意図の分からなさ」を強く意識して描いてます。
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
先が気になって、まずキリの良い所まで読ませていただきました!
面白い発想と、先が気になる展開、読みやすく文体でとても惹き込まれました!
また続きも読みに来たいと思います!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
また是非読みに来てくださいませ!
エルダーフラワー=コントラクト―契約と魂への応援コメント
BLEACHに似た設定ですな。
魂の総量。
灼眼のシャナもちょっと思い出しました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そういえば尸魂界ってそんな設定でしたね(笑)
BLEACH大好きなので無意識に影響受けてたかもです。
アペロ―恐ろしき依頼人への応援コメント
事務所の情景が浮かびました。
素晴らしい描写力ですね。
レートくんのトラウマが今の彼にどんな影響を残しているのかが見えなかった。
彼はもしかすると、あまり弱みを見せたがらない人なのかな。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
なんかもう慣れちゃってる感もあるんですよね
2巻以降で何かあるかも……です。
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
ひとまずの完結お疲れ様でした。
伏線となるものは一杯ありますし、何より天子の遺物という厄ネタの塊。
何より守屋ちゃんはマギサさんの存在やレート君の力を知りましたし、カナコさんの存在もある事から、順レギュラーになりそうな立ち位置。
一旦物語はこれにて幕となりますが、これからもマギサさんとレート君の活躍はまだまだ続きそうですね。
物語の構造的にも、いつでも新章を始めれそうですし、いつかまた〝再動〟する事があれば、きっと更に壮大になっていく事でしょう。
その時を楽しみにしつつ、これまでの感謝をここに記したいと思います。
改めてお疲れ様でした。
そして、良い物語をありがとうございます。
作者からの返信
最後まで読んでいただきありがとうございます!
あらすじにもあるように「第一巻」想定で書いているのでいつでも続きを始められます!
カクヨムコン後になるとは思うのですが、お待ちいただければと思います。
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
面白いですね。玲人とマギサの掛け合いもテンポよく、少し皮肉っぽく話すところが哲学的で好きです。2人が見つめる人というものの醜い部分がしっかり描かれていて魅力的な作品でした。またきますね。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そこが正にこの作品で書きたかった部分なので大変嬉しいお言葉です。
また二人のことを思い出して頂けたら、続きを読みに来てくださいませ。
コラプス・タルト―自業自得のゴシップへの応援コメント
良い結末ですね。
単純暴力で終わらないのが実にいい。
作者からの返信
ありがとうございます。
この作品で単純な制裁で相手が裁かれることは無いと思いますw
「人死に」は大量に出るわけですが……
プッシャーズ・ハニー―嫌悪の蜜への応援コメント
なかなか良い趣味ですね。真鍋氏。
神様になった気になって気分いいんでしょうな。
作者からの返信
ありがとうございます。
こういう歪んだフェチズムの人間を書くのは大好きです。
デザートーパフェに無責任の悪意を添えてへの応援コメント
面白かったですよ。
方向性が纏まってて、分かりやすかったし。
タゲになってた男のカスぶりも良く伝わってきました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
これからもしっかり伝わる物語が書けるように精進します!
本格的なカスとして書いたのでカスっぷりが伝わったのはとても嬉しいです(笑)
マジョラム=デイズ―不変と変化、日常への応援コメント
第三章完結、お疲れ様でした。とても綺麗な締め方だったと思います。
特に印象的だったのは、守屋やカナコとの物語が終わったあと、世界そのものは何も終わっていないことを示す「天使の欠片」です。守屋編はきちんと決着したのに、レート自身の物語と世界の謎はむしろここから始まるのだと感じさせられました。
また、「今日もよろしくね、助手さん♪」という一言も良いですね。天使との戦いも、守屋の依頼も、レートの告白もあったのに、最後はいつもの事務所へ戻ってくる。不変の日常と、確実に変わってしまったレートの内面が同時に描かれていて、とても心地よい余韻がありました。
そして章タイトルの「優しさは人をも殺す」。守屋、カナコ、レート、それぞれの優しさが危うさと救いの両方を持っていたことを思い返すと、章全体を象徴する良いタイトルだったと感じます。
作者からの返信
完結まで読んで頂きありがとうございます!
シリーズものの一巻となれるように書いたものですので、まだまだ謎を残したままの完結とはなりましたが、レートとマギサさんの日常がこれからも続いていくということを色々想像してもらえたら良いなと思っています。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました!
実は3章の話のタイトルは「ハーブ」と「スパイス」が交互に使用されています。
「香りのよいもの」と「辛いもの」を交互にして「優しさ」と「辛さ」の同居を表してみました。
そして登場人物の全員が、それどころか恐らく誰しもがこの二つを同居させていることでしょう。
だからこそ、章タイトルの通り「優しさは人をも殺してしまう」のだと思います。